カテゴリ:第三章 241 ~ 300 話
雷が一閃っ!
一段と強く振り注ぐ大粒の雨。 敷地には大きな水溜りがあっという間に出来始め、次第に 地面を覆いつくし、いつしか敷地横にある川に向かって流出し始めた。 クラウス 「うちの戦闘員をここまで倒すとはたいした腕前だな。ほめてやろう。 だが、そのマジックもこの敷地ではいくつかしか使えまい。 ここにいる5人なら、お前達全員を倒せるってこと、教えてやろうか。」 [木軍長]仲孫 棟(ちゅうそん れん) 「それはどうかな。 我ら3人の軍長に加え、他の軍長達もどうやら到着したようだ。」 黒鼠 リーダー 「なに、他にも居るのかっ!」 そのとき、激しく降りしきる雨音と共に、林の中から、何か重く足元を揺らすような足音が 近づいてきた。 ズシーーン ズシーーン ズシーーン そしてぼんやりとその一団の姿がおぼろげに見えてきた。 ズシーーン ズシーーン ズシーーン 見えてきたのは大男集団。手には例によってドデカイ剣、槍を携えている。 その先頭を歩くのは、体は筋肉の塊で、ギリシャ神話のヘラクレスを彷彿とさせる。 その出で立ちは、まさに鬼神というにふさわしい。 横に持つのは、弓のような形をした巨大な弓形刃の武器。 直線状の取っ手の両端から円弧を描いて繋がっている刃は、刃渡り2mを超える大きさ。 敷地に足を踏み入れ、各軍長達の立つ横で立ち止まった。 [力軍長]王 極鵬(わん きょくほう) 「遅くなった。」 [木軍長]仲孫 棟(ちゅうそん れん) 「豪腕の熊、お主の率いる進軍は、こことは反対側だった。 遅れても止むを得まい。」 [力軍長]王 極鵬(わん きょくほう) 「おまえらが手を焼いたというやつはあいつらか?」 [火軍長]欧陽 康(おうよう こう) 「すまねぇ、その時の進軍はおれが率いていた・・・・。」 [力軍長]王 極鵬(わん きょくほう) 「紅の悪魔と呼ばれたお主が軍。 よほどの相手なんだろうよ。」 黒鼠 一(イークン) 「なんだ? あいつ・・・・ 半月状の・・・・」 [力軍長]王 極鵬(わん きょくほう) 「申し遅れた。わしが大竹林寺 [力軍長]の 王 極鵬(わん きょくほう)だ。」 黒鼠 リーダー 「なにっ! 王 極鵬(わん きょくほう)だとっ !! 」 クラウス 「知っているのか?」 黒鼠 リーダー 「はい、本人を目にするのは初めてですが、聞き覚えのある名前。 確かやつは、今年夏の 総本山対極試合 の出場者の一人にございます。」 黒鼠 二(りャンクン) / 黒鼠 三(サンクン) 「なんとっ! 総本山対極試合 の出場者 !? 」 そう、聞き覚えのある名前だと思ったら、あの総本山対極試合でこういちとやりあうまで、 対戦相手を常に真っ二つにしてきたあの王 極鵬(わん きょくほう)だった。 クラウス 「ほう、凄腕の猛者達が競う大会、その出場者さんかい。 面白い。」 黒鼠 リーダー 「はい、恐らくやつは別格。 我らスペック-3が相手をしませんと・・・・」 クラウス 「スペック-1の三人には荷が重いか・・・・」 [力軍長]王 極鵬(わん きょくほう) 「ほぉ、わしを知る者があの中におるとは。 面白い。」 黒鼠 リーダー 「一(イークン)、二(りャンクン)、三(サンクン)、お主ら、後ろに控えるの戦闘員を 率いてやつらの後ろのザコ供を始末しろ。軍長とはなるべく避けろ。 但し、モグラやろう、火炎やろう以外はなんとかなるやもしれん。 命のやり取りはするな。危ないのはオレやクラウス様に任せるんだ。 いいな。」 黒鼠 一(イークン) / 黒鼠 二(りャンクン) / 黒鼠 三(サンクン) 『はい。』 激しい雨音の中、敷地に踏み込んでいた大竹林寺大軍勢の先頭に立つ4人の各進軍長の 右手が上に掲げられた。 第五進軍長[火軍長]欧陽 康(おうよう こう) 「第五進軍・・・ 第六進軍長[木軍長]仲孫 棟(ちゅうそん れん) 「第六進軍・・・ 第七進軍長[土軍長]杜 土俊(と どしゅん) 「第七進軍・・・ 第一進軍長[力軍長]王 極鵬(わん きょくほう) 「第一進軍・・・ 第二進軍長[水軍長](とう すいじゅ) 「第二進軍・・・ 第三進軍長[?軍長]??? 「第三進軍・・・ 『 掛かれっ! 』 各軍長の右手が、一斉に振り下ろされたっ! 黒鼠 リーダー 「 行けっ! 戦闘員っ! ザコ共を蹴散らしてこいっ! こちらもリーダーの右手が振り下ろされたっ! 『 おぉぉっ! 』 戦国時代の合戦さながらの真正面からのぶつかり合い。 どちらの兵も、勢い良く相手側に向かって突進を始めたっ! 早くも中央にいたクラウスとリーダーの脇を次々と過ぎていく黒鼠の3人率いる戦闘員達っ! 『おりゃーーーっ!』 『うぉーーーりゃーーーっ!』 [土軍長]杜 土俊(と どしゅん) 「ほいきた、一網打尽っ! 奈落穴っ!」 ズボっっっっ 黒鼠 三(サンクン) 「見てた通りっ、避けろっ!」 さっ、ささ さっ、さっ、ささっ ガサっと土が落ちて開いた穴を、次々と飛び超えていく戦闘員達っ! [土軍長]杜 土俊(と どしゅん) 「ありゃりゃ・・・・外してもうた・・・・」 ぽっかりと空いた穴を飛び越えた戦闘員達は、気勢を上げて大竹林寺の部隊に向かって突進 し続けた。 その時っ! シュ シュ シュ シュっ! シュ シュ シュ シュっ! シュ シュ シュ シュっ! シュ シュ シュ シュっ! シュ シュ シュ シュっ! シュ シュ シュ シュっ! シュ シュ シュ シュっ! シュ シュ シュ シュっ! ↓↓↓↓↓↓↓↓スコスコスコ↓↓↓↓↓↓↓↓ ↓↓↓↓↓↓↓↓スコスコスコ↓↓↓↓↓↓↓↓ ↓↓↓↓↓↓↓↓スコスコスコ↓↓↓↓↓↓↓↓ 『うわーーっ!』 『うぐっ』 『ぬぉっ』 強く降りしきる雨に混じり、物凄い数の矢が空から降り注いできたっ! それらの矢が、不意を突かれた戦闘員達に次々と突き刺さるっ! 続いて、 \|/ドッカーーン ドッカーーン\|/ \|/ドッカーーン 敷地各所で爆発が起きたっ! 黒鼠 三(サンクン) 「くそ、上空からだっ!」 [空軍長](りゅう くうさい) 「我が名は[空軍長]第三進軍長 (りゅうくうさい)、 人呼んで 空爆軍曹 とは俺のことだっ! 我らが空爆、受けてみよっ!」 ドッカーーン\|/ \|/ドッカーーン ドッカーーン\|/ 爆発と爆風で、次々に空中を舞う戦闘員達。 クラウスの近くでは、リーダーが次々と落下する爆薬をキャッチし、横に流れる川に向かって 投げ込んでいた。 戦闘員達は、その川の近くで大竹林寺の部隊と衝突を始めたっ! 『好き勝手させるかっ!』 『おりゃゃゃっ』 『そりゃっ』 バシっ ガシガシガシ ドス ズコーーンっ! 一対一ではスピードに勝る戦闘員が優勢となる。 火軍兵の火炎も素早く避け、土軍・木軍兵達を次々となぎ倒すっ! だが突然っ (笑止。 格が違うっ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月23日 11時35分00秒
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