カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
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正門前では、素早く移動した黒鼠四人集が大男の軍団と対面していた。 黒鼠 三(サンクン) 「まずおれが様子を見よう。」 三(サンクン)が数歩前に進み出る。 それを見た大男軍団、一番前に居た巨大な曲線的な片刃の剣(つるぎ)を手にした大男が そのまま歩を進め、他の大男達はその場で足を止めた。 黒鼠 一(イークン) 「デ、デカい刃だな・・・・」 間近で見るそれは、想像を超えた刃渡り。およそ 1.7m は有りそうだ。 円弧を描くその刃は、取っ手の先から先端まで反り返っている。 三(サンクン)の動向を黙って伺うリーダー。 そのままのっし、のっしと歩を進める先頭の大男、三(サンクン)から目を離さない。 黒鼠 三(サンクン) 「いくぞっ」 動きの遅い大男に向かって、素早く走りこむ三(サンクン)、 すると、 鈍いと思われたその動きから、突然目にも止まらぬ速さで三(サンクン)に一太刀っ! シャキーーン サッ 『おっと。』 黒鼠 一(イークン) 「うわっ」 黒鼠 二(りャンクン) 「なんつ~速さの一振りだよ !! 」 後ろに飛んで交わしていた三(サンクン)、着地しながら、 スタン 黒鼠 三(サンクン) 「おいおい、はえーじゃないか・・・・。 デカモノ振り回す速度じゃねぇーよ。 様子見ってな大事だな、あぶねーあぶねー。 交わして切りつけに行ってたら、危うくあの世行きだったぜ。 だがな、毎度同じようには振れないって知ってたかっ!」 『いくぜっ』 シュバっ 再び素早く大男に身を寄せる三(サンクン)、最初の一太刀をしっかりと避け、 すぐさま懐に飛び込む動き。 目線は巨大な剣を追っている。 『よしっ』 大男は右手で左から右へ横に振った為、懐が一瞬ガラ空き、素早い最初の一振りも、 力を入れ替える次の切り替えしには、ほんの少し時間が掛かっていた。 それを逃さず三(サンクン)、大男の右肩口を一刀両断っ! 『食らえーーーっ!』 ズバっ ドサ 黒鼠 一(イークン) 「さっすが~♪」 大男の片腕が地面に転がったのであった。 黒鼠 リーダー 「よし、我らも行くぞっ!」 黒鼠 二(りャンクン) 「待ってましたっ!」 黒鼠 一(イークン) 「はいっ!」 ~ ~ ~ 指差す 第5進軍[火軍長]欧陽 康の後ろに控えていた赤色迷彩人間が、欧陽 康の脇を スリ抜けザウバーに向かって一斉に襲い掛かるっ! ザウバー 「こいつら・・・いちを素早いじゃないか。」 仁王立ちのまま立ち位置を変えず、赤色迷彩服人間を迎え撃つザウバー。 赤色迷彩服人間が次々とザウバーに襲い掛かったっ! 『おりゃっ』 『食らえっ』 『覚悟っ!』 いくつもの蹴りと拳がザウバーに向かって繰り出されたっ。 だが、ここはまさに王道、 相手の拳も、そして蹴りも、一つの外回し蹴り、一振りの裏拳で、数人ずつ一度に なぎ倒すザウバーの攻撃っ! 『 うーーーりゃーーーっ! 』 ズドズドっ バシバシバシっ 赤い体がいくつもいくつも、同時にすっ飛んでいくっ! 後方の赤色迷彩服人間の動きが鈍った。 すると、立ち止まっていた赤色迷彩服人間は、手から 70cm 程の炎の剣を出現させたっ! シュボっ シュボっ シュボっ シュボっ シュボっ ザウバー 「なんだこいつら? プルーガー様の親戚か?」 炎の剣を引っさげ、再びザウバーに挑む赤色迷彩服人間っ! 『くたはれーー』 『うおー』 ザウバー 「そんなもの出しても、当たらなきゃ意味ねーんだよな。」 『 てやーーーーーーっ! 』 サっ バシっ ササっ ズバズバドコーーン 今度はステップも織り交ぜ、軽快な動きで赤色迷彩服人間を沈めたザウバー。 息一つ切らしてない。 ドサ ドサ ドサドサ ドサ ドサっ そして第五進軍長[火軍長]欧陽 康(おうよう こう)をにらんだっ! [火軍長]欧陽 康(おうよう こう) ( こ、こいつ・・・・・ ) ~ ~ ~ 大男に一斉に飛び掛る黒鼠達っ! それを見た大男達ものっし、のっしと自分達の 距離を開け始めた。 だが遅かった。 武器を振り回すには、あまりにも大男同士の立ち位置が近すぎ、まだ手を出せないでいる。 そんな大男達は、素早い黒鼠達の突撃を食らう。 黒鼠 リーダーは、大男3人をそのままに素早く移動し、その奥の大男から攻撃を 開始したっ! バシ スパっ彡 ガシガシっ スパっ彡 ドスドス スパっ彡 気持ちのいいほど、リーダーの攻撃が次々と決まる。 拳で、蹴りで、そして剣で。 攻撃が最後の一人の大男に差し掛かった時、 『 !! 』 その大男を後ろから腕回し、ガッチリとお腹を抱え込んだ男がいたっ! 動きを止めたリーダー。 クラウス 「おれの分も残しとけっ」 『うぉぉぉぉっ』 ドッスーーーーン もの凄い地響きと共に、これまた見事なバックドロップが決まるっ! 前方では、一(イークン)、二(りャンクン)、三(サンクン)らが大男を仕留めていた。 ~ ~ ~ [火軍長]欧陽 康(おうよう こう) 「くっ・・・・」 ザウバー 「さてにいちゃん、おれの相手するのはお前さんじゃなかったか?」 [火軍長]欧陽 康(おうよう こう) 「やるなぁあんたら。」 ザウバー 「にいちゃん、名前を聞かせろよ。」 [火軍長]欧陽 康(おうよう こう) 「大竹林寺[火軍長]欧陽 康 だ。 この隊、第五進軍の隊長でもある。」 ザウバー 「ほう、どおりで火の手品が多かったわけだ。 火軍ね。 おれはザウバー。 隊長ではねーが、この施設を仕切っている一人だ。」 [火軍長]欧陽 康(おうよう こう) 「手品か。 まぁいいだろう。 ザウバーさんよ、その手品、自由に操れるとこんな武器になるんだぜ。 その身体に教えてやるよっ!」 『覚悟っ!』 (たまには焼いて殺菌消毒ってのもいいもんだぞ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年08月03日 14時37分30秒
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