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アンチエイジングの鬼

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2013年11月30日
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みなさん、こんにちは。

だいぶ時間がたってしまいましたが、ホルモン特集の後編です。
女性ホルモンの続きから。
エストロゲンのことばかり注目されがちですが、最新の研究ではもう1つの女性ホルモン「プロゲステロン」の重要性がどんどん分かってきています。


プロゲステロン

女性ホルモンの中の黄体ホルモンです。
卵胞が育って排卵すると、今度は残った卵胞が黄体組織に変化して、プロゲステロンを分泌します。
プロゲステロンは、子宮内膜を受精卵が着床しやすく更に厚くさせ、妊娠を維持させるよう水分を保持させ、皮脂を増やし、食欲の増進に働きます。
生理が始まるとプロゲステロンは一気に減ります。

最近このプロゲステロンが注目を集めています。
女性ホルモン分野の権威であるジョン・リー博士は、これまでエストロゲンの減少が原因とされてきた更年期障害も、過剰なエストロゲンが原因とされてきた高血圧、体脂肪増加、甲状腺機能障害、胸痛、子宮内膜癌、乳がんなども「エストロゲン」と「プロゲステロン」の不均衡によって起こると言っています。


要するにエストロゲンが減るのが本当の原因ではなく、エストロゲン以上に減ってしまうプロゲステロンによって問題が起きているというのです。


PMSの症状が現れる原因もはっきりとしたことは分かっていません。
排卵後、黄体ホルモンの分泌量が増加すること自体が原因とする説と、黄体ホルモンの分泌量が不足したり、卵胞ホルモンが過剰に分泌されるなど内分泌ホルモンのバランスが崩れることが原因だとする説、または生理前に両方のホルモンが一気に減ることや過剰なストレスで自律神経の働きが乱れることが原因だとする説があります。
ひどいPMSが、プロゲステロン投与で解決することも多々あるようです。

現在日本女性に子宮筋腫が激増しています。
子宮筋腫は卵胞ホルモンであるエストロゲンが子宮の筋肉細胞に作用して出来ると言われています。
エストロゲンにさらされている期間が晩婚化や少子化の影響で増えたせいだとも言われています。


実は黄体ホルモンのプロゲステロンは、子宮筋腫を抑制してくれるのです。
ビタミンEの多い食べ物を食べるとプロゲステロンが適度に活性化します。



ビタミンEは、それだけでなく更年期障害のほてりや膣の乾燥も軽減することが分かってきています。

ビタミンEの多いもの
アーモンド、松の実、モロヘイヤ、うなぎ、かぼちゃ、とんぶり、鯛、ほたるいか、赤ピーマン、しそ、アボカド、枝豆、春菊など

チェストツリーというハーブには、プロゲステロンの分泌を正常化する働きがあると言われています。
黄体機能不全から来る不妊症や月経不順(無月経)、PMS、ニキビ、イライラなどに効果があるとして、ヨーロッパではかなり昔から薬用植物として利用されています。
安全性が高いハーブで、一般的に重大な副作用や健康被害はないようです。



効果が出るまでには3か月~半年くらいはかかるようです。
私は飲み方としては生理前の2週間の黄体期に飲むのが良いと思います。

プロゲステロンの前駆物質のジオゲニンを含む食べ物に、ワイルドヤムというものがあります。
メキシコ原産のヤマイモの一種です。



ただ、こういうものを外から摂取するのは、更年期障害やPMSなどプロゲステロン不足による問題を抱えている方や高温期が10日未満の方だけで、しかも飲むのは排卵期から月経までの黄体期だけがいいと思います。
エストロゲンが活発な卵胞期にも飲んでいると卵胞期にプロゲステロンが活発になってしまい、このことで排卵不全になる場合もあります。

また、プロゲステロンが活発になりすぎると、下痢や、過剰な皮脂、それによるニキビ、顔に毛が生える、イライラするなどの副作用があるので注意です。


プロゲステロンについては、もう1つ面白いことが分かっています。
ミシガン大学のStephanie Brow博士の実験で・・・・・


他人との親密な関係によって、プロゲステロンの分泌が多くなり「他者を思いやる」という行動へつながることが分かったそうです。


160人の女子学生を対象としてランダムにペアを組ませ、まず感情的な親密感を伴わない作業を行わせたところ、唾液中のプロゲステロンが減少することが確認されました。
そこで逆に、感情的な親密感が増すようにカードゲームを二人の協力で行わせたところ、プロゲステロンの量が増えることが確認されたそうです。
そして量が増えると共に、自分を犠牲にしても相手を思いやるような行動が観測されたんだそうです。

プロゲステロンって、思いやりのホルモンでもあるんですね!

さて、エストロゲンもプロゲステロンも、原料になるのは良質なコレステロールです。
だからってコレステロールの多いお肉を摂らなくちゃいけないっていうのは早合点です。


実は体で利用されているコレステロールの7割以上は脂質、糖質、タンパク質の三大栄養素を材料に肝臓で合成されています。


ベジタリアンでもちゃんと血中にコレステロールがあるのはそのせいです。
それどころか糖質を大量に摂るとコレステロール合成が必要以上に高まりますし、有酸素運動中はコレステロールは作られないので、コレステロールの多い肉、魚、乳製品、卵を食べていなくても、食べ過ぎや甘味嗜好があり、運動が嫌いな人は体内でコレステロールが合成されやすくなります。
食事でコレステロールを摂り過ぎた時には、体内合成を抑制する働きがありますが、やはり血中コレステロール値は高くなりやすく、高脂血症、動脈硬化を招くので食べすぎは禁物です。

エストロゲンには悪玉コレステロールを抑制する働きもあるので、ホルモンの減少は悪玉コレステロールを増やし動脈硬化や高血圧を起こしやすくします。
更年期の方はむしろこっちのほうが問題です。
良質なホルモンや細胞膜を作るためにも、過剰な悪玉コレステロールを下げるためにも、フラックスオイル、チアシードなどのαリノレン酸、クリルオイル、いわし油などのDHA,EPAなどのオメガ3脂肪酸、アボカドオイルなどのオメガ9脂肪酸は積極的に摂るべき油ですね。

だけど動物性を全然食べないことは、ホルモンのためにもビタミンB12のためにも良くありません。
私も週に2度くらいは大丈夫地域の天然魚か、平飼いの良いエサを食べている鶏の卵を食べるようにしています。
牛肉も二か月に1度くらいは食べるようにしています。ただ、国産の良いエサを食べ、抗生物質やホルモン剤の使用のない赤身のお肉しか食べません。

さて、ホルモンはホルモンでも、最悪なホルモンもあります。
それが、内分泌攪乱物質と言われる環境ホルモンです。
環境ホルモンが体内に入ると、男女共に性ホルモンの正常な働きを阻害し、生殖器にさまざまな影響を及ぼします。


不妊の原因となったり、異性に興味を示さなくなったり、生殖器のがんを引き起こしたりすると言われています。


世界中で男性の精子の数が減っているという研究報告が発表されていますが、環境ホルモンが原因とする説もあります。

環境ホルモンと考えられる化学物質は、約70種類あると言われています。
ダイオキシン、DDT、PCB、ビスフェノールA、ノニルフェノール、フタル酸エステル、有機スズ、スチレンダイマー、スチレントリマーなどです。

DDTは殺虫剤、農薬として長く使われてきた薬品で、ノニフェノールは合成界面活性剤として洗剤の中に入っています。

こうした環境ホルモンの90%は食べ物から体内に入ってきます。
出来るだけ入らないようにするためには・・・・

●環境ホルモンの多くは脂肪に溶けやすいので、肉の脂身に蓄積されやすいので、肉の摂取を減らす。

●ラップは焼却するとダイオキシンを発生させ、フタル酸エステルなどが添加されていることがある「塩ビ系」ではなく、比較的安心な「ポリエチレン製」を選ぶ。

●電子レンジでプラスチック容器で食べ物を温めない。

●ダイオキシンをよく吸着するのは野菜の食物繊維です。
そして、緑黄色野菜や海草類などに含まれる葉緑素は、体内の掃除をするスカベンジャー効果があります。



まだまだホルモンの話は続くのですが、キリがないので、今回はこのあたりで。
ホルモンって本当に神秘的!



【お知らせ】私のプロデュースする国産オーガニックコスメの「アムリターラ」の直営店「アムリターラハウス」で現在スタッフを募集しています。
詳しくは下記をご覧くださいませ。

http://www.amritara.com/news/201311275248.html






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Last updated  2013年11月30日 13時02分52秒
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