カテゴリ:第三章 241 ~ 300 話
利江 「だ、だれ?」 ザウバーから見つからないように身を隠していた利江、戦闘員ではないその姿を見て、 その場で立ち上がり、[月軍長]曹 富夜(そう フウヤ)に話かけた。 [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「おれは大竹林寺 第四進軍長、そして[月光軍長]でもある曹 富夜(そう フウヤ)だ。」 利江 「大竹林寺の・・・・」 [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「おまえ、僧侶ではないな。 それに女。 なぜおまえのようなやつがここに居る。」 利江 「た、旅の・・・ここには旅の途中で立ち寄らせて頂きました。」 [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「旅だと? なぜその旅人が白虎を連れている。」 利江 「ケガをしておりましたので、介抱しておりました。」 『GARRRRRRRRU・・・・』 唸りをやめないタロ。 突然、空模様が一変しはじめた。 ドス黒い雲がモクモクと発生し、見る見る間に青空と、そしてさんさんと降りそそぐ 太陽の光をも覆い尽くしていったのだ。 その時っ! 利江 「えっ !? 」 [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「何っ!」 突然、利江の胸元が青白い光に包まれ、次第にその明るさを増していった。 ピカーーーーーー☆ [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「こ、これは !? 」 Tシャツ越しに光るその輝きは、点滅ではなく絶える事無くずっと光続けている。 今までにはない光り方だ。 [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「そ、その光、まさに[探神霊石]の輝きっ !! 」 驚きを隠せない[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) ぶ厚い雲が空を覆いつくし、辺りは夜さながらの暗さ。 雷が一閃っ!
利江 「く、来るっ!」 利江は確信したかのようにつぶやいた。 大粒の雨が天を覆うように落ちてきた。 次第に激しく地面を打ちつけ、瞬く間にいくつもの水溜りが出来る。 [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「お、女・・・ま、まさかおまえは[神霊巫女]の能力がっ!」 ~ ~ ~ 地面に伏せて倒れていたザウバー。 突然の悪天候の中、強い雨に打ち付けられながら、もそ、もそと起き上がり始めた。 ザウバー 「くっ、不意をつかれたか・・・・こんな小細工、おれ様には通じんわ。」 雷が一閃っ!
小さい坊さん(ゆうすけ) ( く、くそぉ。 もう打つ手がない・・・・・ ) ザウバー 「覚悟するんだな、じいさんよ。 倍返しでは済まさんぞっ!」 キリっと小さい坊さん(ゆうすけ)をにらみつけ、 『 容赦せん、覚悟っっ! 』 強く激しい雨の振る中、水溜りの水を跳ねながら、小さい坊さん(ゆうすけ)に向かって 突進して来たっ! バシャ バシャ バシャ バシャ 後ろに控えていたチュウラン、スンチャ、チーラン、スウラン達が小さい坊さん(ゆうすけ) の前に立ちふさがるっ! 構えた4人、手にした武器を握る手に力が入る。 そして階段をジャンプして一気に飛び越え、第二門前の5人に飛びかかるザウバーっ! 『 うぉぉぉぉぉぉっ! 』 小さい坊さん(ゆうすけ) ( ここまでかっ! ) 目を瞑り、心で覚悟を決めたその瞬間っ! ≡≡≡≡ズゴーーン≡≡≡≡> 前方から向かってきたザウバーの体が、突然真横に吹っ飛んだっ! そして太い木の幹にぶつかり、転げて倒れた! 首をコキコキと振りながら身体を起こし、 ザウバー 「今日はよくよく不意を食らう日だぜ。」 余裕で立ち上がり、第二門に視線を向けた。 するとっ! ザウバー 「な、なにっ!」 自分の目を疑うように、見覚えのある少年、しかしここで出会うはずがない・・・と、 頭の中で葛藤し、混乱するザウバー。 その視線の先には 丸坊主の かつら を外し、 全身びしょぬれのこういちが立っていたのだった。 小さい坊さん(ゆうすけ) 「間一髪・・・た、助かったぜ。」 チュウラン/スンチャ/チーラン/スウラン 『 ナンチャン! 』 館長以下、全ての僧侶の視線がこういちに向けられていた。 ザウバー 「き、き、き、・・・・きさま・・・・こ、こういちだとっ !? 」 ようやくこういちと認識し、突然慌てふためくザウバー。 目を剥き出し血色を変え、ワナワナと唇を震わせながら言葉をこぼした。 小さい坊さん(ゆうすけ) 「もうナンチャンと呼ばなくていいよ。」 近くにいた皆にそう促すゆうすけ。 こういち 「久しぶりだな、ザウバー。」 ザウバー 「な、なぜ・・・・こういちが・・・・ここに・・・・」 驚きを隠せないザウバー。 こういち 「ここ大少林寺は、おいらの第二のふるさとなんだ。 よろしくな。 それに、ザウバー、お前こそここで何やってんだ?」 ザウバー 「お、おれは・・・・そこにいるチビ匠人に用があってな・・・・。」 こういち 「このあいだの腹いせにか?」 ザウバー 「このあいだだと?」 こういち 「そうだ。 つい先日の事だ。 おいらと戦ったじゃないか ^ ^v 」 ザウバー 「お、お前と・・・・戦っただと・・・?」 こういち 「そっ、あんなかっこうしたおいらとさ。」 まだ何が何だか理解出来ていない様子のザウバー。 ザウバー ( ・・・・? ) こういち 「まだわからないのかぁ・・・・ 今ここにいる小さい坊さん、そのときのおいらのコピーさ。 紹介するまでもないと思うけど。。。」 こういちのその言葉で、頭のレゲエ風のモップ、アゴ髭の布団の綿、そして借りていた金と 赤色の羽織物を脱ぐゆうすけ。 ザウバー 「 !? ゆ、ゆうすけ・・・・。」 ゆうすけ 「相変わらずだな、ザウバー。」 こういち 「これで謎解きはできたか・・・?」 ザウバー 「そ、そうか、そういうことだったのか・・・。 どおりで仕掛けたこっちが痛手を負った訳だ。」 ゆうすけ 「だからもうここには用が無いはずだ、ザウバー。」 ザウバー 「く・・・・」 こういち 「それに、おいらはやらなくてはならいことが起き始めたようだ。」 ザウバー 「やらなくてはならい?」 こういち 「そうだ、その一つが今目覚めようとしているっ!」
ザウバー 「目覚める・・・だと・・・?」 こういち 「話はゆうすけから聞いてくれ。 戦う相手、おいらはそこへ向かう。 じぁなっ」 ☆スパっ≡≡≡≡≡≡≡≡ 話終えると、あっという間にその場から走り去るこういちであった。 (だったら・・・どうなの) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年02月08日 15時24分04秒
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