カテゴリ:第四章 4-421 ~ 480 話
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~~~ ~~~ ~~~ こちらは東京の西洋美術館。 館内の入り口が派手に崩壊している。 大勢の来館者が逃げ惑いその瓦礫から、そして他の 出口から溢れるように避難していた。 セルフィー 「用のない者はとっとと出てけっ!」 警備員が数人、近くで倒れている。 その一人の顔に足を乗せ、逃げる一般客に促すセル フィー。 外の門からは、警察車両も続々と到着していた。 ファン ファン ファン 止まった車両から、次々と出てきて車の陰に身を潜めて短銃を構えてと、俊敏に行動する警 察官。 続いて、自衛隊の装甲車両も列を連ねて到着し、警察車両を超え、最前列に車両を 止める。 セルフィー 「フン、大げさなことだな。」 警察官 [無駄な抵抗を止め、両手を挙げて投降しなさいっ!] ハンドマイク片手に呼びかける。 セルフィー 「お前らが何人束になっても無意味だ・・・。 さて、中は空になったかな・・・?」 人数もまばらとなった逃げ惑う最後尾付近。 最後であろう御老人が懸命な中にもゆっくり とした速度で瓦礫を抜け、警察・自衛隊の群れた方向に向かうのを見て、 さっ と中に入っていくセルフィー。 剣を持つ石像の前で足を止め見つめた後、再び駆け出していた。 装飾品、陶器、などには目をくれず、武器を展示する一つの大広間で再び足を止めた・・・。 辺りをグルっと見渡すセルフィー。 セルフィー 「どれ。」 右手を少し前に持ってきて、指先だけをささっと前後に揺する。 すると小さい竜巻が発生し、踊りながらガラスケースを次々に破壊していった。 ξゴォォォォ バリン バリバリン ガラスの破片が散乱する中に寝そべる剣を片手で次々と手に取っては投げ捨て、手に取っ ては投げ捨てを繰り返していた。 セルフィー 「これでもない・・・、これも違う・・・」 必至に物色するセルフィー。 そこへ、武装した機動隊員と、自衛隊員達がセルフィーのいる大広間の入り口付近を徐々に 取り囲み始めていた。 セルフィー 「こんな探し方では、埒(らち)が明(あ)かない・・・。」 手にした剣をその場にバサっ と落とした。 その時だった、 武装警官 『お前は完全に包囲されている!』 セルフィー 「ん・・・?」 ( 大広間の入り口に目をやるセルフィー。 ) 武装警官 『おとなしく、両手を挙げて出てこい!』 セルフィー 「たかが器物破損くらいだろ。 まだ何も盗んでない。 ゆっくりと探させろってんだ・・・。」 武装警官 『聴こえているだろ、早く出てこい!』 セルフィー 「 ・・・・ ( ここには無い・・・か。 ) 用は済んだ。 帰るぞ、そこをどけ。」 武装警官 『両手を挙げて投降しろ!』 セルフィー 「忠告はした。 退かないお前らが悪い・・・。」 そう言うと入り口方向に左腕を横に伸ばし、手首を数回横になびかせた。 シュシュっ するとっ! すると大広間の入り口付近に、高い天井まで届く程の大きな竜巻が発生し、ジュラルミンの 盾の後ろに屈んでいた武装警官たちを、次々と飲み込み始めた! グォォォォξ 『うわ~~っ!』 『ぬわ~~っ!』 宙を舞う武装警官たち。 横の壁に、天井に、そしてまた広場前の廊下の遠方に飛ばされて と、強く打ち付けられて血反吐を吐き、皆気を失って力なく廊下に転がった・・・。 彡ドサ 彡ドサドサ セルフィー 「このおれの忠告を無視するからだ・・・。」 辺りに散乱するジュラルミンの盾、ヘルメット、警棒、麻酔銃であろうライフル銃、そして 武装警官達の横たわるその横を、堂々と歩いて出てゆくセルフィー。 セルフィー 「次からは何か方法を考えねばならん・・・。」 ~ ~ ~ 外の入り口を大きく取り巻くようにして待機する自衛隊。 自衛隊小隊長 「中からの連絡はまだ無いのか・・・?」 伍長 「はい、まだ通信ありません。」 自衛隊小隊長 「・・・にしても遅い・・・。 第一報ぐらい入ってもよさそうなものだ・・・。」 その時! グォォォォξ 出口付近に突如竜巻が現れ、道を空けるように瓦礫を吹き飛ばしたっ! 自衛隊員 「やつですっ!」 続いて、ふてぶてしい面構えで姿を現すセルフィー。 ラフに肩まで伸びた少し赤毛に近い金髪をなびかせながら。 セルフィー 「おまえら、よほど暇と見える。」 自衛隊小隊長 「くそ、突入隊が連絡を取る間すら与えずか・・・・ ここは早く決着をつけなければ・・・。 麻酔銃 構えーーっ! 」 この掛け声に、伍長が無線で話しかける。 伍長 [麻酔狙撃隊、構え!] 草むらや、対岸のビルの屋上、パトカーの開けたドアとボディーの隙間からと、無線で指示 を受けた狙撃隊が、一斉に構えた! 自衛隊小隊長 「 打てーーっ! 」 伍長 [狙撃開始!] パシュ パシュ パシュ パシュ パシュ パシュ 各方面から、ライフルの発射音が始まった! セルフィー 「ふん、くだらん。」 ( セルフィーは右手で拳を作り、スッと胸に当てた ) すると、突如セルフィーの周りを巨大な竜巻が覆うように発生し、完全にその渦の中に身体 を隠し込んだのだ。 ライフルから正確に発射された銃弾を次々と弾き飛ばしたっ! チュン チュン チュン チュンチュン チュン 自衛隊小隊長 「なにっ!」 風の防壁に弾かれ、美術館の壁に弾け飛んだ! 伍長 「的に届きませんっ!」 セルフィー 「おまえら、死ぬか~?」 セルフィーは身体の回りに防御壁を作ったまま、左手の肘から先を胸元から前に連続で 振った! すると、美術館の屋上を遥かに越える高さの竜巻が二つ現われたっ! ξξ グォォォォ ξξ ξξ グォォォォ ξξ 踊るように辺りを走り回る二つの巨大な竜巻。 植えてあった植栽、植樹を根こそぎ上 空へといざなう。 そしてその場に居た自衛隊員、機動車両、パトカーとその場にある ものを次々と飲み込み、それをも上空へっ! ξξ グォォォォ ξξ ξξ グォォォォ ξξ 自衛隊小隊長 「退避しろーーっ!」 全員退避っ!」 伍長 「全員退避! 繰り返す、全員退避っ!」 ξξ グォォォォ ξξ ξξ グォォォォ ξξ 踊るようにうねりながら動き回り、容赦なく道路のアスファルと、庭先の土砂などを飲み 込む二つの竜巻っ! 小隊長と伍長は竜巻から距離があったため、飲み込まれはしなかったものの、暴風に後方 のビルの壁まで飛ばされて叩きつけられた! 辺りが一変し、掃除が片付いたとみるや、発生させた竜巻を収めるセルフィー。 zドスーーンzZ ガッシャーーン・・・ 上空に飛ばされた機動車両、パトカーなどが目の前の敷地に落ちてくる。 \ドカーーン/ そして燃料に引火して爆破する車両も。 セルフィー 「ふん、所詮こんな程度だ。」 ラフに肩まで伸びた少し赤毛に近い金髪をなびかせながら、ふてぶてしい面構えで口から こぼしたセルフィー。 と、そのとき! 上空から突然、チャイナのスリットをなびかせながら曲げた左足の太もも、そして伸ばし た右足姿勢で一直線に迫る物体がっ! リツコ 「ハーーイっ!」 \\ズコーン== セルフィー 「うぉっ!」 十数メートル飛ばされてしまうっ! =====彡ドサ 轟音と共に空自高速ジェットヘリが通過し、 リツコ 「リツコ、参上。」 -つづく- (これは位置エネルギーの大きさの話ね) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 14時21分49秒
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