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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2007年08月13日
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カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
.
 暗い茂み。

 木々の葉が覆い尽くし、日差しの多くを遮っている。
 時折、鳥の鳴き声も聞こえてくる。
 道無き道を進むブルーガー率いる二十数名の戦闘員達。

 集団の先頭を歩くのはグ・リョクコウ。
 伝説の [石] の有りかを伝わり聞く者。 中では一番具体的であったことにより、
 道案内を任されているようだ。

グ・リョクコウ
  「歩き辛くてすまん事です。」
ブルーガー
  「いや、構わん。」
グ・リョクコウ
  「これでも獣道を伝っているのだが・・・・」
チョウ・ギョッキ
  「それより、目的の山はまだまだ先だろうに何故今からこのような道を。」
テイ・チョンミン
  「広くて歩きやすい道、どこで幻の民族に監視されているか解らん。

   言い伝えによると、昔それを探しに行った男達、一人も帰ってこなかった言う。
   隣村でも、そのまた隣村でも同じこと言うとったらしい。

   リョクコウにお願いし、ここを選んでもらってる。」

ブルーガー
  「大事なことだ。
   しっかりと石橋を叩いて渡ろうではないか。」
チョウ・ギョッキ
  「はい。」

 集団は、長い一列になりながら歩を進めている。
 時折出現し、襲い掛かるへびも難なく捕まえて袋に詰めていた。
 飛ぶ鳥の捕獲はブルーガーの[力]でこれまた難なく手元に。
 当然の如く、猪なども捕獲して食料として使用するようだ。
 太い木の枝に4本の足を縛り、二人で担いで移動していた。

 数夜キャンプを行い、一つ、二つと山を越えていく。
 そう、恐らく伝説の[石]探しでは、過去に例が無いほどの最強軍団21人が。

 道案内役で先頭を歩くグ・リョクコウ、
 ここ地元で育ったことで[石]が眠るであろう山を指差しできる程、具体性が高い
 情報を持つ一人。



 chi_102


 chi_103



 そのグ・リョクコウ、少し木々が開けた空き地、直ぐ目の前には緩やかな滝と川がある地点
 に立ち止まり、

グ・リョクコウ
  「リーダー、この辺りで腰を据える拠点を作りたいと思うのだが。」
チョウ・ギョッキ
  「拠点か・・・、ちょっと待ってくれ。

   全員、ここで停止してくれ。」

 チョウは、集団の行き足を止めた後、確認のためブルーガーの元へと歩み寄る。

チョウ・ギョッキ
  「ブルーガー様。」
ブルーガー
  「どうしたのだ?」
チョウ・ギョッキ
  「はい、リョクコウがこの辺りで拠点を作りたいと・・・・」
ブルーガー
  「ほう、拠点か。 うむ、話を聞こう。」

 ギョッキはグ・リョクコウに合図を送り、ブルーガーの元へ呼びつけた。

チョウ・ギョッキ
  「リョクコウ、ここに拠点を作るその理由をブルーガー様に説明してくれないか?」

 ブルーガーに一礼したリョクコウ、指を刺しながら説明を始めた。

グ・リョクコウ
  「まずここは、ご覧の通り川があり生活に必要な飲料水が容易に手に入る事。
   そして背中は林、川のある所には野生動物も水飲みに現れることからも、
   我々の食料(魚類・山菜類・肉類)にも不自由はなく、適す事。

   そして何より、わしが幼いころ聞いた[石]のある山は、ご覧なせー、
   あの山の向こう側に現れる。」



 chi_019



 グ・リョクコウが指差すそこは、鮮やかな夕日に染まる山々の姿。

チョウ・ギョッキ
  「あ、現れるとはどういうことだ・・・?」
グ・リョクコウ
  「あの山々、その中に少し高い2つの山があるだろ。
   丁度その間辺りかのう、満月の夕刻から翌朝までの間だけ、巨大な山とその峰が現れる
   という不思議な山だよ。」
ブルーガー
  「満月の夜だけ現れる・・・のか・・・。」
グ・リョクコウ
  「へぇ、地元の人間でも夜の出来事、普段との違いに気づく人は少ないのう。
   わしはじい様に聞かされ、あれじゃと数回目にしたので、意識して見れば判るがの。」
ブルーガー
  「その不思議な山に伝説の[石]があるというのか?」
グ・リョクコウ
  「わしも聞いた話でな。 行ったことも見たことも無いよって・・・」
チョウ・ギョッキ
  「益々怪しい雰囲気だな・・・・。」


グ・リョクコウ
  「すなわち、刻が来るまでここで待つことがよかろうということよ。」


ブルーガー
  「分った。 ここに拠点を構えることにしよう。
   チョウ、直ぐに準備に入れ。」
チョウ・ギョッキ
  「はい、かしこまりました。」

 振り返り、調査隊一行の元へと走り出した。


ブルーガー
  「現れたり姿を消したり・・・・不思議な山だ・・・・」

グ・リョクコウ
  「満月と先程お話したが、それは聞いた話でのーての。
   わしが夕刻、山が現れるのを数回見たときにいつも満月だったというだけ。

   翌朝には再び無くなっていての。時間もわしの経験した部分でよ。」

ブルーガー
  「つまり、満月の日というのと、現れている時刻というのは、お主しか知らぬ
   事と捕らえていいのか?」
グ・リョクコウ
  「だけかどうかは分りませぬが、そこは実際にわしがこの目でみている事柄だよ。」
ブルーガー
  「うむ、貴重な情報だ。
   次の満月まではどのくらいあるのだ?」
グ・リョクコウ
  「さてと、あと5~6日くらいかの・・・・。」
ブルーガー
  「よし。」


~~~
  ~~~
    ~~~


     ガシっ ズカっ バシバシっ

クラウス
  「どうだ、少しは慣れてきたか?」

 工場脇の広場にて、クラウスと拳を交えていた黒鼠のリーダー、

黒鼠 リーダー
  「はい、お陰さまで。
   最初は加減するのが難しく、普通の生活に苦労しておりました。
   クラウス殿とこうして拳を交えると、パワーを得たことを忘れてしまいます。」
クラウス
  「うむ、施術を得た同じ次元同士では、本人個体の得手の差くらいになるからな。」

 横で見ていた黒鼠 一(イークン)、

黒鼠 一(イークン)
  「それはどういうことで・・・?」
黒鼠 リーダー
  「たとえば馬車に乗っているのが私、立ち止まっているのがお前だとする。
   その状態で鞠(まり)を投げっこするとしよう。

   お前が私に投げようとしても相手が速くてうまく放れまい。
   だが、馬車に乗る私の横をクラウス殿も馬車に乗って並走していたとする。

   私からクラウス殿へは速度が同じなので相手は言わば止まっているのと同じ
   状態になる。
   したがって投げっこもお互いにやり易いということだ。

   つまり、移動速度、拳の打ち出す速度が同じ次元だから、
   自分の吐出(としゅつ)した能力が感じ辛いということだ。」
黒鼠 一(イークン)
  「な、なるほど。」

クラウス
  「だがな、個体差の部分でオレよりもリーダーの方がスピードは速い。
   技のザウバー、力のクラウス、スピードの黒鼠リーダーと言った感じだな。

   繰り出される拳に、オレでは付いていくのがやっとだぜ。」


黒鼠 三(サンクン)
  「見ている我々からは、まるで異次元。 圧倒されっぱなしです。」

 そこへザウバーがウイスキーのボトルを片手に、のっしのっしと現れた。

ザウバー
  「ほれ、クラウス♪」

 ぐびっと口に流しこんだザウバー、手にしたウイスキーをクラウスに放った。

 ヒョイ~~  パシっ

ザウバー
  「なぁに、パワーなら誰もクラウスに勝てねぇよ。」

 手にしたボトルをラッパ飲みで喉を潤したクラウス、

クラウス
  「あのガキ以外は・・・・ってとこだな。」

黒鼠 二(りャンクン)
  「あのガキ・・・・とは、大日本国にあった工場を・・・ってやつですね・・・」

ザウバー
  「そうだ。 このスペック-3の状態で初めて拳を交えた・・・・というか、
   その姉貴の蹴り一発だけで十分体がいっちまったよ。」
黒鼠 一(イークン)
  「い、一発で・・・
   それも姉弟で・・・・そんなやつらがいるんすか・・・・」
クラウス
  「あぁ、いる。
   オレはスペック-3になってからは一度もまみえてないがな。
   ブルーガー様やスワン様ですら無傷ではなかった。
   それに・・・・」
ザウバー
  「総帥ガイザー様も・・・・だ。」

黒鼠 二(りャンクン)
  「なんと !? 幹部の方や、総帥殿までもっ!」
黒鼠 三(サンクン)
  「そんな化け物みたいな人間この世にいるなんて・・・・」

黒鼠 リーダー
  「化け物なら・・・・こちらにもいる。
ザウバー
  「ほぅ・・・、こっちにもいるのか。」



第201話 調査隊 4 へ
(オレ達はその逆だな)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月18日 16時55分22秒
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