カテゴリ:第三章 301 ~ 363 話
クンナ 「ゆうすけっ !? 」 ザウバーが慌てて回避した地面のあるところ、なんとそこは対極試合を行う会場、そう、 [月光軍長]を捕らえていた大少林寺 総本山の第一門のすぐ横であった。 振り返る二人。 ゆうすけ 「クンナ? するとここは総本山か。」 クンナ 「突然現れるから・・・うわっ! こ、こいつは!」 ゆうすけ 「心配するな。 このザウバー、今はこういちと戦う順番待ち中なのさ。」 ザウバー 「まぁそういうことだ。 こういちには勝ってもらわなきゃ困る一人だぜ。」 北方クンフー 李 チュンスク 「こ、この男は・・・。」 ザウバー 「・・・ん? おまえ、どこかで見たやつだな・・・。 そうか、町でスペック-1二人を倒した時のやつか。 ははぁ~ん、するとこいつら、対極試合の出場者ってやつらだな。 あの男も敵わぬ訳だ、あはははは。」 ( [月光軍長]曹 富夜を見て大笑いする。 ) [月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ) ( くっ、あいつ・・・なぜこいつらと戦わぬ・・・ ) 少林拳 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「ゆうすけ君、これはどういうことだ?」 ゆうすけ 「ザウバーのことですか。 こういちの戦いの場所に連れて来てもらったんです。 新しい能力に頼って。」 館長 「では我らと戦いに来た訳ではないのじゃな。 それにしても、新しい能力とな・・・・」 ゆうすけ 「はい、このザウバー、ここにいる皆さんが束になって掛かっても、ひとたまりも無い程の 力を持ってます。」 我流拳 樗 敬雲(ちょ けいうん) 「なんだとっ! 我々を持ってしても敵わぬと?」 ゆうすけ 「はい、ですが幸いにも世界一を目指す意志が強く、無益な争いを避けてくれてます。 今はこういちしか眼中にありません。」 ザウバー 「褒めても何もやらんぞ。 だが、戦いたいやつがいるなら相手してやってもいい。 見学だけでは暇なんでな。」 武当拳 玄 高揚(げん こうよう) 「むっ、聞き捨てならんっ!」 ゆうすけ 「やめてくださいっ! ザウバーは、こういちを、あの戦うこういちを見ても尚倒したいと言う程の男です。 たしかに皆さんはこういちと拳を交えてます。 ですが、こういちが一度でも攻撃に転じたことがありましたか? そして今、[三獣神]に打って出ているあのこういちを見ても、あのこういちを倒す と闘志を燃やせますか?」 『 ・・・・ 』 ゆうすけ 「それだけ、かけ離れた戦闘力の持ち主なんです、このザウバーは・・・。」 ザウバー 「ゆうすけ、こういちが出るぞっ!」 こういち 「 うおぉぉぉぉぉっ! 」 放出した[気]を身にまとい、巨大な竜巻の中に身を潜める[青龍]を厳しい目でにらみ つけた。 こういち 「持って生まれた使命、これが通じるかそれともダメなのかで人類の行く末が決まる。 もう手加減は無しだ。 おいらの持てる力で全力で阻止する。 [青龍]よ、受けてみろ。 ( 身にまとう[気]に言い聞かせるように大きく両手を左右対称に回し、そして衝撃に耐 える為なのか、大きく前後に足を開き体重は前に出した左足荷重で膝を曲げる。 そして腰の右側に両手の平を広げたままセットした。 すると辺りの空気が歪みだし、身にまとう[気]がその両手に向かって集まり始める。 。、::。.::・'゜バチバチ。、::。.::・'゜ そして目もくらむ程の強力な青い光で輝き出したっ! そしてっ! ) いっけぇぇぇぇぇっ 南流 衝撃波 !! 」 <<<≡≡<<≡≡<≡ ズッ ボォォォォンっ !!! な、なんという[気砲]なのであろうかっ! もの凄い、そんな言葉では言い表せないほどのメガトン級の[気砲]が、こういちの身にまとう 強大な[気]に後押しされるかのように発射されたっ! その勢いは想像を絶する規模で、[青龍]が身にまとう巨大竜巻が起こす暴風をも突き抜け、 [青龍]に向かって一直線っ! 通過する一帯が歪んで屈曲しているっ! そして[衝撃波]は、[青龍]の周辺を取り巻く暴風の回転にかち合うように正面から僅かに 反れて突き抜けたっ! <<<≡≡<<≡≡<≡ ズッボォォォォンっ !!! ≡≡≡≡≡≡<< すると、[青龍]の身にまとう竜巻が、[衝撃波]により中間部分だけ無風状態となったっ! ゆうすけ 「うっっっっっ!」 ( 全身に力が入り、その様子を見つめるゆうすけ。 ) ザウバー 「うおぉぉっ、なんつぅ[気砲]をぶっ放ちやがるんだっ!」 眼をおっ広げ、驚愕するザウバーっ! 『 うわぁぁっ! 』 ( 総本山に居たもの全てがその光景に唖然としたっ! ) さらにこういちは、 こういち 「 食らえっ! 南流奥義 刃 空 投 剣 !! 」 スパっ スパっ ザウバー 「なにっ!」 ザウバーが凍りついたっ! こういちは無風状態となった空白の間に向かって、続けざまに空気の剣を打ち放ったのだっ たっ! そしてその刃は、無風状態となったところから進入し[青龍]の上半身と下半身、双方を切 り裂きそのまま突き抜けていったっ! KYiiiiiiiiii… ・・・・・ 一瞬で過ぎていった[刃空投剣]・・・・。 そこに残されていた青龍が遠吠えと共に動きが止まった・・・・。 辺りに取り巻いていた竜巻がピタっと止む。 [刃空投剣]を打ち放ったこういちは、片ひざで両手を横に広げた状態で止まっていた。 自ら発していた[気]も止んでいる。 一面の銀世界が一瞬で静寂してしまった。 ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ゆうすけ 「 ・・・・ 」 ザウバー 「 ・・・・ 」 クンナ 「 ・・・・ 」 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「 ・・・・ 」 『 ・・・・ 』 ( 総本山に居たもの全てが無言でその光景を見つめている。 ) 皆が見つめる先の[青龍]は、上半身と下半身から縦に一直線に一筋の線が走り始める。 その線から徐々に明るい閃光が放ち出され、 見る見るとその線を境に左右の身体がズレ始め た。 そして・・・ [青龍]の身体は、ダークグレーに変色し、ほとばしる閃光と共に、チリチリに崩れ始め、粉 のように下半身から地面の藻屑となっていったのだった。 (やっと到着かい) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月04日 16時04分13秒
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