カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
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一(イークン)の凄まじい蹴りがクンナの顔面を襲おうとしたまさにその時! 彡ズカっ ドスン どこからか、人が背負っていたリュックサックが一(イークン)を直撃し、 横に弾かれて体制を崩して転げたのだ。 スンチャ 「おらおらぁ~! 人数つるんで汚ったねぇーぞっ!」 通行人の作る円陣の中央、黒鼠二人が静観し4人が戦うそのスペース後方から、 駆け込んで来たのは、なんと日本大国に行っていたスンチャであった! クンナ 「ス、スンチャか・・・・・」 黒鼠 二(リャンクン) 「増援か。」 6人の居るスペースに立ち止まり、状況を確認するスンチャ、 スンチャ 「クンナ、チュウラン、だらしないぜ。 何倒れこんでるんだ。」 黒鼠リーダー 「よぉ次から次へと湧いて出て来るなおい。 よく見ろ、対等な戦いだ。」 黒鼠 二(リャンクン) 「対マン勝負してんだろうよ。 それにこっちは素手だ。 道具使っている分、そっちの方が利があるってもんだ。」 スンチャ 「けっ、どうせ異人なんだろ、あんたら。 道具なんて有っても無くても関係ないだろうに。」 黒鼠 二(リャンクン) 「3人目のおまえ、オレが相手してやる。」 ??? 「三人じゃない アルヨ。」 (ないけどアルみたい・・・ ^ ^;;; ) 『 !? 』 見学の観衆が囲む人円の中にいる、スンチャを除く全員の視線が、 4人目の声の主に注がれた。 観衆の視線も同調され、顔が一斉に声の主に向かって動く。 クンナ (だ、誰? 大少林寺の修行僧・・・の様だが見たことないやつだ・・・) チュウラン ( ?? ) そこには、大少林寺の修行僧の格好をして、頭を丸め、青くなった頭部最上部に お灸後を塞ぐ小さく四角い白い判そうこうを4つ貼って、 笑顔で立つ小さい少年の姿が・・・・。 黒鼠リーダー 「なんだチビ助、4人目はこのおれの出番となるが・・・・ やめておけ、痛い目を見るだけ損だ。」 南(ナンチャン) 「たぶん大丈夫だ アルヨ。」 返答し、落ちているリュックサックの元まで歩みより、 それを拾い上げると、クンナに向かって後ろ向きのままひょい彡と投げ渡した。 ~彡どさっ クンナ 「お、おい・・・・」 チュウラン 「 ・・・・ 」 南(ナン)ちゃん 「あんたがリーダー アルカ。」 黒鼠リーダー 「そうだ。」 (なんだ?このチビ。 この状況を見ても動じていないとは。 ただのおバカなのか・・・? ) 南(ナン)ちゃん 「ならおいらの相手はリーダーさんと、そしてそこのあんただ アルヨ。」 突然現れたこの少年、無謀にもリーダーの他に、クンナに一撃を加えた 一(イークン)を指差して指名したのだった。 黒鼠 一(イークン) 「調子こいてんじゃねぇよ。 オレとリーダー二人を相手だと?」 クンナ・チュウラン 『こ、・・・』 スンチャが慌てて振り返り、『しー』と指を口に当てて、二人を促す。 笑顔を見せた後、再び向き直った。 クンナとチュウランはお互いを見合い、そして後ろ姿の少年『南ちゃん』を見て・・・、 そして再びお互いを見合いながら、声を殺して口だけが動いた。 ( こ・う・い・ち・・・? ) 見つめながら次第に口元が少し緩み、うっすらと目で笑う二人。 南(ナンチャン) 「うん、おいらが二人頂き~☆ アルヨ。」 黒鼠 一(イークン) 「ただの間抜けか、ならオレ一人で十分だっ!」 勢いよく南ちゃん(ナンチャン)に飛び掛る一(イークン)! ~ ~ ~ その隣では気を集中し、目付きの変わったスンチャ、 スンチャ 「ナンチャン、そっちは頼んだっ! お前の相手はこのおれだっ!」 二(リャンクン)をけん制するがの如く、仕掛けたスンチャ。 二(リャンクン)の注意を引きつけ、打撃を加える振りをして一歩引いたスンチャ。 ~ ~ ~ 『とりゃー!』 襲い掛かる一(イークン)を見つめ、フェイントの手套には無反応、 続く一撃のモーションに入った瞬間に交わす動作に入る南(ナンチャン)。 当然の如く、一(イークン)の手套は空を切る。 そのまま逆の手で身体を回転させて裏拳のように拳を当てに行くが、 こちらも空を切る。 一(イークン)の体制の乱れを突いて、手套を背中に入れる南(ナンチャン)。 一(イークン)は、押されたように数歩前に出て踏みとどまる。 黒鼠 一(イークン) 「こ、こいつっ!」 南ちゃんに自分の攻撃を受ける事無く交わされ、その上打撃を一発もらい、 カーっときた一(イークン)、 『こんのぉーー!』 気合の入った拳、蹴り、手套を次々と繰り出す一(イークン)、 シュっ ガシっ サッ、 ガシっ サッ そのムキになった一撃一撃の威力とスピードを確かめるように受け、 そして交わせるものは交わす南(ナンチャン) 黒鼠リーダー 「ほぅ、面白い。 我ら二人を相手にすると言うだけのことはある。 だが、打撃に力は無さそうだな。 おれも加わるっ!」 突然歩を進めたリーダーっ! ~ ~ ~ 二(リャンクン)を立ち位置から引きずり出し、既に戦闘態勢に入っているスンチャ。 相手の動きをしっかりと見据え、落ち着いて構えている。 二(リャンクン) 「おまえらが何人掛かってきても同じこと。 修行したってオレ達に敵わないことを教えてやる。 この力はいいぜ。」 一歩、また一歩と前にでる二(リャンクン) スンチャ 「前置きはもういいだろう。」 二(リャンクン) 「けっ、リズムの取れんやつだ。 とっとと、地面に這い蹲りなっ!」 『とりゃ!』 『ハイハイ、ハイハイ・・・』 バシバシ、 バシバシ・・・ 二(リャンクン)の連続攻撃をしっかりと受けるスンチャ、 スンチャ ( ひとつ・・・・ ふたつ・・・・ ) こういち 「相手の攻撃を二つは受けろ。 三つ目、四つ目辺りからスキができるから、 その時にしっかりと打ち込むのがいい。 受ける時も相手の腕、足を折るくらいにガッチリと受けること。 なまじこちらが次の攻撃用に当てて受ける程度で攻撃に入ると 受けも、攻撃も中途半端になる上、こちらが相手にスキを与えることもある。 受けも打撃も、一つずつ丁寧にガッチリとだよ。」 華夢on 地下室で、こういちから伝授されたことを頭に思い浮かべながら、 それを実行しているスンチャ。 スンチャ ( みっつ・・・・ チャンス! ) 『 ・・・ハーっ! ハっ!』 ・・・ ドンっ ズカっ★ 二(リャンクン)の連続2つの波を数えてその3つ目、 受けもガッチリとあわよくば弾き飛ばさんとばかりに受けた後、 見つけたスキを逃さず、気合の一撃を食らわしたスンチャっ! 二(リャンクン) 「ぬぉっ!」 わき腹を押さえ、つかつかつかと後ろに後退する二(リャンクン)。 にがり潰したような苦痛の表情で、 二(リャンクン) ( な、なんだこいつ・・・・ ) (腕を上げた訳じゃないさ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月18日 16時46分51秒
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