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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2007年10月05日
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カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
.
館長
  「その永きの約というのは、大竹林寺、創設以来の役目の事じゃよ。

   彼らの生息地は謎とされており、また、彼らの存在も伝説化されておる。
   様々な噂で昔から語り継がれ、今では不正確な伝説としてこの世に広まっておるよう
   じゃな。
   その生息地、そのほとんどの言い伝えにも出てこない程謎に包まれておる。」

 だまって館長の話を聞く3人。

館長
  「まず彼ら、大竹林寺の役割は二つある。
   一つは、伝説の[石]、つまり[探神霊石]を盗人の手から守ること。
   二つ目は、[探神霊石]を用いて[三獣神]の出現を予期すること。
   つまりどの時代にも、利江ちゃんと同じ能力を持つ[神霊巫女]が側にいることになる。

   これらを遂行するため、わざと誤った噂をその昔に流し、言い伝えさせたようじゃな。
   それも複数流しておるようじゃて、どれが本当かもよう分らん仕組みになっておる。

   彼らの生息場所であるが、竹林山、そこに入り口がある。
   この竹林山、満月の夜にしか姿を現さん。 不思議な山じゃよ。」

ゆうすけ
  「満月の夜だけ姿を現すだって・・・?」

館長
  「そうじゃ。 だから人知れずに今まで謎のままでいられたのじゃろうな。
   [魔物の住む山]とも呼ばれ、人々が寄り付かないことも幸いさせておる。

   現れた山のどこかに生息地への入り口があるようじゃ。
   そこから入ると、これまた不思議な大自然の広がる別世界に繋がっておるとされている。
   その現れる山の付近には無い景色と記されているが、どんなところだかの。」

利江
  「記されているって・・・・」
ゆうすけ
  「付近には無い景色・・・?」

館長
  「大少林寺 館長録 の事じゃよ。 代々これによってその昔のことなどを知ることが
   できるのじゃ。
   なんと第一巻は、陳南家 南流伝承者のことから始まっておるのじゃぞ。」
ゆうすけ
  「南流が最初・・・す、凄いや・・・・」
館長
  「つまり大少林寺は、陳南家 南流伝承者 と深い関わりがあるということじゃ。
   付近には無い景色、つまり入り口を入ると別の空間が存在しているということかの。」

ゆうすけ
  「別の空間・・・・そんなのが存在するのかよ・・・・。」

館長
  「さてと、この2つのどちらかの約を破って・・・と言うとったようじゃが、
   予期するのを放棄したとも取れる。
   また、守ることを放棄するとも取れるがの、まだ実はもう一つあるのじゃ。」

こういち
  「もう一つ?」

館長
  「そうじゃ。もう一つ。

   [三獣神]が表れし時、その彼らの謎の生息地だけは被害を受けないとある。
   つまり、安全な場所を確保した変わりに、他の2つの役割をしっかりと遂行しなさい
   ということじゃろうな。」
利江
  「そこだけは安泰だなんて・・・」
館長
  「表に出る・・・というのは、その地から飛び出すことを意味していると思うが。
   さて、約を破るとは・・・・」
ゆうすけ
  「たぶん・・・・
   その地で生活していろってことも含まれているならば、生活の場をそこから飛び出して
   こちらにも移り住むってことが考えられるよ。」
利江
  「移り住むだけなら破る・・・まで大げさなことではなさそうだけど・・・。」

こういち
  「
   そうだ、あいつはこんなことも。
   『おまえさんの使命に関わる部分に便乗する算段らしいぜ』と。」

ゆうすけ
  「こういちの使命・・・、はっきりとは知らねぇけど。
   破壊するために現れるのが[三獣神]だろ。
   現れるから破壊される・・・かもしんねぇけど・・・。

   ってことはさ、それに便乗・・・・破壊の流れに乗るってことさっ!
   つまり、監視だけじゃなく、領土も頂きっ! みたいな・・・・。」
利江
  「侵略してくる可能性があるってこと?」
ゆうすけ
  「そうとれる。」
館長
  「 ・・・・
   大竹林寺、彼らは[石]を守るために独自の武装の軍を持っておる。
   おぬしらの国で言うなれば、まさに忍者のような。」

ゆうすけ
  「忍者かよ。」

館長
  「彼らの存在を隠すため、または悟られ辛くするために、この大少林寺が存在しておる。

   陳南家 南流伝承者と戦う大会を開き、強者の目をそちらに向けさせる。
   そしてそんな強者が行き来する場所、[石]を盗みに来た腕自慢達が、
   真相はその謎の武装軍に倒された・・・としても怪しまれんからの。

   陳南家 南流伝承者との交流はこちら(大少林寺)の役割ということじゃよ。
   監視と交流、そして守ると欺く(あざむく)、大竹林寺と大少林寺は[三獣神]を
   通じて、表裏の関係にあるわけじゃ。」

ゆうすけ
  「おお仕掛けな仕組みだ。
   入山試合も裏にはそんな隠れ蓑の役割もあったなんて・・・。

   しかしなんてことだ。
   大少林寺とも深い関係にあったなんて・・・・。
   じゃ破るとは、やはり領土を支配する侵略って線が濃厚じゃねぇかっ!

   それに別口だが、異人(スペック戦闘員)が竹林山に向かったとも・・・」

館長
  「うむ、入ってきた情報の一つじゃがの。」
利江
  「もしかして、話合いがついて共同戦線?」
こういち
  「そこはまだなんとも・・・・
   伝説の[石]の誤った部分に引かれて探してるってこともある。」
ゆうすけ
  「こういちとドンパチやった後、すぐにこっちに来てたしな。
   [石]の力に頼りだしたってことも。」
こういち
  「 ・・・・ 」
ゆうすけ
  「館長様、大竹林寺の長と連絡は付きますか?」
館長
  「それぞれの約、互いに暗黙で守ってきた。
   残念なことに、面識もなにもありゃせん。」
ゆうすけ
  「くそ・・・。
   恐らく、その長が[欲]深いやつなんですよ。
   自分の時代で[三獣神]が現れるものだから、領土を広げ、天下を取る気持ちが
   強く芽生えたんじゃないかな。
   会って引き止めることも大事だが、人柄を知ることも大事だぜ。」

館長
  「竹林山の扉、これが現れない時にも動きが活発になっておったことからも、
   他にも出入り口なるものが存在しておるかもしれんな。

   だがやつらの軍、8つに分かれておりそれぞれに得意分野があると聞く。
   事を構えても、かなりの凄腕。

   陳南家 南流伝承者の使命と、彼らの[石]を守るという点では、[三獣神]を元に
   広い意味では目的を分割した仲間となる。つまり我らの敵ではないからの・・・・。」

こういち
  「 ・・・・ 
   それでRyuichiのやつ、おいらの出方を見るって言ってたのか・・・」

館長
  「伝えて出方を見るとな。
   やつは何者かのう。 そこまで知っているとは・・・・」 
利江
  「もしかして、大竹林寺側の忍者?」
ゆうすけ
  「一大イベントの情報を、攻撃先の相手には伝えないだろう。」
利江
  「大少林寺も狙われるの・・・?」
ゆうすけ
  「約を破り・・・、つまり、今までの関係からも脱皮すると捕らえるならば、
   自分達、大竹林寺の事を知りすぎているのが大少林寺となる。

   どうせ[三獣神]によって潰される世界。
   反旗ひるがえしたのであれば、一番の目の上のたんこぶだからさ。
   真っ先の標的に成り得る。」

利江
  「た、大変・・・・。」 
ゆうすけ
  「だけどよ、その考えならばさ、何も自分達の手を下すことはないだろうに・・・」

こういち
  「戦いたいんだよ、きっと。
   自分達の部隊を使って、こちらの戦力をどのくらい上回れるかを見届けたいんだと
   思う。
   今まで、安住の地で外敵無く過ごしている。
   人口も増え、戦いに備えていた部隊も力を持て余しだしているんだろうよ。

   その現状に加えて、自分の権力統治欲、となれば・・・・。」
ゆうすけ
  「権力を追い求めるやつが、最後にたどりつくところなんざ、
   戦国時代そのまんまの成り行きってことさ。

   時代は繰り返す・・・・か。 良く言ったもんだ。
   おれもこういちの考えに一票だ。」
利江
  「館長様・・・・。」

館長
  「まずは動向を伺わないことには、こちらは動けんの。
   不正確な情報に基づいて動いてしまっては、取り返しが付かないことにもなる。」
ゆうすけ
  「それに、忘れてならないのは戦闘員達の動き・・・・。
   こいつら含めた二派を相手にするとなると、厄介だぜ・・・・。」


利江
  「二つじゃないわよ。 ほら・・・・」

こういち
  (
タロ
  ( !?

 首からぶら下げたペンダントダイヤをみんなにかざして見せる利江。
 そのペンダントからは、青白い光を放ちながらゆっくりと点滅してしていた。
 数回点滅するとその光は止み、元のペンダントダイヤの姿に戻っていた。

ゆうすけ
  「く・・・くそう・・・・いよいよ世紀末到来ってことかよ・・・・」
こういち
  「 ・・・・ 」

館長
  「明日、皆の者にも話をするとしよう。
   念のため、心と体制の準備も必要じゃからの。
   この大少林寺にとっても始めて直面する出来事。

   大少林寺館長録 も今一度目を通す必要がありそうじゃ。」




第220話 伝説が動く 11 へ
(本人の意思じゃからのぉ)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月23日 11時11分34秒
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