カテゴリ:第四章 4-421 ~ 480 話
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~~~ ~~~ ~~~ 武藤大介 「わしも合宿が終わり、その後こちらに合流したが・・・、 彼女達、まだ戻らんようじゃな・・・」 椿 勇姿 「レディーでもある。衣服の替えは必要だろ。 まぁ荷物を取りに戻ったとはいえ、 スウランも久しぶりにゆうすけ君達の元に会っているのだから、少しは遅れてく るのも踏まえてあげないと。」 魚沼 貴子 「別にいいでしょ~? 彼女達が居なくても。。。」 椿 勇姿 「いや、いざとなると彼女達の戦力は絶大だ。 不在の今、何か事が起きても私と 武藤君の二人では、いささか戦力が足りぬことになる。」 魚沼 貴子 「そうなんだ・・・。 彼女達、そんなに強いのか・・・。 そうは見えないのにな・・・。」 民宿の女将 「貴子~? ちょっとこっち手伝ってくれる~?」 魚沼 貴子 『はぁ~い、今いくわ~。』 「呼ばれちゃった。 ちょっと行ってくるわね。」 貴子は座敷テーブルに手を付いて立ち上がり、障子を開けて個室玄関から出て行く。 武藤大介 「なぁ、椿さん・・・。 昨日のあの連中、どう思うですか? なにやら異様な雰囲気、只ならぬ殺気、見たままのあの能力・・・。」 椿 勇姿 「私も同じことを考えていた所だよ・・・。 戦闘員の組織だけではなく、なんなのだあの二人は・・・。 お一人は和恵さん と歩調を合わせてくれるようだが、もう一人の・・・シュナイケルとか言うやつ。 利江ちゃんと共に行動しているようだが・・・。 あのスペック-3の野獣が、子供扱いにされていた。 そして現れた団長と、五色のマントの連中・・・。 スペックとも空気が違う・・・。 さらにここでは全拳武道団 [東北支部]も動き回っている。 到底我々二人ではどうにもならん。 無論、彼女達2人が合流しても、太刀打ちどころではないレベル・・・。」 武藤大介 「これから何が起きるのか、不安でならんですたい・・・。」 椿 勇姿 「我々は、中華皇国での出来事、ナンちゃん達の戦い様は知るところに無いが、リ ツコさんの話だと、その再現にならなければいいけど・・・と口にされていた。 何か・・・、全く未知の世界に引き込まれているようで、今こうしていても武者 震いではなく、恐怖心からくる不安の震えが込み上げてきそうだよ。」 武藤大介 「あれを見たゆうすけが、今後どう対応するのか・・・。」 椿 勇姿 「状況によっては、ナンちゃんがナンちゃんでいられなくなる事も有りうる・・・か。」 魚沼 貴子 「ナンちゃんがどうしたって~? はい、お夕食ですよ。」 大きなお盆に乗せ、仲居さんと二人で運ぶ貴子。 武藤大介 「有り難かぁ。。。 こんなに豪勢に。」 魚沼 貴子 「食材は高くないから安心して♪ 量を多めにしてあるだけだから。」 椿 勇姿 「いつもありがとう。 感謝しています。」 魚沼 貴子 「いいのよ、固いことは抜き。 さ、冷めないうちにどうぞ、召し上がれ。。。」 武藤大介 「うまそぉ~じゃ♪ 頂きますっ!」 椿 勇姿 「では私も御馳走になります。」 武藤大介 「おかわりっす!」 魚沼 貴子 「まぁ早い! 今よそるわね。」 武藤大介 「おかわりっす!」 普通のお茶碗では、まるでわんこそばでも食べるようにおかわり連射の武藤。 武藤大介 「おかわりっす!」 魚沼 貴子 「あらやだ~、武藤君には丼じゃないとダメね。 今持ってくるわ。」 椿 勇姿 「この茶碗だと、ほとんど一口でっ!」 武藤大介 「おかずが美味しいて美味しいて。。。」 ( パクパクパク。。。むしゃむしゃむしゃ。。。 ) 椿 勇姿 「す、凄い・・・・」 ( その食べっぷりに唖然とする椿・・・ ) 皿に並んだお刺身をふぐ刺しでも掴むようにいくつも箸ですくい上げ、醤油の入ったお皿 にそれを泳がせて、それから茶碗のご飯の上に乗せて、お箸一掻きで口の中へっ! お鍋にしても、鍋蓋を手に取り、それに載せてから口元まで運ぶそのダイナミックさっ! 魚沼 貴子 「ほど良い丼が無かったので、ラーメンの器にしたわ。 これでいかがかしら。。。」 武藤大介 「ごっつぁんですっ!」 ( なにしろ食べるのに夢中。。。 ) 魚沼 貴子 「それにしても見事な食べっぷりですこと。。。 見てて気持ちいいくらい。 料理長に話しておくわ。 きっとよろこぶと思うわよ♪ 椿さん、箸進めて下さいな・・・、無くなってしまうわよ・・・?」 椿 勇姿 「あ、あぁ・・・、い、頂きます・・・。」 そう言いつつも、目線は武藤の食べっぷりから離れない・・・。 ガツガツガツ パクパクパク むしゃむしゃむしゃ。。。 とそこへ・・・ ナンちゃん 「こんばんわ~♪」 玄関で声をかけるナンちゃん、 魚沼 貴子 「あっ! あの声はっ!」 物凄いスピードで玄関に向かう貴子。 民宿女将 「あら、南君じゃない。」 女将が玄関に出てきた。 そして小走りからブレーキを掛けて、廊下を滑ってくる貴子。 魚沼 貴子 「ナンちゃん、おかえり(なさ)・・・ きゃ~~~~っ! 」 続いて悲鳴に変わった。 民宿女将 「まぁ・・・。」 魚沼 貴子 「と、虎 !! 」 彡( 急に女将に抱きつく貴子 ) ナンちゃん 「タロって言うんだ。」 ナンちゃんの横でちゃんとお座りしていたタロ。 タロ 『Cooooo♪』 民宿女将 「あら、お利口さんなこと。」 魚沼 貴子 「白い・・・虎・・・?」 ナンちゃん 「よろしくね♪」 そこへ椿、そして口の中に食べ物を詰め込んだ武藤もやってきた。 椿 勇姿 「よう、ナンちゃん、お帰り。」 武藤大介 「んぐ#※△%&・・・・」 民宿女将 「武藤君、口の中が空になってからしゃべるようにして下さいね。」 ナンちゃん 「うん、通訳が必要だよ。。。」 椿 勇姿 「そのようだな。」 『あはははは。。。』 ~ ~ ~ 椿 勇姿 「そうか、タロの特訓でこちらにか。」 和室で和テーブルを囲み、だんらんしている。 部屋の片隅で体を横にしてくつろぐタロもいた。 ナンちゃん 「うん、タロはセンスいいよ。 ちゃんと理解して能力を使えるようになってきているもの。 元々自分より体格のデカイ相手にも果敢に闘争心剥き出しで望む姿勢があったしね。」 魚沼 貴子 「自分よりもデカイ相手にも・・・?」 ナンちゃん 「この子がまだ幼少のころ。 おいらが始めて逢った時に、立ち上がると3.5mくらい にもなる野生の熊と戦っていたの。」 武藤大介 「そりゃ初耳じゃの・・・。」 ナンちゃん 「その後利江ちゃんが介抱してあげたら、おいら達に懐いちゃって。 自然界に戻そうとしたけど・・・おいら達に付いてきちゃったの。 それからの付き 合いさ。」 魚沼 貴子 「この地に虎なんていないから、最初はそりゃビックリよ・・・。 でも、とてもお利口さんなんだ♪ これじゃペットというより、一匹の仲間って感じね。」 椿 勇姿 「そうだな。 完全に我らの一員だよ。」 タロ 『Coooo~♪』 魚沼 貴子 「あら、お返事も偉いじゃない。 なんか可愛くみえてきたわ。 ん・・・? なにこの首に付けているの・・・。 S.F.Forces って・・・?」 椿 勇姿 「そ、それは・・・えっと・・・確か、 ストイックな・・・、フレンドチックな・・・、戦士みたいな・・・。 保健所・・・というか、国が特別に人間と生活することを許可してくれた[印]な んだよ。」 魚沼 貴子 「まぁ確かにストイックなフレンドリーよね・・。 よく許可が出たものだわ。 えっ? 戦士・・・?」 ナンちゃん 「そ、救助犬みたいな感じ。 人助けで現場で戦ってくれるの♪」 魚沼 貴子 「すっごぉ~い♪ 人助けするんだ! それじゃぁ許可が出る訳よね♪」 椿 勇姿 ( す、凄いこじつけだ・・・、さすがゆうすけ君、ぬかりが無い・・・か。 ) 魚沼 貴子 「凄いフレンドリーさんを連れているのねナンちゃんは。。。」 正座のまま、両手でよいしょ、よいしょとナンちゃんに近づく貴子。 そして横に来ると、ナンちゃんに腕を回して顔を肩に乗せようとした、そのとき、 タロ 『 Garuuuuu… 』 タロが体を横にして寝そべったまま貴子を睨みつけ、軽く唸ったのだ。 魚沼 貴子 「やだっ、怒ってるの・・・?」 椿 勇姿 「そのようだ。 利江ちゃんの代理で監視しているんじゃないのかな?」 魚沼 貴子 「もう、分ったわよ・・・。 せっかくあのうるさい娘(こ)が居ないと思ったのに・・・。」 武藤大介 「こりゃ、最高の監視係りですわい。」 魚沼 貴子 「なによっ・・・。 可愛くないんだからっ!」 タロ 『 Garuuuuuっ!』 魚沼 貴子 「ひゃーーっ!」 椿 勇姿 「たしかに、この上無い監視係りのようだ。。。」 『あははははは。。。』 ~~~ ~~~ ~~~ -つづく- (かしこまってそうろう) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 16時12分31秒
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