カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
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ここ数日間の大竹林寺の侵攻は著しく、対抗する戦力とぶつかっていないお陰で、 その統治する領土をグングンと拡大していった。 『うわ~』 『な、なんてことをっ!』 『きゃーーー!』 『か、母さんっ!』 『ヤダーー』 襲った村々は全て壊滅状態。生ける者・・・・ナシ。 テイ・チョンミンのふるさと、調査隊の居た村以外は・・・・。 『わっはっはっ。 次行くぞ、次っ!』 進軍を続ける一方で、テイ・チョンミンの村での情報も各進軍に伝えられていた。 二つの軍が集結し、増強を図った上で再びその村を襲うも・・・・ 人っ子一人居ないも抜けのカラだった。 そして例の矢文が、戦闘員製造工場の壁に刺さったのはそれから間もなくだった。 黒鼠 一(イークン) 「り、リーダー、建物に刺さった矢にこんなものがっ!」 一(イークン)が、慌ててリーダーに矢文を手渡した。 黒鼠 リーダー 「こ、これはっ !! 急いでザウバー様にお伝えしろっ!」 黒鼠 一(イークン) 「は、はいっ!」 黒鼠 リーダー 『 全員配置に付けーーーーっ! 敵襲だっ!』 その声に、辺りに居た戦闘員達が、工場を囲むように一斉に散り始めたっ! ザウバー 「おぉ、やっとここにも到着したかよ。 どんなやつらか見てくるとするかな。」 ソファーに深々と腰掛けていたザウバー、にやけながら立ち上がった。 そのころ、表の敷地内では、既に戦闘が始まっていた! 隣の森からと、なんと上空からもいくつもの矢が敷地内の戦闘員目掛けて射られていた。 シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ バシっ バシバシっ カツカツ バシっ バシバシっ 矢の雨の中、数人の戦闘員が射抜かれて倒れているが、その多くは手套で叩き落し、 辺りに折れた矢が散乱している。 空中の矢に意識が行き、みな目線が上を見ている。 そんな中、突然土の中から、 もぐら人間が短刀を手に次々と湧いて出て、隙を突いて後ろから戦闘員を倒していく。 シュ がすっ うぉー 黒鼠 リーダー 『地面から敵が現れたぞっ!』 ( なんてやつらだ! ) 走りながら腰にあった片刃の剣で矢を振り落としながら叫ぶリーダー。 そして、現れたモグラ人間を次々と切り刻む! シャキン シャキシャキ シャキーーン 森からも次々と迷彩人間が現れ、短刀でスペック-1に切りつける。 『うおーーー』 『おりゃ、おりゃっ』 ザウバー 「こいつはスゲーや。 楽しませてくれよっ!」 建屋から出てきたザウバーも、戦闘に加わる。 移動しながら、次々とモグラ人間、迷彩人間を拳、蹴りで倒していく。 さすがスペック-3、ザウバーとリーダーのところだけが余裕の展開だ。 と、 シュルシュルシュル シュルシュルシュル ドカーーン\ / \ /ドカーーン ドカーーン\ / 突然の爆風っ! 見ると上空から、いくつもの爆弾が降ってきた。 黒鼠 リーダー 「あの空を飛んでるやつらからだ。 くそ、あんな上では攻撃が出来ん。」 ヒューーーン ヒューーン ドカーーン\ / \ /ドカーーン \ /ドカーーン 積んであった薪が破裂するかのように、戦闘員達が爆風で空中に投げ出されている。 ふと気づくと、モグラ人間、迷彩人間が消えており、爆弾の標的は戦闘員だけになる。 黒鼠 リーダー 『着弾前に受け止めろっ! 手にしたら隣の川に投げ込めっ!』 言葉を実戦始めたリーダー、落下中の爆弾を空中でキャッチ、そして川に向かって投げ つけている。 戦闘員も同様にキャッチし、川に走りこんで投げつけ始めた。 川の側道、10人程の大男がのっし、のっしと巨大な武器を手に前進してきていた。 その大男の手にしていたモノは、 巨大な曲線的な片刃の剣(つるぎ)。 長い槍に大きな斧をつけた様なモノ。 そしてある者は、鉄の球に角(つの)のように短くとがったモノをいくつも配した大きな 鉄球を、鎖で繋いで引きずる者も。まさにチョンミンの村での出来事の再現のようだ。 黒鼠 一(イークン) 「なんだ、あいつら・・・・」 爆弾の降下が止み、その大男の歩く様を見つめる戦闘員達。 そこへ、こんどは真っ赤な色の生地にオレンジと黄色の彩色を散りばめた服を着た男達が 裏山から雪崩込んできたっ! [火軍長]欧陽 康(おうよう こう) 「おらおらっ! 皆殺しだぜーーっ! 第5進軍[火軍長]欧陽 康(おうよう こう)様のお通りだっ! 人呼んで[紅の悪魔]たぁおれのことだっ! 死にたいやつから掛かってきなっ!」 突然飛び込んできた赤い連中に襲い掛かる戦闘員達。 だが、先頭の[火軍長]欧陽 康(おうよう こう)は、体から強力な炎を吹き出し、 身にまとう。 シュボォォォォ そして襲ってきた戦闘員達を次々と炎に包み込んでいったのだった。 『ウギャーー』 『うわーーー』 黒鼠 リーダー 「な、なんだとっ!」 ザウバー 「全員下がれっ! 後方に下がれっ!」 その状況に一喝したのはザウバーであった。 一瞬、ザウバーに視線を送る戦闘員達、続いて一斉にザウバーの後ろに移動した。 ザウバー 「今クラウスは戦闘員の卵をあさりに行ってて留守だ。 黒鼠、お前らで表から来る大男と遊んでやれ。」 黒鼠 リーダー 「はっ。」 黒鼠 一(イークン)/ 二(りャンクン)/ 三(サンクン) 『はいっ!』 素早く正門に回る3人。 ザウバー 「さてと隊長さんとやらよ、お前さんはこのおれが相手してやる。」 ザウバーを見つめ、身にまとう炎は消し、立ち止まって聞いている[火軍長]欧陽 康。 [火軍長]欧陽 康(おうよう こう) 「面白い、このおれを指名するたぁいい根性してやがるな。 だがな、おれとやる前に、まずはこいつらの相手をしてもらおう。」 指をパチンと鳴らしながら前を指差す 第5進軍長[火軍長]欧陽 康(おうよう こう)。 すると、後ろに控えていた赤色迷彩人間がザウバーに向かい、一斉に飛び掛ったっ! (おれの分も残しとけっ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月23日 11時16分59秒
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