カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
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利江 「こぉ~ら、まだ動いちゃダメ。」 こういちが連れて帰った白い子虎に治療を施す利江。 白い子トラは痛がるのか、時折イヤイヤをするように後ろ足で利江の手を除けようとする しぐさをする。 スウラン 「白い虎、初めて見た・・・・。」 ゆうすけ 「とても希少だよ。」 スンチャ 「おっ、居た居た。 このおチビちゃんか、勇敢な子虎ちゃんってな。 普通、恐れを成して逃げるだろうに・・・・。」 しゃべりながら歩み寄り、利江の隣に座り込むスンチャ。 利江 「ほらぁ、ダメって言ってるでしょ!」 ポコン 軽く頭を叩く利江。 その時、反射的に後ろ足を動かした白い子トラ、手を差し伸べていたスンチャの手を その後ろ足で引っかいてしまう。 シュっ スンチャ 「痛てっ」 スウラン 「それも避ける、修行。 当てられたスンチャ、悪い。」 ゆうすけ 「こんなに小さくても野性だけに爪も鋭いや。」 スンチャ 「こんのぉ~!」 怒ったスンチャをキッとにらむ白い子トラ。 スンチャ 「こ、こいつっ!」 利江 「ジっとしてなさい。 今は構わなくていいのよ。 ちゃんと状況を見極めなさい。」 白い子トラの目を覆うようにおでこを撫でてあげる利江。 利江 「はい、出来たわ♪ しばらくは大人しくしてんのよ。」 利江は白い子トラの脇を抱えて、自分の前に下ろした。 すると、白い子トラは、包帯で巻かれた右後ろ足でびっこ引きながらも、 再び利江の膝の上に戻り、ゴロンと横になってしまった。 スンチャ 「なんだ、甘えん坊さんじゃないか。」 再びスンチャをキリっとにらむ白い子トラ。 スンチャ 「はいはい、私が悪る~ございました。 白旗降参・・・・。\(- 、-)/^^」 利江 「こんなに小さくてもとても重いの・・・・」 ゆうすけ 「家猫とは訳が違うから・・・。 この大きさでも15kg は有りそうだな。」 スウラン 「何か名前、付けるいい。 何故か利江、なついている。 利江、考える。」 利江 「名前かぁ・・・・。 どんなのにしましょうね・・・」 白い子トラのケガしてないところを撫でてあげる利江。 利江 「少し考えましょ。 それより食事が大変よね・・・・」 ゆうすけ 「そ、そうか・・・・ ここは肉を出せないからな・・・・」 こういち 「なに、心配はいらないよ。 じっちゃんには話をつけといた。 食事はさすがに敷地内ではダメだけど、 外でなら問題ないってさ。 でもまだミルク・・・・でもないか、やっぱもう肉かな ^ ^; 」 白い子トラを囲む4人に向かって歩いてきたこういち。 その姿を見た白い子トラ、利江の膝から降り、こういちを向いて顔を上にあげた。 立ち止まり、しゃがみ込んで足元の白い子トラの頭を撫でながら、 こういち 「元々野生のトラだけに、長くは世話してあげられないから・・・ 元気になるまでだけどね。 自分で普通に走れるようになるまではおいらが食事を捕まえてくるよ。」 白い子トラは、こういちと利江にお尻を向け、スンチャが目の前になるように伏せた。 ゆうすけ 「ほほぅ。。。 このおチビちゃん、こういちと利江ちゃんには自分より上位と見たようだ。」 スンチャ 「上位?」 ゆうすけ 「あぁ、ネコ科には大将には尻を向けて外からの敵を見張る習性がある。 スンチャには、快く思っていないらしい (^ ^; 」 スンチャ 「なんだよぉ~ (;; 敵にするなよ・・・」 スウラン 「スンチャ、おチビちゃんと拳法練習出来る。 本物の虎拳が相手。。。」 ゆうすけ 「あはは、そりゃいいや♪」 スンチャ 「ォィォィ・・・・」 白い子トラ 「ガァー」 『あはははは。。。』 ~~ ~~ ~~ ガイザー総帥 「しっかりと頼みましたよ。」 黒鼠 リーダー 「ははっ」 ガイザー総帥 「では私は、ブルーガーの元へ行って来ます。」 黒鼠 リーダー 「あの・・・・」 クラウス 「どうした?」 黒鼠 リーダー 「ブルーガー様の現在位置などはお分かりなのでしょうか・・・?」 クラウス 「心配は無用だリーダー。 ガイザー様は、我々の[気]がある処に移動される。 現在位置を調べる必要がないのだ。」 黒鼠 リーダー 「そ、そうでしたか・・・。 出しゃばりまして失礼致しました。」 ガイザー総帥 「まだ皆の能力も把握は出来まいに。 無理もない。 心遣いには礼を申すぞ。」 黒鼠 リーダー 「ははっ」 ガイザーはそう告げると、右手で握りこぶしを作り、腕を真下に勢い良く伸ばす。 サッ☆ 『フン!』 V ズバっ☆ V ~ ~ ~ 青空の下、日差しが眩しい川べり。 その川沿いに今はまた姿を消した山々に向かい、隊を進めるブルーガー達。 とある川原で足を止めた。 チョウ・ギョッキ 「ブルーガー様、どうやらここのようです・・・・。」 目の前に広がる血生臭い光景に口を開くチョウ・ギョッキ。 その目線の先には、猪を丸焼きで焚き火をした姿がそのまま残っていた。 そしておびただしい出血の後が二箇所、同僚が手にしていたと思われる剣が同じ位置に 2つ、そして川べりに一つ落ちていた。 テイ・チョンミン 「あの剣、我らが手にするのと同じっ!」 グ・リョクコウ 「殺害現場はここと見て間違いなさそうですな・・・。」 落ちていた剣のそばに歩み寄り、ひとつを取り上げるリョクコウ。 グ・リョクコウ 「この剣、刃こぼれも血糊なども、全く争った後がありゃせん。 突然の奇襲を受けたか、手も足も出なかったか・・・と推測しますだ。」 ブルーガー 「なんとしたことか・・・・」 そこへ突然姿を現したシルクハットにマント姿のガイザー。 V ズバっ☆ V 『おぉぉ。』 ( ガイザーの能力を知らない異人達は驚きの声をあげる。 ) ブルーガー 「これは、ガイザー様。 わざわざ僻地にいらして頂くとは。」 片ひざをついて頭を下げるブルーガー。 それを見た調査隊全員が同様の姿勢を取る。 (黙っているといいこと無いぞ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月23日 11時09分31秒
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