なぜ、その子供は腕のない絵を描いたか
先日読んだ本なのですが、タイトルの通り『なぜ、その子供は腕のない絵を描いたか』特に幼児教育の現場における変化や問題などをつづった本です。僕は、こういった本は基本的に「ひとつの視点」として捉えるよう心がけているんですが、だって、大抵は強烈な内容でデータを参照しているにしても当然その論法に有効なデータのみを使っていますから、そのすべてを鵜呑みにしていてはにっちもさっちも行かなくなってしまいますのでね。。それにしても、ショッキングな内容でした。その中で特にですね、まぁ、言われてみればソウなんですが改めて気づかされたことというのが小学生の学力について。近年、幼児教育の重要性が話題に上がります。先日、友人の結婚式に出た際も2歳くらいの姪御さんがいたんですが牧師さんの英語を聞いた途端にABCの歌を歌い出しちゃって・・・彼女にしてみれば、「あ、わたしの知ってる言葉」ってなコトだったんだと思いますが。。幼児教育で人気なのは、やはり英語のようですね。最近は運動系も注目されてますが、まだ少数。幼いうちに英語に触れさせておくことで抵抗なく学習できるようにとの配慮はわかります。確かに彼ら・彼女らにはまだ明確な苦手意識がありませんし、発音についても思い切りがよいので、受け入れやすくはあるのでしょう。そういった幼児教育の影響で、小学校入学の時点での知能レベルは30年前に比べておよそ1歳向上しているらしいです。30年前の5歳児が読める文字の数を近年では4歳児がこなしているといいます。(若干データは古いのですが・・・)しかしながら、小学校卒業時点を見たらどうでしょう?教育に携わっている人も、そうでない人もおそらくは「今の子の方が遅れている」を感じるのではないでしょうか?入学時には進んでいた学力・知力が卒業時には遅れている。つまり、成長率が下がっているというわけです。なるほど、だとすると、早期教育そのものに価値がないのか?という話になってきますね。もっとうがった捉え方をすれば早期教育が発達の妨げになっているとさえ言えるかも知れない。まぁ、ここは一律に語れることではありませんからここでの言及は避けますが、とにかくそんな子育て・教育について考えさせられる本でした。興味があればぜひ手にとってみて下さい。