カテゴリ:第三章 241 ~ 300 話
ザウバー 「なに、三獣神だとっ!」 ゆうすけ 「そうだ。 この地にその神が祭られている。 どうもそのうちの一匹が、長い眠りから目を覚ましたらしい。」 ザウバー 「目を覚ますとはどういうことだ。」 ゆうすけ 「おれにも判らんさ。 だが、そいつをこういちは倒しに行ったんだよ。 この地球上の生物の、そのほとんどが滅ぼされると言われているらしい。 自分が戦う相手だとこういちが、慌てて飛んでっただろう。 ザウバー、お前さんもそいつを倒しに行ったらどうなんだ。 ここで戦うより、よっぽど手ごたえがあるんじゃねぇかな。 見ろっ!」 ゆうすけの指差す遠く青龍湖の方角の上空には、巨大な竜巻の中に身を潜めた[龍]の姿を 見ることが出来た。 『 うわぁぁぁぁっ! 』 『 あ、あれが・・・・ 』 その場の全員が一点を見つめ、驚きの声を上げた。 ザウバー 「 あ、あれがっ! なんというデカさだっ! 」 ザウバーも驚きを隠せない。 みな一様に初めて見る[獣神]に、驚きの後は絶句したままぼーぜんとその渦を身にまとっ た巨大な龍をながめていた。 そんな中、この二人の会話はまだ続く。 ゆうすけ 「地球上の生物の定期的排除が役割らしい。 逆に言えば、おれ達人間をも殺しに現れたってことにもなる。」 ザウバー 「人間を抹殺だと?」 ゆうすけ 「そうだ。環境破壊によりバランスが崩れた自然界。 頭角を現し、他の種を滅ぼしのさばる生き物。そいつを定期的に排除するらしい。 つまりそれは、 現在[人間] を指す。 その人間同士で争っても、あの獣神によって皆滅ぼされてしまうってことだっ!」
ザウバー 「こういちはあいつを・・・・あんな化け物を倒しに行ったのか・・・・」 ゆうすけ 「恐らくこの先にある青龍湖だろう。 おれ達の足じゃ半日掛かっちまう。 だがお前なら・・・・ 倒せないまでも、戦いを見る価値はあるんじゃねぇのか。 あのこういちの[本気]を・・・見ることになる。 そこでだザウバー、一つ頼みがある。 このおれをその青龍湖に連れてってもらいたいんだが・・・・」 ザウバー 「次から次へとポンポン良くしゃべりやがって。 痛いところ付いてきたな・・・。 ふっ、あのチビ匠人がこういちと分った以上、勝てなくてもしかたあるまい。 むしゃくしゃする気持ちが一気に引いちまったぜ。 おもしろい、 命令されるのは好きじゃねぇが、頼みなら・・・・聞いてやるかよ。 それに、おまけでこういちの[本気]が見れるとあってはな。」 ゆうすけ 「さすが闘将ザウバーだ。」 ザウバー 「けっ、褒めても何もでないぜ。 ただし、連れていくだけだ。 それでいいんだな。」 ゆうすけ 「あぁ、運んでくれればいい。」 ザウバー 「わかった、じゃ見に行くかよ。 館長さんよ、じゃましたな。」 ヒョイとゆうすけを肩に乗せ、壊れた第一門から素早く走り去っていくザウバーであった。 ~ ~ ~ 黒鼠 一(イークン) 「左手前、とうとうこの敷地境界線までっ!」 黒鼠 二(りャンクン) 「前方も尻がハッキリと見えてきやした。」 黒鼠 リーダー 「うむ、我々は真ん中で待機するか。 クラウス様。」 クラウス 「ん、頃合だな。」 巨大な刀を腰に刺し、腕組みをして戦況を見つめていたクラウス、建屋の前から広場中央に 向かって歩き出した。 黒鼠4人もそれに続く。 戦闘員 『うりゃー、 そぃ、そぃ、タァーー!』 バシ、ドスドス、ズコっ 第6進軍長[木軍長]仲孫 棟(ちゅうそん れん) 「疾風の木の葉っ! 」 ゴォォォォォォ スパスパっ スパスパスパっ シュシュ スパっ シュシュ、スパっ スパスパスパっ シュシュ スパスパっ 戦闘員 『うわぁぁぁ』 [火軍長]欧陽 康(おうよう こう) 「炎投帯っ!」 ぶおぉぉぉぉっ 戦闘員 『ぐわぁぁぁ』 [土軍長]杜 土俊(と どしゅん) 「奈落穴っ!」 ズボっっっっ 戦闘員 『うぉぉぉぉ』 [木軍長]仲孫 棟(ちゅうそん れん) 「行け! 蛸足根呪縛っ! 」 シュルシュルシュルシュルーーーっ! 戦闘員 『ぬわぁぁぁ』 『い、息が・・・・』 黒鼠 三(サンクン) 「く、この異人達が押されているとは・・・・」 敷地の真ん中で冷静に戦況を見守る5人。 大竹林寺各軍長の活躍で、先方隊の戦闘員達は見事なまでの惨敗を期して後退。 その戦況の各中心が、この敷地内に押されて雪崩込んできた。 そして最後の先方隊の戦闘員達を片付けた各軍長達が、その場で立ち止まり、敷地中央に立つ 5人を見据えた。 [火軍長]欧陽 康(おうよう こう) 「さて、ひと段落だが・・・・お前が大将か?」 クラウス 「大将とは、おれのことを言っているのか?」 [土軍長]杜 土俊(と どしゅん) 「他に強そうなやつはいないだろって。」 クラウス 「残念だな、うちの大将はここにはおらん。 オレはこの施設を仕切る上官ってだけだ。」 残した他の戦闘員達は、工場の前に散らばって待ち構えていた。 [木軍長]仲孫 棟(ちゅうそん れん) 「では、お主を倒せばこの施設守護は居なくなると言う訳だな。」 クラウス 「それはどうかな。 お前達が束になって掛かってきたところで、このオレを倒せるとは思えん。 それに、ここの守護は他にもまだ居るからな。 そこの赤いの。 おまえ、前回の戦いで痛い目を見てたんじゃないのか? これはその時のおまえらからの戦利品だ。 使わせてもらうぜ。」 巨大な片刃の剣を目の前にかざすクラウス。 [土軍長]杜 土俊(と どしゅん) 「あれは・・・・」 [木軍長]仲孫 棟(ちゅうそん れん) 「われら力軍の・・・・」 そのとき、雷が一閃っ!
次第に降り始めた大粒の雨が敷地の乾いた地面を、そして戦士達の顔を肩を、腕を湿らせ ていった。 軍長達の後ろには、続々と各軍兵が集結していた。 [火軍長]欧陽 康(おうよう こう) 「あの剣は、我が第五進軍の最初の侵攻時のものだ。」 [土軍長]杜 土俊(と どしゅん) 「あの剣を・・・振り回せるってのか・・・?」 (ありゃりゃ・・・・外してもうた) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月23日 11時34分17秒
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