カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
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スウラン 「なるほど、まずは・・・ ガシっ しっかりと・・・・ ガシっ 受けきってから・・・・」 南ちゃん 「おっと、ダメだっ!」 仮想スペック-1からの打撃を突然止めた南ちゃん。 南ちゃん 「スウラン、今の受け方だと腕が折れてしまうよ。 受けはガッチリとだけど、相手が打ちに来たこの手套を・・・・」 手をスウランにゆっくりと差し出しながら、 南ちゃん 「相手の真っ直ぐ来るこの力を、こうして斜めに逃がすように受けるのさ。 そうすれば、力強く受けても相手の力を分散出来るからダメージが少なくて済む。」 スウラン 「よしっ」 二人のからみを立ち話をしながら見つめる7人。 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「みなメキメキと腕を上げているな。」 ゆうすけ 「相手の腕力が凄いですからね。 今までと違ったコツが必要となります。」 利江 「でもみんな覚えるのが早いわ。。。」 『ハイっ ハイっ ハイハイっ ハイーー!』 バシっ バシっ ガツっガツっ ズガっ! スンチャ 「新しいことは何もないから。 元々は一度学んで身体に染み付いていたハズの部分だからさ。 今まではあそこまで厳密にやらなくても受けることが出来てしまったから ある程度の[力]加減で、次の攻撃に移る癖がついてる。 形だけ腕を上げて受けるのと、本物の攻撃をしっかりと受けるのとでは、 全く別次元。 南ちゃんは難しくではなく、簡単に伝えてそれをやって見せることができるから、 おれらも判り易く飲み込みが早くできるのかもな。」 『いいぞぉー、その調子♪』 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「それに、彼が相手をすると、みな生き生きと立ち回っている。 人徳だな。」 利江 「そんな、師範さんとの時だって同じですよ♪」 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「いや、一見するとそうかもしれないが、実のところ、 私が相手をすると、みな打ち込む拳を少し加減してしてしまっているようだ。」 『次、チーラン行こうか。』 ゆうすけ 「だからやつは段階的にと、最初は師範との立ち回りからやらせているんでしょうね。」 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「うむ、やはり陳南家 南流伝承者ならでは。。。だな。 館長様がいつもおっしゃっているが、彼にはほんとう感謝している。」 利江 「。。。♪」 もう、ニッコニコの利江。 その利江の視線が、チーランと南ちゃんの練習に釘付けになっていた。 南ちゃん 「チーラン、腕力がみんなより弱いから、 受ける時はもう一方の手も出来るだけ添えるようにしてみようか。」 チーラン 「わかった。」 指導を受けるチーランのまなざしが、指導者として見つめる以上のものを感じて いたからに他ならない。 利江 ( チーランさん・・・・ ) 『ハイっ ハイっ ハイハイっ ハイーー!』 バシっ バシっ ガツっガツっ ズガっ! 南ちゃん 「最初から両手でいくと、脇がスキだらけになる。 切り替えて狙われるから、できるだけ添える手はギリギリまで遅らせてっ!」 チーラン 「はい。」 『ハイっ ハイっ ハイハイっ ハイーー!』 バシっ バシっ ガツっガツっ ズガっ! 南ちゃん 「打撃が当たる間際に間に合えばいい。」 バシっ バシっ 南ちゃん 「そう、基本は一本で受けるだからね。」 バシっ バシっ ガツっガツっ ズガっ! ~~ ~~ ~~ 黒鼠 リーダー 「なんですとっ! 私に次のステップの施術を・・・ですか?」 ザウバー 「そうだ。 お前達は体の基礎が出来ている上、統率もしっかりと取れているからな。」 ガチャ 扉が開いて、クラウスが入ってきた。 クラウス 「その通り。 この国のやつらは、力を誇示したがりやが多すぎる。 お国がらなんだろうが。 中では規律の点で抜き出ているのがおまえさ。 ステップアップ者の判断は、オレとザウバーの二人に任せられている。 DNAのパッチテストに合格してりゃ~後はオレ達二人が同意すれば施術が出来 るってことだ。」 黒鼠 三(サンクン) 「リーダー、悩むことはねぇ。」 黒鼠 二(りャンクン) 「そうだ、是非っ」 黒鼠 リーダー 「身に余る光栄です。 断る理由はありません。」 ザウバー 「よし、なら決まりだ。」 クラウス 「これ持ってニース博士の所にいってきな。」 一枚の緑色のプラスチック板を差し出すクラウス。 クラウス 「こいつにオレ達の推薦状とお前さんの名前がインプットしてある。 渡せばいいだけだ。」 リーダーはイスから立ち上がり、クラウスとザウバーに一礼したのち、片ひざを付いて その板を受け取った。 黒鼠 リーダー 「有り難き幸せです。」 ザウバー 「最初のスペック-2は大きく変わらん。 次のステップへの地ならしだと思ってくれ。 驚くのはその次だからな。」 黒鼠 リーダー 「ははっ」 黒鼠 一(イークン) 「リーダー、凄いじゃないですか。 我々の名誉ですよ。」 黒鼠 リーダー 「あぁ、一言では嬉しい。 気持ちが高ぶり、ワクワクし通しだ。 だがその分、組織としての動きが重要となり責任重大ということを意味する。 その重圧もひしひしと感じるさ。」 クラウス 「うむ、だがあまり自分で重くし過ぎるなよ。 ただレベルアップしたと気軽でも困るが、重く成り過ぎても判断や行動を鈍らす ことにもなる。」 ザウバー 「まっ、そういうことだ。 お前ら3人、しっかりとこいつを援護してやるんだぞ。」 『はっ!』 ~ ~ ~ そのころ、戦闘員控え室の調査隊のメンバーは、新調されたユニフォームに身を包む人で 溢れていた。 身なりは拳法着そのものだが、色は迷彩模様となっている。 チョウ・ギョッキ 「準備が出来た者から外で待機していろ。 それと先程指名した者、水筒、食事などを忘れずに持ってこいよ。 長旅だ、以下交代で運搬するから不公平なしだ。 いいなっ」 『了解。』 『分った。』 『おぅっ』 『うっしっ』 チョウ・ギョッキ 「なんか返答がバラバラだなぁ・・・・ よし、米風だが、イエッサーの[サー]だけもらって、それを返答に 統一しようではないか。 仲間と分る合図の一つともなるからな。」 『サーっ!』 チョウ・ギョッキ 「よし、いい感じだ。では外に集合だっ!」 (やっぱりここある) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月18日 16時50分37秒
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