カテゴリ:第四章 4-421 ~ 480 話
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セルフィー 「うぉっ!」 十数メートル飛ばされてしまうっ! =====彡ドサ 轟音と共に空自高速ジェットヘリが通過し、 リツコ 「リツコ、参上。」 片ひざで着地し、スリットから長く横に出した脚の姿勢で顔を上に上げながら。 そして、 リツコ ( く・・・、一足遅かったか・・・。 ) ちょっと残念そうに顔が歪んだ。 セルフィー 「く、くそ・・・・、上から来るとは・・・、油断したか・・・。」 上空のヘリから、 ゆうすけ [リツコさん、気をつけて下さいね。 飛び道具の無いリツコさんには大変不利な 相手です。] リツコ [うん、なんとか自衛隊の援護に回れる様に。] ゆうすけ [お願いします。 私は彼の近くでのヘリは危険なので、少し離れたところに着陸 してもらってから駆けつけます。] リツコ [了解。] 通信を終わると、スッと立ち上がるリツコ。 リツコ 「あなた、何しにここに来たの?」 口元から血を流しながらセルフィー、 セルフィー 「それはこっちのセリフだ・・・。」 ( 左手でそれをぬぐうようにして・・・。 ) ( こ、これがスペック-3の蹴りか・・・、くっ、こりゃ大分堪えるぜ・・・ ) アスファルトを削がれ、地面が露出した土の部分に倒れ、手を付き上半身を上げた状態で話 すセルフィー。 リツコ 「今の蹴り、これは位置エネルギーの大きさの話ね。 スペック・・・が関係するのは、 蹴り付ける衝撃に耐えるだけの蹴り足の踏ん張りが出来るかどうかだけでしょうけど。」 セルフィー 「理屈っぽい女だな・・・。 おい、スペック-3のお前だけか? 役者が足らないだろう・・・。」 胸を左手で押さえながら、ゆっくりと両足で踏ん張り立ち上がるセルフィー。 セルフィー 「このおれ様に、お前一人なんて相手にならん。 黙って帰りな・・・。」 リツコ 「そんな状態で良く言えるわね。 今なら私でも捕まえられるかもしれないわ。」 セルフィー 「ふん、ならやってみろよ・・・。」 リツコ 「そうさせてもらうわ。」 シュパーー 素早いリツコの動きっ! 言うが早く、セルフィーの目前に迫ったっ! とっ、セルフィーが左手を前に差し出し、握っていた拳をパッと開いたのだった。 すると、 ><ドン リツコ 「きゃっ・・・」 スタ。 突然何かに当たったかのように、行く手を阻まれて後ろに弾かれたっ! 地面に片手を付き、片ひざ姿勢にと素早く体制を整えたのだった。 リツコ ( 何・・・、今の・・・。 ) セルフィー 「悪いな。 竜巻を起こすだけがおれの手の内ではない。」 リツコ ( 見えなかった・・・。 [気砲]? 違うわ・・・、前から向かって来てない・・・。 ) 「くそ、今度こそっ! ハィヤーーーっ!」 左肘を曲げて前に突き出したまま突進するリツコ、今度は最初から肘を当てて向かって 行く! だが・・・、 ><ドン リツコ 「うっ・・・」 スタ。 再び何かに当たったかのように、行く手を阻まれて後ろに弾かれたっ! リツコ ( 私の肘打ちでも壊せない・・・。 ) セルフィー 「悪あがきはしないことだ。 無駄だと言ったはずだが。」 リツコ ( いつも同じ距離で・・・。 壁? 見えない壁・・・。 まるで西艶 凌紀(さいえん りょうき)の水防御のような・・・ 場所が一緒なら・・・。 ) 腰後ろに刺した剣の柄に右手を乗せ、 リツコ 「まだ試す余地は残されている。 ハァーーーーイっ! 」 三度(みたび)突撃するリツコっ! だか今回は、いつもぶち当たる距離まで来ると、勢いのある回し蹴りっ! 続いて手にかけ剣を抜き、素早く頭上に持っていくと両手で上段から振り 下ろしたっ! 『 ハァーーイっ とりゃーーーっ! 』 ズカっ チン ↓↓シュバっ そして前に出ずに後方へジャンプして構えた・・・。 リツコ ( 蹴りでも壊せていない・・・。 剣を振り抜いても切断した感触もない・・・。 下がる時に蹴り当てたが・・・・面、見えない壁そのままに・・・。 ) セルフィー 「何度も言わすな。 無駄だと言ったはずだ。」 指を開いた左手を前にかざしたまま話す。 額から冷や汗がジワリジワリとにじんでくるリツコ。 リツコ ( このままでは近づくことすら出来ない・・・ ) セルフィー 「策が尽きたか。 ではこちらからいかせてもらおう。」 セルフィーは、左手の肘から上を胸元から前に連続で振った! 再び巨大な竜巻を二つ出現させたっ! ξξ グォォォォ ξξ ξξ グォォォォ ξξ 踊るように辺りを走り回る巨大な二つの竜巻。 そしてくねりながらリツコに向かい始めたっ! 『くっ・・・』 シュパっ 竜巻から離れるようにその場から回避するリツコ! だが容赦なくリツコに襲い掛かる竜巻っ! 左右に分れ、不規則な動きでリツコを襲うっ! 『速度は速くないけど、あの暴風の先端に触れたら・・・・』 『くっ・・・』 シュパっ シュパっ 幾度も方向転換をし、回避を試みるリツコ。 シュパっ シュパっ だが不規則すぎるその動きに、一つを避けたその先に二つ目の渦が待ち構えていたっ! 『うわっ』 柄を手にかけ再び剣を抜き、和恵に注意を受けていた見えない[刃]にその剣を当てて回 避を試みる! チン チンチン チン リツコ 「見えない・・・こともない、かすかに光る所がある。 うっ、 フンっ!」 さすが峨眉拳の心得のあるリツコ、見事に、そして綺麗な剣さばきだっ! さっ彡 そして且つ、暴風域に踏み込まないようにと常に立ち位置も変えながら立ち回る! 隙を見て安全なところに回避するリツコ。 リツコ ( こ、このままでは避けるのが精一杯・・・。 やつを捕まえるなんて・・・。 ) だが、リツコの着用するチャイナ服は、数箇所に渡って切り刻まれており、その艶かし い姿を露呈していた。 セルフィー 「美しい女性のその姿。 痛めつけて楽しむという趣味はないが、悪くはない。 だが、もう一つ増やしてみたらどうなるかな。 それっ」 セルフィーは左手の肘から上を胸元から前に振った! 巨大な竜巻がさらにもう一つ出現したっ! ξ グォォォォ ξ ξξ グォォォォ ξξ ξξξ グォォォォ ξξξ リツコ 「なんとか回避しなければっ!」 シュパっ シュパっ シュパっ シュパっ 持ち前のスピードを駆使して、懸命に回避を試みるリツコ。 しかし、2つでも苦るしい状況であったのに、さらにもう一つとなると・・・・ リツコ 「くそ、か、囲まれたわっ!」 退路を断つように3つ目がリツコの後方に迫り、竜巻と竜巻の間は見えない剣の光がキラ キラ とフラッシュのように光り獲物を待ち構えていた。僅かな隙間を探すリツコ であったが・・・ リツコ ( ダメ・・・やられるっ! ) 心でそう叫んだ・・・。 次の瞬間っ! -つづく- (ほんと心配になってくるよ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 14時24分04秒
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