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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2008年01月11日
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カテゴリ:第三章 241 ~ 300 話
.
 大少林寺。

 ここでは広場に散乱する戦闘員と月光軍兵の遺体を、トラップとして作り使用した堀のような溝
 に埋める作業をしていた。

 先頭に立ち、指揮していたのはクンナ。

クンナ
  「遺体同士を重ねるなよーっ!
   間にきちんと覆土をかけてからだぞ!」

 せっせと作業を進める僧侶たち。
 その横で、匠人達がお経をあげていた。

館長
  「痛ましいことじゃ。 心が痛む・・・」
クンナ
  「仕方ありません。こちらは受身、戦わなければ我々がこのように・・・・」
館長
  「うむ、それにとうとう[三獣神]も復活しおったようじゃし。
   行く末がどうなるかじゃの・・・・」

 そこへ、

ゆうすけ
  「クンナ~♪ 戻ったぜーー♪」

 第一門からゆうすけが手を振り走ってきた。

クンナ
  「お疲れ、ゆうすけ♪  ・・・・うわっ!」
館長
  「ほほぅ。。。」

 さらに後方からチャイナ姿の和恵(ボロボロの姿から着替えを済ませてある)、そして背中
 にこういちをおぶったリツコの姿がっ!

クンナ
  「カ、カズエさんっ!」 (ビシっ!)
和恵姉さん
  「館長様、大変ご無沙汰しております。」
館長
  「おぉ、カズエ殿。 相変わらず元気そうじゃの。」
和恵姉さん
  「はい、お陰様で。 (^ ^* 」

 クンナはガチガチの直立不動の姿勢。

和恵姉さん
  「クンナ、大きくなったわね♪」
クンナ
  「は、はいっ!」

 和恵を知らない若い僧侶達は、クンナのそんな姿に不思議そうにしつつも、作業を進めていた。

和恵姉さん
  「館長様、こちらは私と行動を共にしてますリツコです。」
リツコ
  「リツコと申します。館長様には初めて御目に掛かり光栄に存じます。」

 眠るこういちを背負ったまま、館長に片ひざをついて頭をさげて挨拶するリツコ。

館長
  「よいよい、こういち殿を背負っておる、そのままでよい。
   リツコとやら、その髪型、峨眉拳の心得があるようにお見受けするが。」
リツコ
  「はい、子供のころ、たしなむ程度に。」
館長
  「そうであったか。 他流ではあるが気にするでないぞ。
   カズエ殿の客人、ゆっくりと羽根を伸ばされるとよい。」
リツコ
  「ありがとうございます。」
和恵姉さん
  「クンナ、 こういちを部屋に連れてって寝かせてきて頂戴。」
クンナ
  「は、はぃっ !! 」

館長
  「どうされたかな、こういち殿は・・・・」
和恵姉さん
  「いつもの疲労からくる眠りです。 少し寝てれば。。。」

 リツコからこういちを預かり、背中におぶるクンナ。 まだ左肩の包帯が痛々しい。

和恵姉さん
  「話はゆうすけから聞きました。
   大竹林寺が動き出したそうですね。」
館長
  「それなんじゃが・・・・」
和恵姉さん
  「約をたがえて大少林寺を襲うとは・・・・」
ゆうすけ
  「こういちは[欲]を持った大将なんだろうと言ってた。 おれも同感。」
和恵姉さん
  「それにザウバーが絡んでこの有様ですか。」
館長
  「この神聖な聖域で争いごととは・・・大少林寺の歴史始まって以来の出来事じゃろうて。」
和恵姉さん
  「今の "刻" がそうさせたんです。
   世界征服を目論む二つの渦、そして世紀末を引き起こす[三獣神]の目覚めが。」
館長
  「そうよの・・・・。
   そう、その[三獣神]の青龍が現れたようじゃが・・・・」
リツコ
  「こういち君が挑みました。
   ですが、戦いが始まって間もなくに青龍は竜巻ごと姿を消してしまいました。」

館長
  「倒してしまった訳ではなかったか・・・嵐が止んだので期待もしていたのだが・・・。」

リツコ
  「痛手を負う事無く・・・でしたので、一端引き上げたという感じでした。
   その青龍が引き上げた後にこういち君が・・・・」
館長
  「眠りに入ってしまった訳けじゃな。」
和恵姉さん
  「青龍が退散いた後だったのでよかったけど。
   徐々にその疲れ方も年月を追うごとに間合いが伸びてきています。
   私が同じ年の頃はもっと頻度があったように思いますから、私よりも成長してますね。

   それに館長・・・・
   とうとう分派が現れました。陳南家の・・・・」
館長
  「やはりの・・・・。殺流拳の Ryuichi がそれかの。
   総本山対極試合に現れおった。
   こういち殿は異様な[気]に気が付いたようじゃが、わしは一戦が始まるまで分らなん
   だった。 その者が・・・・」
和恵姉さん
  「えぇ。 数十代前に双子が生まれていたのですが、その時の・・・・
   [三獣神]を守るとかで、私達に反旗をひるがえしてきました。」
館長
  「なんと! [三獣神]を守るとな。
   数十代前の双子の一方かね・・・。
   カズエ殿、この様はあなたの悩みの一つじゃからの・・・・。」
ゆうすけ
  「姉さんの悩み・・・ですか?」
館長
  「そうじゃ。 一子相伝の南流だけに、兄弟が生まれると、伝承者ではない者はその子孫
   を作れないのじゃ。 分派ができるとこういう事を引き起こすからの・・・・」

ゆうすけ
  「な、なるほど・・・・」

館長
  「好きな人と結婚まではよかろうが、子供を生む訳にいかないからのぉ。
   相手の理解が必要じゃ。
   カズエ殿は自らは言うまいが、こういち殿が生まれたその日からの宿命を負っている。

   どんなにお強いとはいえ、一人の女性には違いない。
   辛かろうに・・・・。」
和恵姉さん
  「好きな人が出来たら辛いでしょうけど、別に今は気にならないわ。」
リツコ
  「姉さん・・・・」
館長
  「[三獣神]に加え、陳南家の分派をも相手にせねばならんとは・・・・
   こういち殿一人では荷が重いかもしれん。カズエ殿がいらして頂けるとは、なんと心強い。
   まぁ立ち話もなんだ、お疲れじゃろう。 奥で休んで下され。」
和恵姉さん
  「ありがとうございます。そうします。」


~~
  ~~
    ~~


 一人戦闘員生産工場に戻ったザウバー。
 荒れた敷地内の様子を見て、

ザウバー
  「やはり襲われてたか・・・・」

 奥からクラウスとリーダーが出てきた。

クラウス
  「おまえの留守の間にこの様だ・・・・」
黒鼠 リーダー
  「戦闘員を数多く失いました。」
クラウス
  「なにも今、大少林寺を襲わなくともよかったろうに。」
ザウバー
  「だがお前達二人がいる。 おれ一人いてもいなくとも変わりあるか。」
クラウス
  「戦術的には足りないのは痛かった。敷地に迎え入れての防戦となったからな。」
黒鼠 リーダー
  「黒鼠も一人失いました・・・。」

ザウバー
  「そうか・・・・。」

クラウス
  「おまえが気にしていた匠人はやれたのか・・・?」

 少し考えてからザウバー、

ザウバー
  「あいにく留守だった。
   だが、おれがカチコミをかけた時、ここに攻めてきた大竹林寺の連中が大少林寺を襲っ
   ていた。
   三つ巴の結果、引き連れた戦闘員をこっちも失ったよ。」

 ザウバーは、ありのままを伝えることはしなかった。
 ことこういちについては何も触れずにいた。

ザウバー
  「その後、竜巻と共にあの龍が現れやがったんだ。」
クラウス
  「なんだありゃ。 あんなのがこの地では出て来るのかよ・・・・。」
黒鼠 リーダー
  「いえ、私も始めて見ました・・・・。
                   !? もしや・・・・」

クラウス
  「どうした?」
黒鼠 リーダー
  「伝説の[石]に関わるかもしれません。
   願いを叶える[石]、その神が現れたのかも・・・・
   だとすれば、今[石]を手中に収めれば、総帥の望みが・・・・。」

ザウバー
  「 ・・・・ 」

 ゆうすけから、そしてこういちと Ryuichi との会話を聞いているザウバー。
 この世を一掃、人間を滅ぼすために現れたことを知っていた。 だが・・・・

ザウバー
  「おれは、その現れた龍の元に駆けつけたんだ。」
クラウス
  「そ、それでっ?」

ザウバー
  「とても近づける状態にないぜありゃ・・・。
   遠くから眺めているのにまるで嵐の中に居るようだった・・・・。
   願いを口にしても豪雨と強風で打ち消され、とても聞いてもらえる状況じゃなかったな。」

黒鼠 リーダー
  「なんと !? 」
ザウバー
  「何かの準備やら儀式やらをやって、次の進展でもあるなら別だが・・・・」
クラウス
  「そ、そうか・・・。」
ザウバー
  「少し経つと急に消えて居なくなった。」
黒鼠 リーダー
  「とすれば、その何らかの儀式を待っているのかもしれません。」
クラウス
  「なるほど。
   なれば、その[石]、早く手に入れなくてはならん。
   今度はこっちからカチコミをかける番かもしれんな・・・。」




第253話 捉われた利江 -2 へ
(百人どころではありませんぞ)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月23日 11時41分36秒
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