カテゴリ:第四章 4-421 ~ 480 話
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~~~ ~~~ ~~~ 扉の外から、近衛兵が入ってきた。 [近衛軍副長]トンコウ 「元帥、只今報告が入りました。」 [竹林総元帥]チュウラン 「申せ。」 [近衛軍副長]トンコウ 「は、全拳武道団 武道団長 が再び動いたようにございます。」 [竹林総元帥]チュウラン 「あい分かった。 シュナイケルよ、チョウ・ギョッキ、テイ・チョンミンを連れて向か ってくれ。」 シュナイケル 「はいはい、仰せの通りに。」 [神霊巫女]利江 「待って。 私も連れて行って下さい。」 [竹林総元帥]チュウラン 「利江、それはダメだ。」 [神霊巫女]利江 「こういち君に・・・逢いたいの・・・。」 [竹林総元帥]チュウラン 「今は前にも言ったように自重せよ・・・。 気持ちは分る。 だが、各方面の部隊が利江、あなたを探している。 今は大事な時。 彼らの目先を利江殿に向けさせた策ゆえ、今、利江殿が捕まるようなことがあっては ならぬのだ。 仮に掴まったとしても、利江殿は何も知らん。 でもやつらは、強引に口を割ろうと するであろう。 利江殿が知らない事を悟れば、用の無い利江殿は殺され、告知したブツを手当たり次 第に探し出し、この世は混乱する。 今は自重されよ・・・。 すぐにまた会える。」 [神霊巫女]利江 「・・・は、はい・・・。 前回もそれが約束でしたものね・・・。」 シュナイケル 「そのこういちってやつをぼくちゃんがここに連れてこようか~?」 [竹林総元帥]チュウラン 「それもダメだ。 ここの関係者とお前以外、利江がここにいることを知られてはまず い。 今は、たとえこういちであっても・・・。」 シュナイケル 「へいへい、分りました。」 [神霊巫女]利江 「ありがとう、シュナイケルさん。 私、辛抱します。」 [竹林総元帥]チュウラン 「トンコウ、ギョッキとチョンミンを連れて参れ。」 [近衛軍副長]トンコウ 「ハハっ!」 [竹林総元帥]チュウラン 「ではシュナイケル、二人と共に行ってくれっ!」 シュナイケル 「かしこまってそうろう。」 VVV ズバっ☆ VVV [神霊巫女]利江 「ねぇ、チュウランさん・・・」 [竹林総元帥]チュウラン 「どうした・・・?」 [神霊巫女]利江 「なぜ・・・、何故 全拳武道団 武道団長の動きに注目しているんですか?」 [竹林総元帥]チュウラン 「うむ、その者が引き連れている5人のマント達、この者達を含めて活目しておるの だ。 軍長達の血、その感覚が只ならぬ[気]を感じると報告があってな。」 [神霊巫女]利江 「只ならぬ[気]・・・」 ~~~ ~~~ ~~~ ゆうすけ [なんですって !? やつらがまた福の島に出向くって?] 和恵姉さん [そうなのよ、こっちは引きずり回されて大変だわ・・・。] ゆうすけ [分りました、あっちにはナンちゃんも合流したはずです。 姉さんは団長から目を離 さないようにお願いします。] ピっ チーラン 「またあそこか・・・。」 ゆうすけ 「うん、なんでまた福の島に向かうんだろう・・・。 この間も、利江ちゃんの告知を知っていたかのようにそこに現れ、聞いたら引き上げ ていた。 他の用事で出向いていて、たまたまその告知をする場に直面した感じじゃ なかったし・・・。 まさにそれだけの用事で出向いているみたいだ・・・。」 スウラン 「預言者か予知能力 持ってるあるか?」 ゆうすけ 「そうとしか思えないほどのピンポイントな動き・・・。 前例をそう仮定したとすると、今度も何かのピンポイントで出向くことになる。」 リツコ 「彼の動きが、毎度ピンポイントとは限らないと思うけど。」 ゆうすけ 「その通りです。 でもこんな時間にですよ? 急ぎでなければ翌日だっていいのに。」 チーラン 「うん、不自然。」 ゆうすけ 「つまり、今日、この時間じゃなきゃならい事があるってことです。」 スウラン 「我らも向かうあるか?」 ゆうすけ 「残念ながら無理だ。 車は姉さんが使っているしそれに、全員で出向くこともない。 何よりナンちゃんと姉さんがいるんだから。」 チーラン 「つまんない・・・。」 ゆうすけ 「それに・・・、こういちをナンちゃんと隠す理由が薄れてきた気がする。 スペック戦闘員らの総帥に分らないように…がその始まり。 でも、事はもっと大き い渦でうごめいていて、もう全拳武道団、スペック戦闘員だけを見ての行動は・・・ 違う、そう思える・・・。」 チーラン 「じぁ、こういち、解禁か?」 ゆうすけ 「必要となったら・・・かもな・・・。」 ~ ~ ~ 数時間後、道端の電柱に取り付けられた外灯。 その周りを夜光虫たちが集まり にぎやか になっているその下を、次々と渡り走るチーランとスウランの姿があった。 『はっ、はっ、はっ、、、』 見事なランニングぶり。 その快走する姿は、やはり只者ではない。 こうした地道な努力で体力を保持、そして増強している姿は、武道家を初めとする格闘家 達の鏡である。 その進行方向の道端に、一人の男がひざまずいて二人を待っているかのようにじっとして いた。 最初に気づいたのは、 チーラン 「ん !? 何ヤツ!」 手を広げ、スウランを抑制するチーラン。 足を止めた二人。 スウラン 「あっ・・・。」 二人の目に止まり、頭を垂れて口を開いたその男、 ??? 「お久しゅうございます、[近衛軍長]チーラン殿、[近衛軍長 補佐]スウラン殿。」 チーラン 「お前は・・・。」 ( それとなく覗き込む姿勢で ) スウラン 「だいちゃん♪」 [空軍長]大 空飛(だい こうひ)/???(改め) 「はい、空軍所属の 大 にございます。 今は殿の後目を継ぎ、[空軍長]の 地位を預かっております。 空の毒クモ なる名も拝受させて頂いております。」 スウラン 「軍長 なったか。」 [近衛軍長]チーラン 「そうか。 これからよろしく頼むぞ。」 [近衛軍長 補佐]スウラン 「役職を得たのであれば・・・、 [空軍長]大、ここへは?」 [空軍長]大 空飛(だい こうひ) 「元帥の命により、こちらの偵察に参っております。[月光軍長]ウルフ の情報によ り、これより[近衛軍長]、[近衛軍長 補佐]を福の島までお連れするためにはせ 参じた次第です。」 [近衛軍長]チーラン 「福の島にか・・・。 丁度よい、頼む。」 [近衛軍長 補佐]スウラン 「荷物は・・・。」 [近衛軍長]チーラン 「別の者に運ばせればよい。」 [近衛軍長 補佐]スウラン 「うん。」 大 空飛(だい こうひ)が片手を上げると、4人の空軍兵達が舞い降りてきた。 [空軍長]大 空飛(だい こうひ) 「荷物はこの者2名に運ばせます。 お二人はこちらの者に。」 片ひざをついた2名にまたがるチーランとスウラン。 [近衛軍長]チーラン 「よし、行くぞ。」 [近衛軍長 補佐]スウラン 「ゆけ。」 ~~~ ~~~ ~~~ 全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ 「この山を徹底的に探し出せっ!」 全拳武道団 東北の荒熊 大木竜平 「他に手柄を渡すな、この地で見つけてみせようぞっ!」 『おぉっ!』 月明かりが煌々と辺りを照らし、虫のささやきがあちらこちらで聞ける深夜、 突如 気勢を上げる[東北支部]の面々。 全拳武道団 東北の荒熊 大木竜平 「一つ一つの山をしらみつぶしに探すぞっ! 今日はこの山から。」 全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ 「この月明かりで [白く光るモノ] を徹底的に探し出せっ!」 どうやら利江の捜索・・・ではなく、告知された [光るモノ] を探し出すという、 ローラー作戦に出たもよう。 多くの光があらゆる物に反射する日中ではなく適度な 光量の月明かり、反射するにせよ、自ら発光するにせよ、探し頃の時間とみたようだ。 数十人が 2m ずつ間隔を空けながら横一線に並び、名々が両手の届く範囲を、くまな くしらみつぶしに探し始めた。 ~ ~ ~ 数十分後、手元に集まるのは、 武道団員 「空き缶・・・。」 「ペットボトルだ・・・。」 「壊れたサングラス・・・」 時たま、 武道団員 「キーホルダーかよ・・・。」 「おっ、サイフ見っけ。」 これらが、後方から来る回収係りに次々と手渡される。 武道団員 「袋がいっぱいになりました。 新しい袋の用意を。」 パンパンに膨れたピニール袋を手にした者が後方に下がっていき、新たな袋持ちが最後 方に立った。 全拳武道団 東北の荒熊 大木竜平 「くそ・・・、これじゃまるでボランティアのクリーン活動だぜ・・・。」 全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ 「そんなもんだろう。 砂漠の砂の中の一粒のダイヤを探そうってんだからな。」 全拳武道団 東北の荒熊 大木竜平 「た、確かに・・・。」 突然、 武道団員 「ギャーーーっ!」 -つづく- (おぇぇぇ~ リバース) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 16時14分28秒
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