カテゴリ:第三章 241 ~ 300 話
ゾルダ 「誰だ? あのおっさん・・・・。」 和恵姉さん 「・・・う、うそっ・・・・」 『信じられないっ!』と、驚きの表情をする和恵。 ゆうすけ ( どうしたんだ姉さん・・・・ ) こういち 「 !? 」 煙が退き、注目を浴びるその中から現れたのは、一人の中年の男性。 片ひざの姿勢から、スッと両足で凛々しく立ち上がった。 辺りをゆっくりと見渡し、振り向き様、その和恵と目が合った。 和恵姉さん 「お、お父さん !? 」 ゆうすけ 「なにっ!」 利江 「えっ !! 」 ザウバー 「ほぅ~、あいつらのオヤジさんが登場かよ。 こいつはおもしれぇ。」 陳南家 殺流伝承者 Ryuichi 「するとあいつは、先代の 陳南家 南流伝承者 ってことか?」 利江 「こういち君のお父様 !? 」 和恵姉さん 「な、なんで・・・・」 動揺する和恵。 こういち 「 ・・・・ 」 ゆうすけ 「こういちが殺してしまったんじゃなかったっけか?」 [竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥 「その通り、小童とその女の父親よ。 まっ、久しぶりの対面、せいぜいお涙頂戴しながら 再会をかみ締めることだな。 あっはっはっはっはっ!」 映像が消え、黒い雲がサーっと引いていく。 南 一樹(みなみ かずき)= こういち・和恵の父 「和恵か・・・・大きくなったな。」 和恵姉さん 「お父さん・・・・」 南 一樹 「そこにいるのはこういちか、あのチビ助がたくましく育ったようだね。」 こういち 「 ・・・・ 」 無言で父 南 一樹 を見つめている。 ゆうすけ ( 何はともあれ約10年ぶりの再会かぁ・・・おれも知らないこういちのオヤジさん、姉さん は動揺を隠せないみたいだ。 にしてもこういち、おまえは・・・・ ) 南 一樹 「こういちはまだ幼かったから覚えていなくても無理はない。」 やや目を細め厳しい視線に変わりつつ、今だ無言のこういち。 和恵姉さん 「お父さん、確かあの時に死んだはずでは・・・・」 南 一樹 「この地におけるこういちの修行の時・・・だったな。 私はこういちに一撃を食らいその後は覚えていないんだ。 だが、気が付いたらこの空間 に居た。 黄龍道元帥の介護の下、順調に回復していったんだ。」 和恵姉さん 「気が付いたらって・・・・」 南 一樹 「おそらく[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)君が運んでくれたのだろうと思う。 まるで記憶はないが、誰かにそのように聞いたよ。」 和恵姉さん 「それで・・・何しに・・・きたの・・・?」 南 一樹 「なんだ、冷たいことを言うな和恵。 お父さんはな・・・・」 こういち 「おっさん、あんた、本当においら達の『とおちゃん』か・・・?」 南 一樹 「おぃおぃ、変なことを言うなよ、私は本物のお前達の父親だよ。 その証拠に和恵には左腕の手首の後ろに、そしてこういちには右足の太ももの上にホクロ があるはずだが。」 和恵姉さん 「こういち、合ってるわ。」 こういち 「おいらもだ・・・。 なら聞こう、おんたは親子の再会を楽しむためにこの場に出てきた訳ではなかろうに。」 こういちは南 一樹 に向かって歩を進め始めた。 南 一樹 「何を否定している、お父さんはお前達と久しぶりの再会をだな・・・・」 その時こういちが立ち止まり、左手を右わき腹の辺りに水平に出し、少し指先を丸め、 続いて右手拳をその下を素早く通過させ、南 一樹に向かって拳を打ちぬいたっ! ズコーーーン>>> 『くっ!』 サッ ズボーーン \|/ スタ。 父 南 一樹の足元が突然破裂したっ! 瞬時に回避する父 南 一樹。 ザウバー ( おぃおぃ・・・・ ) 陳南家 殺流伝承者 Ryuichi ( ・・・・ ) 南 一樹 「何をするっ !? 」 こういち 「おっさん、いやいちを『とおちゃん』と言っておこう。 あんた、[闘気]丸出しだよ。 それじゃあこれから戦いますって言ってるのと同じだ。」 ゆうすけ 「オヤジさんがこういちと戦うだって・・・?」 和恵姉さん 「た、確かに・・・・そう言われれば・・・・」 こういち 「姉ちゃん、冷静になれよ。 こいつはあの黄龍道元帥の手先に成り下がったんだ。 おいら達にぶつけるためにね。」 陳南家 殺流伝承者 Ryuichi 「とんだ茶番ってことか。」 和恵姉さん 「でも、だからって・・・・」 こういち 「 甘いぜ姉ちゃんっ! 」 キツい目付きで和恵をにらむこういち。 和恵姉さん 「うっ !? 」 こういち 「おいらは 陳南家 南流伝承者 だ。 親子の感情なんて当の昔に捨てている。 今、目の前にいるのは・・・・陳南家 南流 の技を持つ、戦うべき [敵] だっ!」 和恵姉さん ( こういち・・・・ ) ゆうすけ ( こういち。 ) 利江 ( こういち君・・・・ ) チーラン ( こういち・・・・ ) テイ・チョンミン 「かっこいい~☆」 ザウバー ( 大人に見えるぜ、こういち・・・。 ) 南 一樹 「アッハッハッハッハ。 そこまで腹がすわっているのであれば仕方ない。 そうだ、こういちの言う通り、私はお前を倒すためにこの場に立ったのだ。 その昔、まだ二歳のおまえに倒された私は、あの時に死んでいたんだろう、本当は。 だが止めを刺されなかったお陰でここに運ばれたようだ。 その後しっかりと介抱を受け、黄龍道元帥様の教えによりこういち、お前に復讐すること にしたのだ。 きっちりと鍛錬したからな。 次はお前を倒してくれるっ!」 利江 「なんてことをっ!」 チーラン 「子供に復讐・・・?」 ゆうすけ 「南流の血が・・・そうさせるのか・・・」 和恵姉さん 「 ・・・・ 」 チョウ・ギョッキ 「に、二歳でだとっ !? 」 ザウバー 「ほぅ、そりゃすげーな。」 ゾルダ 「なんか面白い事になってきたぜ。」 陳南家 殺流伝承者 Ryuichi 「面白そうだ、陳南家 南流ならオレが相手してやってもいいぜっ!」 ズバっ== 突然、南 一樹に向かって走り出す Ryuichi っ! ズコーーーン>>> 『おっと!』 サッ ズボーーン \|/ スタ。 こういち 「手を出すなっ! これは 陳南家 南流伝承者 としての定めだ。 お前に知らないとは言わせないっ! 部外者は引っ込んでてくれ!」 父 南 一樹に繰り出したのと同様に、空撃波を見舞ったこういち。 陳南家 殺流伝承者 Ryuichi 「うぬ・・・。」 (おぉおぉ、熱いねぇ~) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月04日 15時23分00秒
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