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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2008年07月09日
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カテゴリ:第三章 301 ~ 363 話
.
[水軍長](とう すいじゅ)
  「はい、申し遅れました。 私は大竹林寺[水軍長](とう すいじゅ)と申します。
   冷酷のシャークとも呼ばれております。」

 大きく両手を広げたままで話す[水軍長](とう すいじゅ)

スンチャ
  「なにっ! ではここのっ!」 (急に身構えるスンチャっ!)
ゆうすけ
  「まぁまぁ、落ち着いてスンチャ。」
リツコ
  「ゆうすけ君から、戦いの中から水を操る軍長を助け出して欲しいと指示を受けていたの。」

スンチャ
  「水を司る軍長を・・・?」

ゆうすけ
  「あぁ、今[三獣神]の中の青龍、水害を起こす獣神が蘇った。
   [三獣神]が現れてもここの空間は大丈夫と言われているらしいが、我々がここに入り込む
   時に、姉さんが入り口を壊して進入したんだ。
   青龍がその能力を使い始めた時に、それでもここが大丈夫か不安だったんだ。
   そこでリツコさんには別行動でこの方のソバに潜み、可能な範囲で助け出してほしいと。

   現にあぁして入り口から水が入り込んで来た以上、
                         この人でないと食い止められないのさ。」
スンチャ
  「なぜこの人が、ゆうすけの思惑通りに従ってくれたんだ? 宣戦布告してきた[敵]じゃ
   ないか・・・・。」
[水軍長](とう すいじゅ)
  「それについては私は合意できました。
   まずはこの命を救われたこと・・・・。
   もしこの方がいなければ、私はあの女の電撃の餌食になっていたことでしょう。
                            そして救われた後・・・・



  ~
    ~

リツコ
  「大丈夫?」
[水軍長](とう すいじゅ)
  「わ、わたしは・・・・助かったのか・・・」
リツコ
  「危なくスワンの電撃に・・・間一髪間に合ったわ。」
[水軍長](とう すいじゅ)
     「あなたは何者? なぜわたしを?」

リツコ
  「私達はあなたがたと命のやりとりをしにきた者ではありません。
   大少林寺に関わる人とここへ来ました。

   実は私達のそばには知恵者がいてね、[三獣神]の青龍が蘇った場合、あなた達
   のこの空間も水没する可能性があると。
   あなたの同士も命の危機にあるかもしれないってことなの。
   だからあなたを出来れば助けて欲しいと頼まれて。」

[水軍長](とう すいじゅ)
  「この空間が水没?」
リツコ
  「そう、私達がここに居るってことは水も浸入できるってこと。
   入り口、扉壊しちゃったから。」

[水軍長](とう すいじゅ)
  「なんとっ! あの入り口を壊すとは !! 」

リツコ
  「そんなことが出来ちゃう人が一緒なの。」
[水軍長](とう すいじゅ)
  「そ、そんなっ!」
リツコ
  「それよりもあなたの[力]、もしここへの漏水が始まったら停めることを手伝って
   頂きたいの。 助けた理由はそれよ。」
[水軍長](とう すいじゅ)
  「この命、救って頂いた恩義に、応えない訳にはいきません。
   それに、ここを救うために[力]を使うのであれば、問題はありません。
   それより、どのようにしてあの電撃から私を・・・・」
リツコ
  「これよ♪」

 リツコはダラ~ンとした一本の長いロープを握って見せた。
 その先は、[力軍長]王 極鵬(わん きょくほう)が用いた直径400mm程ある円形の刃
 の内側に、握る柄の付いた手裏剣があり、その柄の部分に結びつけてあった。


  ~
    ~



   こんな経緯がありまして・・・・。」

リツコ
  「スワンの電撃を受ける間際に、この先をあなたよりも先に電撃に触れさせ、もう一方
   は水中に・・・・つまりアースさせてあなたへの直撃を避けたってわけ。」
スンチャ
  「ここを守るってことでか・・・・。 さすがだ、あの流水がピタっと止まっている・・・。
               あっ、それとさ、大少林寺に刺客をってここの大将が!」

ゆうすけ
  「たぶんそれも心配ない。」

スンチャ
  「なんで?」
ゆうすけ
  「リツコさんの後輩に総本山対極試合出場者の峨眉拳使いの人がいて・・・」
スンチャ
  「あぁ、女性の・・・・。」
ゆうすけ
  「そう、その人から総本山対極試合出場者の方々に連絡を取ってもらった。
   数人は駆けつけてくれるだろうから、たぶんいけると思う・・・。」
[水軍長](とう すいじゅ)
  「向かったのは[月光軍]、手ごわいぞ。」
ゆうすけ
  「先日の戦いぶりを見てたよ。 動きが素早い上、夜の動きに長けていた。
   だが飛び道具を使うところを見なかった。
   なら・・・最強集団の総本山対極試合出場者が相手、良い勝負以上だろう。」

[水軍長](とう すいじゅ)
  「ほぅ、大した読みだ。 そうか、お前さんが知恵者だったのか。
   大少林寺に向かったウルフが、どうも読まれていたみたいだとこぼしていた。

   ひとつ聞く。 さっきのあの武僧の小僧、あれが陳南家 南流伝承者か?」

リツコ
  「そうよ。 こういち君っていうの。」
[水軍長](とう すいじゅ)
  「やはりあいつが・・・・。
   一度出くわしていたやつだ。 当時、第二進軍隊長としてある町の討伐に出向いた時・・・
   あの小僧に出くわした。

   大した攻撃を受けたわけでもないのに我ら第二進軍隊は壊滅・・・・恐ろしい男だとその
   時に感じた。」
スンチャ
  「だってこういちだぜ♪ あったりまえじゃん。」
[水軍長](とう すいじゅ)
  「我ら大竹林寺は[三獣神]の守り寺。
   彼はその[三獣神]を倒すという陳南家 南流。 相対する立場なれど、私はもしやと…
   人間が[三獣神]に立ち向かうなどと仲間はバカにしていた。 されど直接小僧と触れた
   私には、もしかしたらこの男なら[三獣神]を倒してしまうかも・・・と考えたことがあ
   った。

   だが、[三獣神]それ自体の力を実際には知らないのでな・・・・どうなるか。」

 依然として大きく両手をかざしたまま話す[水軍長](とう すいじゅ)。

ゆうすけ
  「だけど、まさかチュウラン達三姉妹が、あんたらの仲間だったとは予想だにしなかった。」

[水軍長](とう すいじゅ)
  「[近衛軍長]殿は仲間どころではない。 あの方は元帥様の跡取り娘なのだ。」

スンチャ
  「跡取り娘っ !! 」
ゆうすけ
  「お嬢さん !! 」

[水軍長](とう すいじゅ)
  「そうだ。だから我々軍長連中も[近衛軍長]殿だけは一目も二目も置いていた存在。
   大少林寺の動向を伺う上でもその身をそちらに置いておられたのだ。」
スンチャ
  「なんてことだ、敵のスパイってことかよ・・・。」
ゆうすけ
  「形の上ではそうなる。
   だが・・・彼女達は真剣に修行していたよ、しっかりと。」
スンチャ
  「あ、あぁ、それは認めるけど・・・。」
ゆうすけ
  「それに[月光軍]が一晩冷やかしに来たときだって手抜きしてなかったし・・・。
   というか、むしろ先頭に立って本気で止めに向かって行っていたさ。」
スンチャ
  「た、たしかに・・・」

ゆうすけ
  「一方的にスパイと決め付けても。 しかし娘だったとは・・・」

リツコ
  「いずれにしても、さんはあの水を止めたらお役御免ですよね。」
ゆうすけ
  「あぁ、あの水の流水を阻止してくれたら後は好きにして下さい。
   お立場もあることでしょうから。」

[水軍長](とう すいじゅ)
  「そうか。 なれば命を救ってくれた借りはこの胸の中にしまっておく。」
リツコ
  「ありがとう。」

 Ryuichi と和恵の戦闘シーンを見ながら、

[水軍長](とう すいじゅ)
  「Ryuichi と戦っているあの女性、何者なのだ? なぜあのように互角に戦える?」
ゆうすけ
  「こういちの姉さんだよ。 陳南家 南流伝承者のね。 Ryuichi 同様、陳南家の、それも
   南流の DNA がバッチリと詰まっているお人だ。」
[水軍長](とう すいじゅ)
  「陳南家の !!  ・・・やはりおそろしい血筋だ・・・。

   そして我が同士の軍長達が、こうもあっさりとやられるとは・・・あの世界制覇を企むやつ
   らもとんでもないバケモノのようだ・・・・。」




第309話 [獣神]の力 -9 へ





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月04日 15時50分11秒
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