カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
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ガイザー総帥 「ブルーガー、ご苦労です。 先程、クラウスから状況は聞きました。進展しているようですね。」 ブルーガー 「はっ、思いの外情報の収穫が出来ております。 しかし、残念ながら肝心の[石]そのモノにはまだ一切・・・。」 ガイザー総帥 「いにしえの時代より長き年数をかけて守られてきた伝説ですよ。 数ヶ月で手に入るなどとは思ってもいません。 それに、それを守る種族が・・・ですか。」 立ち上がりながら、 ブルーガー 「どうもそのようです。 実はここ、先遣隊3名を派兵しましたが、遺体となり手元に戻りまして、 どうやらその殺害現場では・・・と考えているところです。」 ガイザー総帥 「我らのスペック戦闘員を倒すとは、それも3人も・・・。 伝説を守り続けるだけのことはあるということですね。」 ブルーガー 「まだその部隊の手に落ちたかの結論には至らず、推測の域ではありますが・・・。」 ガイザー総帥 「うむ、 この隊、その種族に対し人数が揃っておるのか、または足りぬのか不明です。 したがって、あまり無理をしてはいけませんよ、ブルーガー。」 ブルーガー 「はい。 ! そこのっ! 何こそこそと・・・・出てこいっ!」 突然、ブルーガーが一喝したっ! その場にいた戦闘員の顔が、ブルーガーが見つめる方に向けられた。 調査隊一行の居る位置より左手の原っぱと奥に繋がる林との境目辺り。 目を瞑ってニンマリとしているガイザー総帥。 その場所からなんの動きも無い・・・。 ガイザー総帥 「どうやら一人だけのようですね。」 ブルーガー 「出てこぬのか・・・・ 我らがそこに行く前に逃げる魂胆だろうが残念だな。」 目をつぶり、ゆっくりと左腕を斜めに胸に当て、拳をギュっと握ったブルーガー。 すると、原っぱと奥に繋がる林との境目辺りの地面が、半径5mごと根こそぎ音と供に、 空中に持ち上がったっ! ズボっ! 目を開くブルーガー、そして不要な土を落下させ始めた。 見る見ると土砂が取り除かれ、その中央辺りだろうか、地面から顔を出したまま、 慌てている一人の人物が現れてきた。 ブルーガー 「ほう、地面から顔を出すとは。」 周りの地面の表面を少し残し、あとは断面状に人物丸見えの状態で土砂の落下が止まった。 グ・リョクコウ 「こやつは穴掘りが得意らしいですな。」 見ると残された土の断面は、地中に向かってトンネルの様になっていた。 丁度自分の身長分の高さで少しだけ地面と平行に走り、その平らなところに足を乗せて 立っているという、隠密行動丸出しのまま調査隊にその姿をさらしていた。 全身をなにか獣ののような茶黒い色の太く短い毛で覆われ、足には鋭い3本爪のような形を した靴を履き、一方の手にも同様の大きく鋭い爪のような形の手袋を。 もう一方には、先端が尖がり、三角状の三方に何かフィンのようなアルミ材のような色を したものをはめている。 ドリルを手にした人間モグラ・・・とでも言うような姿だ。 ブルーガー 「すぐに出てくればよかったものを。 隠密の姿が丸出し、惨めだなぁオイ。」 『アハハハ。』 立ち上がった戦闘員の笑いが起きる中で、一人だまってその様子を見ているガイザー総帥。 さらに不要な土砂を取り除き、人間モグラだけを空中に留めたブルーガー。 ブルーガー 「驚いたか、我らにはお前達の見たことのない力を持っている者もいる集団だ。 お前、何者だ?」 人間モグラ 「 ・・・・ 」 顔は驚きの表情のまま。 宙吊りにされたまま何も出来ない人間モグラ、口は閉ざしたままだ。 ブルーガー 「お前、伝説[石]を守る種族と言われている者か?」 人間モグラ 「 ・・・・ 」 ブルーガー 「吐かぬ気か。 さて、偵察がモグラ方式・・・。 もしかして、土俊(どしゅん)とかいうやつに頼まれたのかな。」 人間モグラ 「 !! 」 さすがにこの一言には驚いたようだ。 その様子は顔が物語っていた。 ブルーガー 「正直で結構。」 チョウ・ギョッキ 「なるほどね、あの時、土俊(と どしゅん)が突然消えたのも土の中をか。」 ブルーガー 「さぁて、何かしゃべってもらおうか。黙っているといいこと無いぞ。」 空中の人間モグラ、突然悲鳴を上げ始めたっ! 人間モグラ 「 ギャーーー 」 見ると両手が目一杯左右に開かれている。 ブルーガー 「なんだ、ちゃんとしゃべれるではないか。 おれは[拷問]は好きではない。 しゃべれば開放してやってもいい。 どうだ?」 なんと今度は、両足が大開脚となり更なる悲鳴が起こったっ! 人間モグラ 「 うぁぁぁぁぁぁっ! 」 その姿を見ると、手足が4方向に引っ張られているようだ。 続いてブルーガー、右手人差し指を差し出し、空中で悲鳴を上げる男の両足を一発ずつ 打ち抜いたっ! ブォーーーーっ!==========> ブォーーーーっ!==========> 細いレーザーのような炎が、一瞬で太ももを貫通する。。 人間モグラ 「 ぎゃぁぁぁぁぁぁっ! 」 ブルーガー 「おまえらもこれに似た芸ができるみたいだが、どうなんだ。」 充血した眼をおっぴろげて驚く人間モグラ男。 そのまま気絶してしまった。 力を緩めるブルーガー。 チョウ・ギョッキ 「お、お嫌いと口ではおっしゃっておりますが、これは立派な拷問です・・・・。」 ブルーガー 「拷問とは逃げ道が無いのが多い。 これは吐けば自由にしてやると言うてある。 質問にすぎん。」 チョウ・ギョッキ 「は、はぁ・・・・。」 ブルーガー 「だれか、こやつの地中の[気]を追えそうな者はおるか?」 二人の戦闘員が手を揚げた。 ブルーガー 「よろしい、ではその2名の者、こやつを解き放つ。隠密に後を追え。 やつらのアジトに逃げ込むか、誰かに会い、何かしらの報告をするであろう。 その場所を突き止めよ。」 『サーっ!』 ブルーガー 「くれぐれも深追いするでないぞ。 発見したら直ぐに報告せよ。 我らは宿舎に戻る。」 『サーっ!』 ガイザー総帥 「また進展しそうですね。」 ブルーガー 「ご覧の様に、一つずつ手探りなものですから・・・・。」 ガイザー総帥 「吉報を楽しみにしていますよ。 私は一端、本部に戻ります。」 ブルーガー 「ははっ」 V ズバっ☆ V (お利口さんだってさ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月23日 11時10分08秒
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