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よしたろ1216
ストレスとかじゃ無いんです。
唯そこにネタがあるから突っ込むんです。
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僕はいわゆる苦学生。
それは、
今に限ったことではなく、
前の大学、
つまり現役大学生の時も同様でした。
毎日が節約の日々。
しかしながら、
どんなに節約したところで、
食料が尽きる魔の日は訪れる訳で、
終に米びつが空になってしまいました。
しかし、
そこは考えようです。
発想の転換でいくらでも対応が可能な訳で、
僕は一発逆転のアイディアを思い付きました。
(そうだ!せーごの家に転がり込もう…)
せーごは僕と同じで頭が悪いのだけど、
調理師免許を持つ、
新手のプレイボーイ。
転がり込んで、
「お前、料理上手いよな~」
なんて軽くおだてれば、
「おう、メシ食う?」
みたいな展開に持ち込めるはず。
間違いない↓
早速、
電車に乗って奴の家へと向かいます。
数日分の着替えを抱えながら。
(ピンポーン)
せーごの家へ着くと直ちにメシの話。
僕「あ、そういやメシ食った?」←(白々しさ満点)
せ「ん?まだ食ってねぇよ」
僕「どうする?何か食いにいく?」←(まったくその気無し)
せ「ん~、どうしよっか…」
僕「面倒なら買って来ようか?」←(優しさアピール)
せ「いいや。俺作ってやるよ」
僕「まじ?何か悪いね。サンキュ」←(次に繋げるお礼)
ただ飯Get!!!
いやあ…策士ですね。
三国志で名を馳せた、
あの諸葛亮孔明を思わせるかのような戦略。
そんなこんなで、
上手いことせーごの家に転がり込むことに成功すると、
それから数日、
僕は彼の家のオブジェと化しました。
まったく違和感なし。
さすがのせーごも、
僕がいるのが当たり前のように思っている様子。
このまま養ってもらおうかと思いました。
しかし、
そんなせーごの家にも、
米が尽きる日がやって来る訳で。
せ「腹減ったな…」
僕「そうだな…何か喋るのもしんどくなって来た」
せ「お前今いくら持ってる?」
僕「300円。お前は?」
せ「70円ぐらい…あ、80円ぐらいはあるわ」
僕「10円ぐらいなら言い直さなくてもいいよ」
せ「お前給料日は?」
僕「まだ1週間はある」
せ「1週間は待ねぇな…じゃあちょっと待ってろ」
そう言うと家から出て行くせーご。
何故だか奴の背中が大きく見えました。
(数十分後)
せーごが帰って来ました。
足を引きずりながら…
僕「おい!どうした!?」
せーごは、
5千円札を握り締めながらこう言います。
せ「これでメシ食いに行こう」
僕「お、お前…そんな大金どうした?まさか…」
せ「ああ、当たってきた」
当たったの?!
どうやら車に飛び込んだようです。
Oh、サムラ~イ。
何という精神力でしょうか。
まさに平成の格闘王。(相手は車)
この飽食の時代に、
飢餓に苦しんだ末、
車に飛び込む若者がどれ程いるでしょうか?
きっと、
年賀状お年玉抽選の当選確率より低いと思います。
それぐらいレアな人種な訳です、
このせーごって男は。
気になって仕方なかったので、
僕はその様子を聞いてみました。
せ「えー、別に普通に当たっただけだよ。
何か歩道で待ってたら高そうな車が通ったから、
今だと思ってつっ込んでみた。
そしたらオッサンが出てきて、
慰謝料の話になってさ…」
(え?!慰謝料で5千円…それ…)
安くない?!!
「それ絶対ぼったくられてるよ」
僕はそう言い掛けて止めました。
この勇者の行動を称え、
そして後世に伝えゆくために…
そんなことを考えていたら、
せーごが足を引きずってたことを思い出します。
サッカー選手にとって足は命と同じ。
放っておく訳にはいきません。
僕「お前、そんな事より足は大丈夫か?!」
僕はせーごの足を物色。
怪我の度合いを確認します。
(足に何か飼ってるの?!)
そのくらいの腫れっぷり。
きっと、
すごい衝撃だったのでしょう…
僕がタダ飯食いに来たばっかりに、
大事な仲間をこんな目に遭わせてしまいました。
そんな気持ちに駆られながら、
僕は聞きました。
僕「まじ、お前体張りすぎだろ…こんな怪我してよ。
どんだけ速い車に飛び込んだんだよ…」
せ「そんな速くもねぇよ。徐行してたし」
徐行かよっ!
(どんな当たり方したらそんな大怪我出来んだ?!)
という訳で今日は、
強い心と脆弱な体を備えたせーごのお話。
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