カテゴリ:第三章 241 ~ 300 話
[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)を先頭に、他の軍兵達が静かに待機しているところへ、 偵察に行ったと思われる二人が戻ってきた。 そして一人が[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)の耳元で何かをつぶやいた。 [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) ( くそっ・・・・・ ) やや悔しがる[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)、そして左手を上にかざし手の平を自分 に向け、右手の平を伸ばした状態で左手の平の中心に、伸ばした指先をツンツンツンと三度当て た後、大きく右手を前に振ったっ! すると[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)を先頭に一気に闘技場に雪崩れ込む月光軍兵達! 500人は居るであろう軍兵達は統率が取れており、素早く同時に移動していた。 ササササササササササササササササササっ ササササササササササササササササササっ ササササササササササササササササササっ ササササササササササササササササササっ 次々と闘技場に入り込み、ほどなく入ったところで立ち止まった[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)、続く月光軍はその一歩下がった両脇、そして後方に素早く整列したのだった。 館長 「お待ちしておりましたぞ。」 真っ暗な闘技広場で[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)の前方から、大少林寺館長の声がした。 残念ながら暗くてその姿が見えない。 [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「よくおれ達が今日攻め入ると分ったな。 大したものだ。」 館長 「そのように予想してくれた者がおりましてな。」 ~ ~ ゆうすけ 「いっ くしゅっ< !! 」 ~ ~ [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「のようだな・・・・。以前の大少林寺では考えられぬ読みだ。 それよりなんだあの後ろの坊主どもは。 まるで戦う意志が無くただ座っているだけじゃ ないか。 それも周りを囲うように。」 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「ほぅ、この暗闇でそこまで見えるとはな。 大したものだ。」 [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「フン、この月光軍をなめるな。」 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「あの僧侶達は戦わん。 お前達にお経を読み上げて頂くだけだ。 相手するのは我が大少林寺の武僧達。 ・・・そして・・・」 この時、どんよりとした暗い雲間から満月が顔を出し、真っ暗だった闘技場を月明かりが辺り 一面をゆっくりと照らし始めた。 先頭に立つ館長の姿、そしてその後方に立つ師範とクンナ、チュンホー。その後ろに整列して いた大少林寺の各房長達と武僧達が次々に見えてきた。 さらにその武僧達が素早く左右に分かれていく、するとなんと割れて出来た真ん中のその後方 から現れたのはっ! 広州明冥道 候流 侯 玉穂(こう ぎょくすい) 「広州明冥道 候流 侯 玉穂と申す。私がお相手つかまろう。」 シャキーーン [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「なにっ!」 広州明冥道 候流 候 玲訓(こう れいくん) 「おなじく 候 玲訓(こう れいくん)」 シャキーーン シャキーーン 武当拳 玄 高揚(げん こうよう) 「武当拳 玄 高揚だ。」 ザッ 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「峨眉拳 棲 陽江ある。」 クルクルクル チン、チーン 広東鋼刃道 析 角鷲(せき すいじゅ) 「広東鋼刃道 析 角鷲。」 ざっ、 ビューー! 北方クンフー 李 チュンスク 「北方クンフー 李 チュンスク、お相手いたす。」 ヒュンヒュンヒュン サっ 外家形意拳 疎 云南(そ うんなむ) 「外家形意拳 疎 云南ある。」 シャーシャー ザッ 甲賀忍術 影鬼 「甲賀忍術 影鬼っ!」 ヒュ、 スタ。 次々と現れたその最強戦士達っ! 皆、館長の前に出て、それぞれの拳套を取り ピタっ と動きを止めて[月光軍]を見据えたっ! [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) 「こ、こいつらはっ! くそう・・・坊主ども、ハメやがったなっ」 館長 「ハメてなどおらん。 大少林寺はただの寺じゃ。 戦うならここがよろしかろう。 それに寺の中を荒らしては、仏様がお怒りになられるじゃろうて。 ここなら思う存分に できるでのぉ。 そして事情をお話申し上げたら、みなさんが善意で集まって下さったのじゃ。 ありがたい事じゃて。」 候流(こうりゅう)侯 玉穂(こう ぎょくすい) 「この世にあって世界討伐とは、断じて許せぬ行為っ!」 北方クンフー 李 チュンスク 「我々にも大きく関与することを知り、大少林寺殿だけにお任せする訳にもいかぬだろう。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「我らは皆、己の意志でここに出向いたアル。 名誉ある[総本山対極試合]の出場者、その最強戦士の名に掛けて、その目論みの芽を 潰すあるっ!」 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「我らが相手する、覚悟してもらおうっ!」 ~ ~ ~ スンチャ 「な、なんてことをっ!」 チーラン 「大少林寺、潰す・・・・」 [竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥 「[三獣神]のお陰で人類が滅亡する日も近い。 大少林寺は余りにも我々の事を知りすぎている。 まぁ陰と日向、カードの裏表の関係で 我ら大竹林寺と共に歩んできたのだから無理もないがな。」 和恵姉さん 「ねぇ、なぜその関係を打破しなくてはならないの?」 [竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥 「女、お前も 陳南家 南流伝承者 の血を引く者のようだ。 なれば教えてやろう。 これからのこの世界、[三獣神]の力を要さずとも、この地球の不要物の排除が出来る様 になるからだ。 そう、この大竹林総元帥、黄龍道元帥が表の世界に君臨するからなっ!」 和恵姉さん 「ふぅ~ん。世界の王様になるってことか。 でもゴメンね。。。 それ、どっちもダメみたい。。。」 黄龍道(おうりゅうどう)元帥の映像に向かって歩を進め出した和恵。 [竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥 「なんだと・・・・。」 和恵姉さん 「残念だけど大少林寺、ちょっと面白いことになっていると思うわ。」 ゆうすけ ( へへぇ~♪ ) 歩を止め、チャイナのスリットから足を横に出し、腕組みをした和恵。 [竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥 「どういう事だ・・・・」 和恵姉さん 「それを読んでいる人が居てね♪ 今頃手ぐすね引いて待っているんじゃないかな。 軍兵さん達が到着するのを。 だ・か・ら・、 あなたの思い通りにはなってないわっ!」 (世間は狭いや) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月14日 12時14分05秒
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