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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2007年09月11日
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カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
.
ブルーガー
  「こ、これはっ !? 」

チョウ・ギョッキ
  「申し訳けございません・・・・。」
ブルーガー
  「スペック-1がこうも簡単に・・・・

   気にするな、お主の性ではないわ。
   人数が少なかったのか、不意を突かれたのか、真っ向勝負で敗れたのか・・・。
   戦い様が伺い知れん。 対策の立てようがない。」
テイ・チョンミン
  「こいつぁ突き抜けてるね、何かが。
   どの穴も一直線上に入口、出口が繋がるよ。
   それに、入り口は斜め下からだ。

   肩、脇・・・・上面の傷口がやや裂けている。貫通した出口ってことだ。」

チョウ・ギョッキ
  「斜め下から・・・かよ・・・。 どんな攻撃なんだ・・・・。
   地面から鉛の玉が発砲されたとか?」
テイ・チョンミン
  「モノが何かは判らん。 が、まぁそんなところだろうよ。
   ただ、鉄砲に類するものならば、もっと出口は吹き飛ぶように
   広がるのが普通だ。 これは綺麗すぎる。

   細い槍のようなもので刺したとしても、今度は引き抜く時に入り口が
   少し荒れてしまうものだ。 不思議な傷跡だよ。」


 少し考えたブルーガー、

ブルーガー
  「たとえば、こんな感じか・・・?」

 ブルーガーは、林の手前に生える一本の木を指差した。
 そして、

        ブォーーーーっ!==============>

 細いレーザーのような炎が、一瞬で木に穴を開けてしまった。
 直径 15mm 程に黒く入り口がこげた穴。やんわりと煙が立ちこめて消えていった。

 『おぉぉ。』

ブルーガー
  「これは火炎だから、焦げが発生してしまうが、
   [気]のようなもの、それが細く打ち抜いたとしたらどうだろう。」

グ・リョクコウ
  「なるほど。」

 打ち抜かれた木の裏側を見に行くチョンミン。


テイ・チョンミン
  「限りなく近いね。 傷跡は・・・。
   出口の破裂具合は似ているよ。」
ブルーガー
  「すると、何かの高い圧力で打ち抜かれたってことになる。」

チョウ・ギョッキ
  「道具か、[気]か・・・・」

ブルーガー
  「遺体については残念な結果だが、
   代わりに、大ざっぱだが二つの資料が手に入った。

   一つ目はこのような攻撃があるということ。
   二つ目は・・・近づくと攻撃に遭うってことだ。」

チョウ・ギョッキ
  「これから・・・どうしますか?」
ブルーガー
  「うむ、我々は調査隊だ。 攻撃の先方役でも突撃隊でもない。
   調べることを目的としている。
   したがって、次の行動のための情報を必要なだけ持ち帰る必要がある。

   最悪は、戦力を建て直し出直すことも有り得る。

   が、満月の刻まで、あと数日。
   まずは[魔物の住む山]を一目見てやろうではないか。」

 『おぉっ』

ブルーガー
  「ギョッキ、二つ命ずる。
   1つ、この周りの巡回人数と頻度を増やせ。総がかりでよい。
   2つ、先遣隊の費やした日数と時間、そして川の流速から、大よその戦闘地点
   を割り出せ。」

チョウ・ギョッキ
  「かしこまりましたっ!」

ブルーガー
  「そして皆のもの、
   スペック-1の彼らとてこの有様だ。
   油断することなく、心して掛かれっ!」

 『サーっ!』


~~
  ~~
    ~~


 ここは、鮮やかな緑が広がる密林と、透き通る青さがキラキラと輝く湖、
 真っ白な雲がくっきりと浮かび上がる青空、そんな広大な自然が広がる大地。

 その奥深くに小ぶりにそびえる尖がった山々のふもとの洞窟の中。


???
  「マーシャ、その後の動向はどうじゃな?」

 どくどくしい衣服を着た男が、ドデカイ椅子に越しかけ、足を組み、
 そして肘は肘掛けに乗せ、頭をその手で支えている姿勢から、斜め前にある小スペースに、
 置いてある直径が30cmはあろう大きい水晶玉の前に座る一人の女性に話かけた。

 その女性、水晶の玉に手を当てながら、

マーシャ
  「はい、かなり[気]がハッキリとしてまいりました。
   目覚めるのはそう遠くはないでしょう。」

 頭にティアラに似たわっかを被り、また、宝石なのかいくつもキラキラ光る石をぶら
 さげている。
 眉間には赤く丸い石が張り付いている。
 その赤い石に向かって頭の被り物から、一匹の竜と思われる形をした金色の装飾品が
 まさに噛み付かんばかりの姿をしていた。

 首にも装飾品を付け、扇状に素肌をほどよく覆っている。
 全身はきらびやかな装飾品で覆われた羽織物が、その容姿を隠している。


[神霊巫女]マーシャ
  「黄龍道(おうりゅうどう)様、そろそろ頃合かと存じます。」

[竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)
  「そろそろか。
   余の代で[三獣神]が目覚めるとは、これも定めであろう。

   大竹林寺、長きに渡り地上に出られずじっと[探神霊石]の監視とガードを
   続けて参ったが、それもここで終わりにしてくれる。

   大竹林寺が人類全滅後の創世記を経て次なる表の世界を支配してくれようぞ。」


 そう、ここは大竹林寺の生活拠点であり、そして現世の大竹林寺の主、
 黄龍道(おうりゅうどう)元帥の広間であった。


[近衛軍副長]トンコウ
  「早いところご指示を。
   各軍共に力を持て余し、今か今かと うずうず しております。」

[竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥
  「うむ、
   なれば、あと二つ月刻を [改新大戦] の[始の日]と定める。
   それまでに準備を済ませよ。

   まず、各軍長を呼べ。」

[近衛軍副長]トンコウ
  「はい、承知しました。」


~~
  ~~
    ~~


 この日こういちは、ゆうすけ、利江らと供に 青龍湖に足を運んでいた。
 そう、夏休みに総本山対極試合が開催された時、大少林寺に向かう途中利江が何かの[気]
 に反応し、また こういちが身構えたあの湖である。


 


 その湖、いつものように髪をなぜるような心地よい風、鳥のさえずりもやさしく耳に届く。
 波は穏やかで、太陽の光をキラキラと反射させている。その照り返しが眩しい。

 川岸に立つこういち。

 高原に位置する湖だけあり、もやっと雲が辺りの木々に掛け布団のように一部覆っている。

   
ゆうすけ
  「普通の湖なんだけどなぁ。」
利江
  「眺めているだけでも、とても気持ちいいわ。」

 空を眺めるように、地面に大の字に寝転がるゆうすけ。
 利江もその横で、お尻を地面に付けて体育座りで並ぶ。

利江
  「お付き合いを始めたんですってね、スウランさんと。」
ゆうすけ
  「なんか・・・そうなっちまった。」



第212話 伝説が動く 3 へ
(でも実際どうなの)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月23日 11時05分19秒
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