カテゴリ:第四章 4-421 ~ 480 話
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西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「だが、ひとつ気掛かりなことがある。 陳南家に関わる・・・という点だ。 彼女達が関わるという部分、証明できるものを何かご提示できるだろうか。 あのツワモノどもを倒したというだけでは如何かと。 あなた方を信用して、話し終えた後ではあるが・・・。」 西艶 凌紀(さいえん りょうき)を除く全員が、和恵に注目した。 和恵姉さん 「そうね、 せっかく大事な秘密事項を明かしてくれたのだから、なんとかしましょう。 あなたの中で、どうすれば、または何を見れば陳南家関係者と確信が持てるのかし ら?」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「やはり、世界最強と謳われている事柄だろう。 何人(なんぴと)も敵わないとい うその実力。 関わる者であれば、その片鱗でも・・・と。」 和恵姉さん 「関わる者。 私も彼女たちに関わっているの。 私でもいいかしら・・・?」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「えぇ、関わる者・・・でしたら・・・。」 和恵姉さん 「承知したわ。 では、あなたが私の相手をして下さる?」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「あなたの !? ですか・・・?」 和恵姉さん 「そうよ、私。 関係者の関係者だけど。」 チーランとスウランは顔を見合わせて、そして口元がほんのりと緩んだ表情を見せる。 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「彼女達ではなく・・・で、よろしいのですか?」 和恵姉さん 「あなたが納得できるのであればね。」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「分りました・・・。 ではあなたを信用しない訳ではないが、最初は予告させて頂こう。 先程、彼らに使った水防術、こちらを発動させますのでそれを相手して下さい。」 和恵姉さん 「あら、つまらない・・・。 まっ、仕方ないか・・・。 では私も予告しておくわ。 裏拳を当てていくので、よ・ろ・し・く・♪」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「承知した。」 西艶 凌紀(さいえん りょうき)は、スタスタと少し広いスペースの中央へと足を運ぶ。 そして立ち止まり、足を少し前後に開き、手の平をモヤっと広げ、左右の腕を前後、上下 に位置するように構えた。 続いて和恵が同様に移動する。 チャイナの深く切れ込んだスリットからヒールを履いた生脚を横に出し、腕組みをして対 じするようにして距離を置いたところに止まった。 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「さぁ、いつでもどうぞ。」 和恵姉さん 「ダぁ~メ。 先に水の盾を出しといて頂戴。 でなきゃ、どこ狙っていいかわからないでしょ?」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「えっ・・・、 そうですか・・・。 で、では・・・」 シュワっ 右手の肘をたたみ、やや身体よりも外側、且つ顔の斜め下辺りに手の平を広げて移動し、 広げた手の平に水の盾を出現させた。 和恵姉さん 「まだダぁ~メ。 それじゃ一発じゃない・・・。 もう一方の手もよ。」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「は・・・、はぁ・・・。 で、では・・・ シュワっ この辺りでいかがでしょうか。」 和恵姉さん 「場所はどこでもいいわ。」 チーラン、スウラン、椿、武藤、そしてゆうすけが固唾を呑んで見守る。 和恵姉さん 「じゃ、行くわよ~♪」 サッ と、話し終えたトタンっ!! パシっ パシっ サッ 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「うっ・・・!! 」 サッ 水の盾はそのままに、西艶 凌紀(さいえん りょうき)の両手が勢い良く弾かれたっ! 無論、和恵の身体は既に西艶 凌紀(さいえん りょうき)の目前からは消え去っており、 更に元の立ち位置に移動し終えていた・・・。 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「は、速い・・・。 それに防御を破壊せず、手だけを弾くなんて !? 」 チーラン/スウラン 『カズエ、凄いっ♪』 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「な、何かが突き抜けた・・・? そんなばかな・・・。」 和恵姉さん 「ゆうすけ、今のは・・・?」 ゆうすけ 「エネルギー保存の法則です。」 あっけにとられた西艶 凌紀(さいえん りょうき)、まさにきつねに摘まれたという 表情だ。 和恵姉さん 「聞いたでしょ。 [気砲]でもないわよ。 ちゃんと裏拳当てたんだから。」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) ( は、速すぎる・・・。 これでは先に[水防術]を出しておかなければ間に合わない・・・。 この女(ひと)・・・、それで先に出せと・・・。 ) 武藤大介 「凄い・・・。」 スウラン 「さっすがカズエ やっるぅ~~~~♪」 チーラン 「見事だ・・・。」 和恵姉さん 「その防御、さっきのやつらに合わせた程度でしょ? 今度は私向けのを出してみてよ。」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) ( なにっ! ) 驚く西艶 凌紀。 椿 勇姿 「姉さん・・・。」 和恵姉さん 「そんな一般向けのオモチャじゃなく、ちゃんとしたのを出して防いでくれる? と言ったの。 陳南家の関係者向けのをね。。。」 一瞬にして顔色を変えた西艶 凌紀(さいえん りょうき)。 眼光するどく、半ば本気モードに切り替わった顔付きだ。 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「そうですか。 舐められてしまう訳にもいくまい。 次はこちらからも手を出させてもらう。 覚悟して頂こう。」 和恵がハッタリではなく相応の実力者と判断し、小手調べはもう不要とはかりに、かなり 真剣に和恵を睨む西艶 凌紀(さいえん りょうき) 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「痛い思いをしても恨まないで頂きたい。」 和恵姉さん 「御心配なく。。。」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「では参る。」 『 フンっ 』 ジャバジャバジャバ。。。 ここは湖畔、力を込めると同時にその湖の湖面の水がぶわっと突然隆起し、滝の如く西艶 凌紀(さいえん りょうき)の身の回りへと吸い寄せられるように次々と移動する。 ゴゴゴゴゴゴ・・・ そして身体から少し距離を置いたところに長く高く厚い渦を巻きながら、防御する 360度 の盾 というより、[壁] を作り始めたっ! ゴゴゴゴゴゴ・・・ 武藤大介 「なんと!」 椿 勇姿 「す、凄い・・・」 西艶 凌紀(さいえん りょうき)の周りを勢い良く回り続ける水の壁っ!遊水術を始めて見る二人、目の前の出来事に驚きと共に体が硬直していた。 続いて、その中で踊るように手を動かしながら、時折前に、前にと腕を伸ばす。 すると、回転する大渦から、直径3m程の水柱が直線的に和恵を襲うように放たれたのだ ったっ! ∠___ピシューー ∠___ピシューー 遠心力も重なり、強力で高い速度の水撃が和恵を襲うっ! ズッバァーーーン ズッバァーーーン 椿 勇姿 「よ、避けずに受けた !? 」 まともに和恵に打ち付ける水撃っ! ズッバァーーーン ズッバァーーーン チーラン 「さっきゲルヴァンツが飛ばされたとは比較にならない程の水撃っ!」 大渦の中の西艶 凌紀(さいえん りょうき)の踊るような手の動きが止まった。 水撃が止み、全員の視線が和恵が居た場所に注がれた。 誰もが弾き飛ばされたであろうと思うその場所には・・・、 両手を顔の前に掲げて手首をクロスさせ、外に向けた手の平で尖った面の壁を作り、水流を 左右に押しのけて立っていた和恵の姿が・・・。 ゆうすけ 「あの日の・・・、Ryuichi の[気砲]を受けたこういちと同じ受け流し方法だっ!」 勢いある水撃を綺麗に分散させたと見え、和恵はあまり濡れていない様子。 スウラン 「避けずに 受けた・・・。」 和恵姉さん 「まだ甘いわ。」 受けきった和恵、そうつぶやくと、うつむき加減だった顔を上げ、西艶 凌紀(さいえん り ょうき)を見つめた。 ゴゴゴゴゴゴ・・・ 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「やるな・・・。 速さだけ・・・ではないか・・・。」 和恵姉さん 「次はその甘ちゃんの防御ね。」 サっ すばやく移動した和恵、その先で見せたのはっ! 『ハァーーーーイっ!!』 -つづく- (ちょっと 期待したある) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 14時17分32秒
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