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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2013年11月05日
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全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ
  「おれはこいつとやる・・・。」

 そう言うと、ギロっと西艶 凌紀(さいえん りょうき)を睨みつけ、その視線の方向に身体の向
 きを変えた。

全拳武道団 東北の荒熊 大木竜平
  「ならばおれも・・・。 支部長と共に。」
シュナイケル
  「あらあら、ボクちゃんの相手が少なくなっちゃうのかぁ・・・。
   なら、ボクちゃんは昼寝でもしてるかなぁ~?」
スペック-3戦闘員 キジュロ
  「ジュリジュル、おれが相手してやる。 吼えヅラかくなよ・・・。」

 団長スナーグと、五色のマント男達は微動だにしない。
 この雰囲気を察知して、武道団員たちは徐々に中央付近から後ずさりしなから戦場から遠のい
 ていく。

武藤大介
  「なにやら怪しい雰囲気になってきもうした・・・。」
椿 勇姿
  「うむ、だがあの西艶 凌紀(さいえん りょうき)と名乗る男の実力も拝見出来る。」

シュナイケル
  「やだねぇ~、なんか構えちゃって。。。
   あぁ~固い固い・・・。 お膳立てなんて必要ないのよね。 なんかこう 『さら』
   っと行かないのかねぇ。」
スペック-3戦闘員 キジュロ
  「ジュリジュル、貴様は目障りだっ! 消えやがれっ!!」

 爬虫類の蛇のようなS字を描きながら、もの凄い速度でシュナイケルを目指すキジュロっ!
                                       シャーー

シュナイケル
  「はいはい、お望み通りに消えますよ♪」
                               VVV ズバっ☆ VVV
 キジュロの水平打ちのような打撃が空を切るっ!
           VVV ズバっ☆ VVV

シュナイケル
  「ワン・ストライク~♪」

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「このぉぉぉぉっ!」

  再び現れたシュナイケル目掛けて飛び掛るキジュロっ!
                               VVV ズバっ☆ VVV
 キジュロの伸びた爪が振り下ろされるが、再び空を切るっ!
           VVV ズバっ☆ VVV

シュナイケル
  「ツー・ストライク~♪」


  ~
    ~


 こちらでもゴングが鳴っていた。

全拳武道団 東北の荒熊 大木竜平
  「まずはおれからお見舞いしてやるぜぇぇぇぇっ!」

 西艶 凌紀(さいえん りょうき)に向かって走り出し、顔目掛けて拳を振りかざす大木っ!
 『せいやゃゃっ!』

 目を瞑っていた西艶 凌紀(さいえん りょうき)に、その拳がブチ当たらんとしたまさ
 にその時、 西艶 凌紀(さいえん りょうき)が手を前にかざしたっ!
                              グキっ

全拳武道団 東北の荒熊 大木竜平
  「ぐえぇぇぇっ!」

 突然、大きな四角い水の分厚い板が現れ、大木の拳がそれを打ち付けたからたまらない、
 拳が手首からぐにゃっと曲がり、続いて大きな悲鳴へと変わったのだった。

 西艶 凌紀(さいえん りょうき)
  「水というのは面白い特性を持っている。
   水面にそっと指を近づけて押し込むと、柔らかくそれを受け入れてくれる。
   だが、高い速度でぶつかる、たとえば50mの高さから水面に落下したとすると、その
   水面は、まるでコンクリートのような固さに感じる程、ぶつかる対象物を拒むものだ。

   あなたの拳の速度が高いと見えて、拒否されたようだ。」

全拳武道団 [本部] 武道団長 スナーグ
  ( ・・・・ )
[黒マント男]
  ( ・・・・ )

全拳武道団 東北の荒熊 大木竜平
  「や、やろぅ・・・・
   いつの間にこんな水の板を・・・」
    ( 両足で踏ん張り、血が滴り落ちる右手を左手で支えながら )

 西艶 凌紀(さいえん りょうき)
  「私は、水とは親友でな。 燃え盛る火を消すだけが水の能力ではない。
   ここにはその友達が豊富にあるため、私に力を貸してくれているようだ。」

全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ
  「何が友達だぁ~っ!」

 声を荒げ、大木の横をすり抜けて、水平チョップのように横にした手套を打ち込むゲルヴァ
 ンツっ!
                          ガシっ

全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ
  「うっ・・・」

 ゲルヴァンツの放った水平打ちが、 西艶 凌紀(さいえん りょうき)がかざした手の平の
 外側に出来た水の板、それにしっかりと受け止められてしまっていた。



  ~
    ~


シュナイケル
  「ツー・ストライク~♪」

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「くそ、ちょこまかと逃げ足の速いやつめ・・・。」
シュナイケル
  「あと一つでおたく、アウトよん♪
   そんじゃ、次は直球ど真ん中といきますかっ♪」
スペック-3戦闘員 キジュロ
  「何が直球ど真ん中だぁぁぁっ!  食らえぇぇぇっ!

 キジュロが渾身の蹴りをシュナイケルに見舞ったっ! だがその時っ!
 シュナイケルがキジュロの足元を指差した。 すると、
 突然地面から岩肌が隆起し、見る見るとキジュロを押し上げていったっ! そして、
 『ぐわぁぁぁっ!』
 キジュロの悲鳴と共に、ドン、ドン、ドン と振動が聴こえ、キジュロの身体がその

 度に小刻みに振動した。 そして隆起した岩がこつ然と姿を消した。

 すると浮き上がったキジュロの身体は、その後地面にたたき付けられたのだった。
                                   彡ドスン

シュナイケル
  「はい、三振。 ゲームセット☆
        ってか、わりぃ~わりぃ~、デッドボールで一塁だったかなぁ~?」

武道団員
  『キジュロ様っ!』

椿 勇姿
  ( な、なんなんだ、この男達は・・・ )

 驚きで声にならない椿。 武藤も同様であった。

全拳武道団 [本部] 武道団長 スナーグ
  ( ・・・・ )



  ~
    ~


全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ
  「たかが水、このおれ様が打ち破れぬはずがねぇっ!!」

  『おりゃ、 せいっ! とりゃゃっ!』
 ムキになって、パンチ、蹴りを食らわすゲルヴァンツだったが、次々と手をかざして水の壁
 を作られて、ことごとく防御されてしまう。
      バシバシっ★  ゴツっ  ゴゴンゴンゴンっ★

全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ
  「うぬぬぬ・・・こ、このおれ様の打撃をことごとく・・・」 ( 動きが止まる )
西艶 凌紀(さいえん りょうき)
  「水の[力]を侮って(あなどって)はいかん。
   ではこの辺りで、少し雰囲気を変えてみるとするか。」

 かざしていた右手を一度左に振ってから素早く右に動かした西艶 凌紀(さいえん りょう
 き)、すると、
               ズボっ

全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ
  「ぬぉぉぉぉぉぉ~~」
                 ~~~彡ドサ

 突如巨大な水の塊が、ビルを壊す鉄球の如くゲルヴァンツを真横から殴りつけ、身体ごと飛
 ばされてしまったっ!

武道団員
  『支部長っ!』

全拳武道団 [本部] 武道団長 スナーグ
  ( ・・・・ )

西艶 凌紀(さいえん りょうき)
  「水の質量的なその[力]は、ビルをも動かし、岩をも砕く。
   自己紹介はこのくらいで如何だろうか。」
シュナイケル
  「安心しな、あいさつ程度だ。 命までは奪ってねぇ~からよ。」

全拳武道団 大木竜平
  「く、くそぉ・・・・」


シュナイケル
  「まっ、彼女は探しても無駄さ。 お前らじゃ見つかりっこねぇからよ。
   じゃ、ボクちゃんは行くぜ。 ここでの目的は果たしたからよ。 じゃ~な♪」
            VVV ズバっ☆ VVV

全拳武道団 [本部] 武道団長 スナーグ
  「しかとお告げとやらをを聞いた。 総帥にご報告する。
   引き上げだ。」

 異様なマントをひるがえし、振り返り引き上げる団長スナーグ。 五色マントの男達と共に。
 武道団員達は、倒れたキジュロ、そしてゲルヴァンツを担いで去っていった。


その場に独りポツンと残った西艶 凌紀、

西艶 凌紀(さいえん りょうき)
  「シュナイケル・・と名乗っていたあの男・・・・。
   そして団長、この様を目の当たりにしても、顔色一つ変えないとは・・・
   さらに[お告げ]・・・無用な彼らにも伝わってしまったが・・・」

 今の出来事を思い浮かべていた西艶 凌紀(さいえん りょうき)、 とそこへ、


チーラン
  「お前、何者だ?」





                               -つづく-




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 (嘘おっしゃい)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月08日 14時10分37秒
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