カテゴリ:第三章 301 ~ 363 話
[竹林総元帥]黄龍道元帥 「フンっ! 」 ジリジリジリ [竹林総元帥]黄龍道元帥 「フンっ! 」 ジリジリジリ [竹林総元帥]黄龍道元帥 「フンっ! 」 ジリジリジリ 何十発食らったころだろうか・・・。 さしものこういちも、とうとう倒れたまま起き上がれなくなってしまった。 [神霊巫女]利江 ( こ・・う・・い・・ち・・君・・・・ ) 利江の目には、ドッと大粒の涙が溢れてきた。 タロ 『Choon……』 タロも察してか、悲しそうな声を上げた。 [竹林総元帥]黄龍道元帥 「やっとあの世へいったか。 ふっふっふっ。 これで邪魔者は居なくなった。 複数の[三獣神]を失ったが、今となってはそのくらいの犠牲も止む無し。 これより、我が願望を遂げる刻が来たっ!」 沈黙する総本山の面々・・・。 その中で、一人こだまする勝ち誇った声。 [近衛軍長 補佐]チーラン 「このくそおやじーーーっ! 娘殺して平気なのかーーーっ!」 聞く耳を持たない黄龍道元帥。 自分の願望が遂げられる喜びをかみ締め、そんな小声は耳に入らない様子。 なにより、口元が緩み、目が尋常ではない。 [竹林総元帥]黄龍道元帥 「わっはっはっはっ。 わぁっはっはっはっはっ 」 ゆうすけ 「く、くそう・・・こういちが・・・・」 人類の行く末が見え、絶望感で溢れている総本山。 皆、どんよりと元気が抜け落ちている。 それをあざ笑うかのように氷の世界にこだまする黄龍道元帥の高らかな笑い声が響き渡る。 ところが、それを一瞬で切り裂いた一人の声が、被せるようにこだました。 『 こういちっ! 寝てるとは何事です! 起きるのです! 』 [神霊巫女]利江 「誰・・・?」 ゆうすけ 「おぃ、だ、誰だ・・・? こういちを呼び捨てに・・・・。」 『 こういちっ! 起きなさい。 』 その声のする方に目を向ける利江。 そして驚いた! [神霊巫女]利江 「マーシャさんっ!」 [近衛軍長 補佐]チーラン 「マーシャがここに・・・?」 [竹林総元帥]黄龍道元帥 「こら、マーシャ。 ここへ何用だ・・・。」 そのマーシャ、黄龍道元帥をきつくにらむようにして、 [神霊巫女]マーシャ 「私は、最後の務めを全うしにやってきました。」 [竹林総元帥]黄龍道元帥 「最後の勤めだと・・・?」 [神霊巫女]マーシャ 「そうです。[神霊巫女]として、まだ残された勤めがございますゆえ。」 和恵姉さん 「あれは[神霊巫女]、利江ちゃんと同じ格好を・・・・ !? うそ・・・、 うそでしょっ、 マーシャを見つめる和恵の顔が、見る見ると変わっていった・・・・そして、 まさかっ、 母さんっ !! 」 [神霊巫女]利江 「なんですって !! お母様???」 [近衛軍長 補佐]チーラン 「はぁ~???」 ゆうすけ 「なんだって姉さん! あの女の人が・・・こういちの母さんだとっ!」 館長 「なんとっ! あれは大竹林寺の[神霊巫女]じゃ。」 ゆうすけ 「まちがいないんですか? [神霊巫女]って・・・。」 館長 「あの成り立ち、利江殿と同じ格好。歴代の館長録に記されておる通りじゃ。 間違いない。」 ゆうすけ 「母親は、こういちを生んですぐに行方をくらましたと聞く・・・。 あの[神霊巫女]が、こういちの母親だなんて・・・。 まさか、ここでこんな出会いになるとは・・・・ おぃ・・・するとこういちの身体には、[神霊巫女]の血も流れてるってことになる。 無論、姉さんにも・・・・。」 [神霊巫女]マーシャ 「和恵。 利江ちゃんの首に付けている[探神霊石]をこちらに持ってらっしゃい。 利江ちゃんも危険だから一緒に。」 なんともにこやかに、そして心優しいそれはまさに[母]そのものの笑顔。 まさか、和恵の見間違いではないのか? 本当ならば、久しぶりの和恵との再会となるはずも、挨拶も無く和恵に指示を出すマー シャ。 当の和恵すら、信じてよいものかどうかを疑っている・・・。 というより、突然目の前に母親が現れたことで、動揺しているのが本音のようだ。 和恵姉さん 「母さん・・・なの・・? 本当に母さんなの?」 [神霊巫女]利江 「あのマーシャさんが・・・こういち君とお姉さまのお母様・・・・???」 この利江だって同じようだ。 心が、中々現実に戻ってこない。 [近衛軍長 補佐]チーラン 「なぁ、どうする。 マーシャが利江の持つ[探神霊石]を持ってこいと・・・。 おい、利江、聞いてる?」 ~~~ ~~~ 利江の頭の中は、ここ大竹林寺に連れてこられてからの、マーシャの対応を思い出して いた。 そう、初めて対面した時も心温まる対応をしてくれた。 こういちのことは知らぬ存ぜ ぬで通していたものの、それ以外はなにか利江をいつもかばうようにしてくれていた・・・。 様々な局面を次々に思い起こしていたのだった。 ~~~ ~~~ [近衛軍長 補佐]チーラン 「・・・・なぁ、利江、聞いてる?」 [神霊巫女]利江 「あっ、はい、な、何・・・?」 [近衛軍長 補佐]チーラン 「何じゃない。 マーシャが[探神霊石]を持ってこいと・・・。カズエ殿に言うてる。」 [神霊巫女]利江 「[探神霊石]を・・・?」 和恵姉さん 「以前、父までぶつけてきたヤツらだ。 今度も何か・・・・。」 動揺しつつも、冷静に状況を伺う和恵。 [神霊巫女]利江 「マーシャさんのあの目、信用していいと思います。 それに、今回は、黄龍道元帥の意としている事ではなさそうですし。。。」 和恵姉さん 「そう言われれば・・・ 確かに、あれは優しき時の母の目だ。 ・・・よし。」 利江を ヒョイ と肩に乗せ、山の中腹にいるマーシャの元に走り出す和恵。 [神霊巫女]マーシャ 「黄龍道元帥。 今始めて私の秘密を明かします。 あなたも良くお聞きなさい。」 [竹林総元帥]黄龍道元帥 「何ぃ~、秘密だと・・・?」 (あら、知ってたの?) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月07日 11時45分51秒
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