カテゴリ:第三章 301 ~ 363 話
[神霊巫女]利江 「は、はい・・・。」 こういちの手から、再び自分の手にペンダントを受け取り、[石]と鎖を繋いでいた枠を外し、 [石]だけを右手の親指と人差し指ではさんだ。 そして左手で[探神霊石:源石球]を支えて[石]を持つ右手を近づけていく・・・。 [神霊巫女]利江 ( お願い、私の願いを叶えて。。。 ) 心でそうつぶやくと、利江は右手の指でもつ[石]を[探神霊石:源石球]の欠けているところ へと当てていった。 すると吸い込まれるように "ピタっ" とその形が一致し、合わさったその瞬間っ! ピカーーーーーー☆ [探神霊石:源石球]から青、黄色、赤、白と様々な光が飛び出し、そこはまさに天国に居るか のような居心地のいい空間と化した。 さらに目もくらむ程の輝きを発し見つめていられないほ どの眩しさだっ! 黄龍道 「な、何が起きている !? [探神霊石]が・・・」 そして総本山でも、 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「わぁ~、綺麗な輝き。。。」 リツコ 「す、凄い・・・」 ゆうすけ 「何が始まったんだ???」 みな、顔を腕で覆うようにその輝きから目を保護するよな姿勢。 少林拳 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「館長様、いったいこれは・・・?」 館長 「わしにも分らぬ・・・。」 そのほとんどの者が、目を何かで覆わなけばならない程の輝きの中、[神霊巫女]の利江と マーシャだけはひとつになった[探神霊石]をじっと見つめていた。 [神霊巫女]利江 ( 何かしら・・・? ) 利江の目には、数え切れない程の光のページェントの中心から、渦を巻きながらどんどんと こちらに近づく物体が見えていた。 [神霊巫女]の利江 「何かが飛び出してくるっ!」 そう利江が叫んだ瞬間っ! [探神霊石]は、ピタっとその発光が止まった・・・。 ~彡ぴょこ~ん 輝きが止まった[探神霊石]の中から、何かが突然飛び出してきた。 そしてその物体は、利江の前で止まった。 [神霊巫女]利江 「えっ、何、 人? ・・・お、お爺さん・・・・?」 目を真ん丸くして驚く利江に対し、マーシャは既に片ひざで頭を垂れている。 なんと、現れたのは一人の老人。 歳は90代、よれよれの布を身にまとい、顔はシワだらけ、髪は白髪で肩まで伸びている。 口ひげともみ上げがいっしょになって伸び、顎から30cm は垂れ下がっている。 木製で、取っ手が枝の切り株らしき形状を利用して『?』形をした杖を持ち、凍りついた 地面に"トン" とついて、両手をその杖の上に乗せて話しかけてきた。 白髪の老人 「お若い方々、何を驚いておるのじゃ。」 こういち 「そりゃ驚くさ、こんな演出でそんな玉っころの中から突然出てくれば・・・」 北方クンフー 李 チュンスク 「なんと、白髪の老人が現れたぞ・・・。」 ゆうすけ 「誰だ・・・? あの爺さん・・・。」 利江はまだ目をパチクリとしたままだ。 和恵姉さん 「こういち、誰なの・・・?」 こういち 「んとね・・・・わかんない・・・。」 カァーーーん★ ☆o☆(フライパンで) 和恵姉さん 「あんたね、見ず知らずの人との会話じゃないでしょ!」 こういち 「だって、以前に会った事あるもん・・・。」 この会話に、利江が『えっ !? 』という顔をした。 ゆうすけ 「まてよ・・・、あの爺さん・・・どこかで見たことが・・・・」 腕組みをして、顔を斜め下に傾けて考えるゆうすけ。 白髪の老人 「ほほぅ~、おぬしはこんな登場をしても気づいておったか。 感心、感心。 『お嬢さん、 あんた良い目をしていなさる。 こんな目をした娘さんは見たことがない。』 と、これでどうじゃな?」 [神霊巫女]利江 「あっ!」 ゆうすけ 「分ったっ!」 [神霊巫女]利江 / ゆうすけ 「バスの中で話した、 あの時の(ゆうすけは=)爺さんだっ!(利江は=)お爺様~♪」 白髪の老人 「思い出してくれたかのぉ。。。」 【第八十九話にて】 和恵姉さん 「あらら、やっぱ面識があるんだ。 って、知ってるのになんでわかんないのよっ!」 こういち 「だって名前聞いてなかったもん・・・ あの時、なんで 大少林寺総本山 のことを知っているのかなって思ったよ。 過去に出場したことのある人かなとも考えたけど・・・ でも別れ際おいらに、 『頼みましたぞ』 『じゃが、もう近いぞ』 と言っていた。 それってさ、[三獣神]に対する 陳南家 南流伝承者 へのお願いでしょ。 そして、[三獣神]の出現を暗示してるでしょ。 誰だろうって思わない訳ないよ。」 白髪の老人 「そうか、そんなことを口走っておったのか。。。 年寄りになると、あっちこっちが緩むでな。」 こういち 「あのときは・・・それを聞いても解る人はおいら以外に居ないからね。 堂々と話してたもん。」 白髪の老人 「まぁそうじゃがな。 それより、わしは正規に呼び出されてここにおる。 願いを聞き届けようかの。 ん・・・? なんじゃ、珍しいことに[神霊巫女]が二人揃っとるじゃないか。 それに、 陳南家 南流伝承者 も二人おるのかね。 なんとまぁ凄い世の中になったもんじゃわい。[三獣神]が複数表れても不思議で はないのぉ。」 和恵姉さん 「そ、そんなことも解るんですか・・・? 陳南家 南流伝承者 が二人・・・。 でも違います。 私は陳南家 南流を得手としてますが、伝承者ではありません・・・。」 白髪の老人 「ふぉふぉふぉ。 能力と器じゃよ。 お姉さん、お主も 陳南家 南流伝承者 そのものじゃ。 まだ名乗っとらんかったかのぉ、 わしは[願神霊人]と呼ばれとる。 [神霊巫女]を探したり、そして[探神霊石]と めぐり会わせる役目を負っておるのじゃよ。 そしての、 陳南家 南流伝承者 と[神霊巫女]のこの地における接点も作らねばならぬのじゃ。 [三獣神]が表れし時にじゃがな・・・。 すなわち、[神霊巫女]なのかどうか、そして 陳南家 南流伝承者 が誰かくらい、 見分けるのは造作もないこと。 語らずとも判る。」 [神霊巫女]利江 「それで・・・私達と出会った後すぐに[探神霊石]が私の手元に・・・?」 [願神霊人] ( 白髪の老人改め ) 「それが違うのじゃ。 このわしがこれからどのようにして[探神霊石]を手元に届くようにするかのぉ~と策を 練り始めたときには、既に首に掛けておったのじゃ。 それに、陳南家 南流伝承者 と[神霊巫女]のこの地における接点においても、お主ら、 二人は前世よりずっと昔から繰り返し出会う強い絆があるようでの、既に面識があるどこ ろではなかったわい。。。 楽ばかりさせてもらったよ。」 [神霊巫女]利江 ( こういち君と私が。。。強い絆。。。前世よりずっと前の昔から。。。 ) 和恵姉さん ( 私も・・・ 陳南家 南流伝承者 の力量、そして器・・・ ) [願神霊人]の言葉をぎゅっと噛み締め、思うところのある二人であった。 (ほぅ、あそこかいな。 まぁいい) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月07日 12時03分16秒
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