記憶にない知人
先日、出かけた時に、急にお腹が痛くなり、辺りを見回して、トイレのありそうな所を探すが、公園や、喫茶店などが見つからず、パチンコ屋さんがあったので、急遽、そこのトイレを借りた。パチンコ屋さんのトイレって、今ではとても設備がよくて、綺麗なので驚いた‥と共に、店内も全面禁煙で、たばこの臭いや、煙などがなかった。休憩所には、テーブルやイスが設置され、自販機には様々な飲み物が販売されている。お湯の入ったポットも置いてあり、カップ麺などが食べられるようだ。コーヒーを購入し、少し休憩させてもらって、設置されたテレビを観ていたら、「○○さんだよね?」と女性が、声をかけてきた。その女性を見ながら、私にはその方が誰なのか、思い出せない‥「失礼ですが、どちらさんですか?」と尋ねると、「ほら、○○で、昔 一緒に働いていた○○よ!」確かに、その会社では、3年半くらい勤務したことがあるが‥「私、あなたの家にも遊びに行ったことあるし、あなたの部屋がどこにあったのかも覚えているのよ‥」と実家の間取りまでも詳しく話し出す‥確かにその女性の話す通りで、昔、実家に遊びに来たことは間違いないだろう‥が同じ職場に勤務していた‥というのが思い出せないのだ。「部署はどこだった? 同じ部署?‥じゃないよね?」当時、勤務していた同僚の顔を、一人 ひとり思い浮かべるが、その女性だけが、誰だか思い出せない‥「ごめんなさい、思い出せない‥」その女性が言うには、勤務していた期間は一年ほどだったが、その時に可愛がってもらった‥と話す‥が!思い出せない‥思い出せない‥思い出せない‥このままじゃ、余りにも相手に失礼かな‥と思い、当時、自分と交流があった人の名を、数名挙げてみると「そうそう、それが私よ!やっと思い出してくれた?」と嬉しそうに笑う‥「スーちゃん?本当にあの時のスーちゃんなの?」「そうだよ!あの時のスーだよ! あ~会えてうれしいなぁ‥」「フフフ‥、お互い、いい年になったわねぇ」と再会を喜びつつ近況を話してから、席を立ち別れた。帰り道‥「本当にあの女性は、あの時のスーちゃんなのだろうか?‥」45年ぶりに出会った、スーちゃんは歳をとって、変わったと言えど、私の知っているスーちゃんとは、余りにも違いすぎて‥私の記憶の中のスーちゃんが 私の知らない人に思えた。生まれ故郷に戻って、十二年余り‥時々、スーパーなどで同級生に声をかけられたりするが、いつも、声をかけてきた相手が 誰だかわからずに苦労する‥自分は覚えていなくても、誰かの記憶に自分が残っている‥いろいろと奥深いものです。漂白して干した「透かしほおずき」漂白時間が短かったので、余り白くならなかった。