カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
~ ~ 3度の戦いの後、第二門の後方にはチーラン、スンチャ率いる武僧達が待っていた。 スンチャ 「師範様、お疲れ様でした。 後は我々が。」 師範 「うむ。 頼んだぞ。」 チーラン 「次、チーラン。 スウラン、休む。」 スウラン 「疲れてない。 けど先は長い。 休ませてもらう。」 武僧達も前後入れ替わり、新しく配置に付く者、引き上げる者に別れていた。 スンチャ 「やはりゆうすけの読み通りだったな。」 スウラン 「引き上げる、襲ってくる。 ゆうすけの話、そのまま。」 チーラン 「あっちも休憩、交代。 こっちも交代、休憩。 変なの・・・・。」 スウラン ( ゆうすけ:相手は戦力が不足している。つまり戦いを挑んできても、 こっちを疲れさせるのが作戦だ。長期戦の構えで望むはず。 一昼夜せめて睡眠不足を狙って来るよ。 戦力が揃うまでね。 丸一日以上は同じ展開が続くと見ていい。だから作戦[A]ではない限り、 3班交代でこちらも望む。 だから休む時はしっかりと休んでくれ。 ) 「・・・か、ゆうすけ、頭いい。」 ゆうすけの作戦弁論を思い出していたスウラン。 スウラン ( スウランの彼、 素敵だ♪ ) 一人ニコニコ (*^ ^*) しているスウラン。 チーラン 「こらそこ! なにニタニタする。」 スウラン 「いいの。」 (笑顔で返すスウラン。) スウランはそのまま建屋に消えていった。 しばらくの間、第二門前の階段最上部に立って待ち構えていたが、ほどほどの時間で その場に腰掛けるチーランとスンチャ。 スンチャ 「これも戦いなのか・・・・」 チーラン 「持久戦、こんなのもある。 初めて知った。」 スンチャ 「だな。おれも初めてさ。 普通なら一気に おりゃおりゃっ! なのに。 待ち時間ではのんびりだ。」 チーラン 「な、もし、もしゆうすけ居ない、どうしてた?」 スンチャ 「今のこの作戦か? たぶん・・・・みんなで取り掛かってしまって・・・・明け方にはフラフラ。 その時に総攻撃をくらってもしかしたら・・・・ヤバかったかな。 だれもこんな作戦を思いつかないから・・・・。 相手の意図と状態なんて お構いなしにこちらの作戦を立ててるだろうからな。」 チーラン 「さっきスウラン、ニコニコしてた。 ゆうすけ作戦、かみ締めてた思う。」 スンチャ 「だろうな。 そりゃ嬉しいさ、彼氏の作戦が的中してるんだから。」 チーラン 「でもまだ早い。 守りきる、大竹林寺撃破、ならよろこぶいい。」 スンチャ 「まぁそりゃそうだけど・・・。」 ん !? 会話していた二人が立ち上がった。 見ると高い塀の上に、いくつもの人影が現れた。 そして次々と中の広場に降りて来たっ! スンチャ 「配置に付けっ!」 掛け声と共に第二門後方に待ち受けていた武僧達が、続々と広場目指して突入して来る。 『ハイーー!』 『ハー!』 『ハっー!』 『ハイ!』 しかし、それよりも早く人影に突っ込んで行ったのはチーランっ! 『ハイーー、 ハイハイっ ハーーっ! ハイ、ハイ、ハイーーっ!』 無手で素早い動きっ! 人影は短刀を振り回す中、的確に避け、確実に拳、蹴りを 次々と決めるチーラン。 そしてき然とした態度で、 チーラン 「何度襲ってきても同じっ! 早々に引き上げろっ!」 (叫んでキリっとにらむ。) 月光軍A ( なぜだ・・・・闇夜は我々月光軍に武があるはず・・・・ なぜ大少林寺の者達は、暗がりでこうも動けるのだ・・・・ それに・・・ ) ズコっ! 月光軍A 「ぐぉっ」 ドサ。 スンチャの蹴りを食らい倒れる月光軍A。 月光軍A 「こ、こいつらやはり、つ、強い・・・・ 長引かせるだけでよいと言われているが、本気で掛からないとこっちが危うくなる。」 片腕で身体を起こし独り言をこぼす。 一般の武僧たちに混じり、一番元気なのがチーラン。 『ハイっ! ハーーっ! ハイハイっ ハイ、ハイ、ハイハイ、ハイーーっ!』 ズバっ バシっ ズカズカ ガシ ドス、 バシバシバシ ズコーン! 月光軍A 「ま、まったくあの武僧・・・明け方近くだというのに元気一杯じゃねーか・・・・ 一端頃合か・・・。」 『月光軍、引けーーっ!』 この掛け声で一斉に引く人影達。 広場中央で引き上げる人影をながめながら、 チーラン 「まるで食い足らない。」 スンチャ 「こんなのが何回も来るってことか・・・・」 ~~ ~~ ~~ そのころこういちはというと、森を、林を川沿いをと、駆け抜けていた。 こういち ( ゆうすけ:戦闘員の工場付近で、大竹林寺の連中が待機しているかをまず確認しないと。 だが、我々は戦闘員の工場の在り処がまだ分からない。 したがって、その拠点を素早く、そして相手に発見されずに探すことが 最初の作業。それが出来るのは、こういち以外に居ないということ。 さらにその工場付近に大竹林寺の軍が集結していたのであれば目的は間違い なく戦闘員達だ。 であればこちらも次の作戦に。 戦闘員の組織も世界征服を狙うトップの考えがあり、大竹林寺も同じ考え。 従って、双方がぶつかれば、間違いなく目的の邪魔になる相手を潰しに 掛かる。 そうなると戦闘員達は、大竹林寺を潰すまではこの地に残ることになる。 つまり、もう [こういち] を隠す必要が無くなるってことさ。 異人=スペック戦闘員 の確認は出来たから。 次の作戦、 大竹林寺は戦力が揃うまで先着軍は近くに待機しているはず。 こういちは、その先着軍の居場所を探り、戦力が揃う前に戦闘員と衝突させ てほしい。 どちらも混乱させることが目的。 予定外だとどちらも戦力を大きく失うことになるからね。 ) こういちは、走りながらゆうすけの言葉を思い出していた。 こういち !! こういちは急に走る足を止め、木の上に飛び移った。 そして木の枝を伝い、離れた場所に素早く移動する。 木の幹の後ろに身を潜めるこう いち。 しばらくすると、こういちの眼下の地面が少し盛り上がり始め、円すい状のドリルの様な 突起物が回転しながら姿を現した。 その回転が止まり、開いた穴からはモグラ人間がヒョッコリと顔を出す。 辺りをキョロキョロと見渡して再び地中に姿を消したのだった。 モグラ人間が移動を開始したのを確認し、木々を伝って移動を開始したこういち。 こういち ( 巡回警備・・・か。 この先に数十人集まっている場所がある。 そこが一つ目の拠点だな。 ) ~ ~ ~ その拠点の直ぐ横の林の中に移動していたこういち。 こういちが進入し息を潜めて潜伏している直ぐ上を、木の枝や葉などで作った迷彩服の男が 木の枝を使い移動していった。 その様子を目で追うこういち。 こういち ( ・・・・ここは約220人、次。 ) サッ☆ 木々の間の迷彩服人間、上空の鳥人間、地中のモグラ人間の監視の目を避け、次の拠点に 移る。 大きな木の幹の横に身を潜めて様子を伺う。 地面を目で追うこういち、そして林の木々を目で追う。そして上空もと、監視員に注意を 怠らない。 こういち ( ・・・・ここは約580人もいる、次。 ) サッ☆ こういち ( ・・・・ここは約460人か、次。 ) サッ☆ こういち ( ・・・・ここは約840人か。近くに居るのはこの部隊までだな。 ) サッ☆ それぞれを直接目で確認した後、その場を離れるこういち。 こういち ( 次は戦闘員の工場の場所を探さなきゃ。 ザウバー、クラウスクラスの[気]なら簡単♪ 方向は分かった。 ん? 複数いる地点の他に・・・ おっと・・・。 ) 再び木の枝に止まり、息を潜める。 少しすると、木々の枝を手渡りで、枝を足で蹴りながらまるで忍者のように素早く移動して いた迷彩服人間が近づいてきた。 こういち ( ・・・・上空からも見えない、そして近くには他に誰も。 よし。 ) 高い枝に潜むこういちの下を通り過ぎていく迷彩服人間を見つめながら動いた。サっ☆ 移動する迷彩服人間の横に並びながら、 こういち 「ねぇねぇ、偵察してるのぉ~?」 木々を伝いながら移動する自分の横に、突然並んで話しかけてきた少年を見て驚く迷彩服 人間。 迷彩服人間 「 うわっ 」 ズルっ 驚きのあまり、足を踏み外し地面に向かって一直線っ! その後を追うこういち。 着地前に身をひるがえして体制を整え、片ひざで着地した迷彩服人間。 だが、着地と同時に上からこういちの肘打ちに合い、あえなく気絶する。 スタ。 ポカ★ 彡ドテ こういち 「ちょっと衣装を借りるね。。。」 (やけに人数が少ないな) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月23日 11時24分24秒
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