カテゴリ:第四章 4-421 ~ 480 話
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チーラン ( この蹴りはスペック-1、異人と同じ威力・・・。 くそ、それも3匹が相手とは・・・やはり前に遭遇したやつらの仲間か・・・ ) かたくなに目を瞑り、五感を頼りに様子を伺う。 その時っ! [空軍兵]淘汰(とうた) 「[近衛軍長]殿っ!」 目をバッチリと開けたチーラン、 上空より助っ人に入った[空軍兵]淘汰、手にはどこかで拾ったポリバケツ二つをぶら下げ、 急降下に続き、 バッシャ~ン バッシャ~ン と辺りに水を撒いたのであった! アスファルトが水浸しになり、そして・・・撒いた水が、透明な生き物の体にまとわりつき、 その薄い水膜により太陽光がプリズムのように反射して、部分的に生物の体の表面を形取っ ていたのであった。 チーラン 「よしっ」 両腕を挙げ水から顔を守るような姿で、目の前に迫っていた一匹を目掛け、 チーラン 「ハーーイっ! ハイハイハイハイハイ! ハイヤーーっ!」 相手のアゴがあると思われる場所に、下からの手套、続けて拳、肘、拳と左右からの連打を 溝打ちに! そして最後は、左足によるハイキックを炸裂させたっ! ガツン★ バシドスバシズゴドス★ ズゴーーーン★ 地面に散乱する水が、物が落ちて引きずられるように動いた。 チーラン 「あと二匹っ!」 と声を出し、ビシっと構えた時だった。 アスファルトの水交じりの泥が、遠ざかる2つずつの足跡を描いていったのだった。 薄っすらと容姿が見える2匹の姿と共に・・・・。 それを見て、肩の力を抜くチーラン。 横に舞い降りてきた[空軍兵]淘汰、 バサン、バサン、バサン [空軍兵]淘汰 「[近衛軍長]殿、お怪我は・・・。」 チーラン 「安ずるな、大したことはない。 お陰で助かった・・・。」 [空軍兵]淘汰 「いえ、御無事でなにより。」 チーラン 「そのバケツ・・・・、お前どこから・・・・」 [空軍兵]淘汰 「あそこにあります[保育園]なる施設より借用させて頂きました。」 淘汰が指差す先には保育園があり、園児、保母さんらが震えながらこちらを見つめていた。」 チーラン 「そっか。 急な事であったし・・・。 だが見よ。 お前を見てなのか、透明な生物の性でか分らぬが、皆あぁして震えておる。 礼を兼ねて挨拶に行かねば・・・。」 立ち上がったチーラン。 歩先はその保育園を目指した。 ~ ~ ~ ゆうすけ 「変だな・・・、空を行くチーランの方が先に到着しているはずなのに・・・・」 リツコ 「迷子にでもなっているのかしら・・・。」 既に事情を聞き終えた地元警察署の玄関の石階段、そこの隅に腰掛けて途方に暮れていた二人。 そこへ一人の警察官が話かけてきた。 警察官 「北見君。」 振り返って見るゆうすけ。 ゆうすけ 「あぁ、先程はありがとうございました。」 警察官 山下 「今、署の方に連絡が入って、また事件が起きたようだ。」 リツコ 「なんですって!」 ( ゆうすけと共に立ち上がる ) 警察官 山下 「目撃者の話では、何者かに突然人々が襲われたと。 その後 空を飛ぶ二人組に助けられ、その二人組は今こちら方面に向かって 飛行している・・・と・・・」 バサン、バサン、バサン 話す山下巡査の横に着地したその空飛ぶ二人。。。 警察官 山下 「うわっ!」 チーラン 「わりわり、ちと遅れてしまったな。」 ピョン 彡スタ ゆうすけ 「お巡りさん、その話にあった空飛ぶ二人組です。」 警察官 山下 「あ、あぁ・・・。」 リツコ 「どうしたの・・・? そんなにビショビショに濡れて・・・。」 チーラン 「水も滴るいい女になったか?」 ゆうすけ 「スウランならね (^_-)-☆ 」 チーラン 「てっめぇーー! ゆうすけ、たまにはチーラン褒めろよ。」 ( 拳をフェイントで振り上げる ) リツコ 「それで・・・どうしたの?」 [空軍兵]淘汰(とうた) 「はっ、姿の見えぬ生物に町の人達が追われておりましたところ、[近衛軍長]殿が お助け申し上げました。 その際、相手の位置が少しでも分るようにと私めが散水 致しましてこのお姿に。」 ゆうすけ 「なるほど、水を撒いたのか。。。」 リツコ 「風邪引かないように・・・着替える・・・?」 チーラン 「よい、着替えなど。 それにこの程度で風邪を引くほど軟弱ではないっ! ・・・・あ、すまぬ、また口調が・・・」 ( ポカっ☆ ) 何故か淘汰を殴るチーラン。 [空軍兵]淘汰(とうた) 「も、申し訳けございません。」 チーラン 「お前が謝ってどうする! それはわれの発する言葉じゃっ!」 リツコ 「チーラン、お巡りさんも困っておいでですよ。」 チーラン 「あ・・・、すまぬ・・・ではなく・・・・ゴメン・・・。」 警察官 山下 「そ、それより、中で事情を聴かせてください。」 ゆうすけ 「そうだね、チーラン、[空軍兵]さん、中へ。」 [空軍兵]淘汰(とうた) 「淘汰(とうた)とお呼び下さい。」 ゆうすけ 「うん、じゃ淘汰。」 チーランが階段を登りながら、首を縦てに振ったのを見て、 [空軍兵]淘汰(とうた) 「かしこまりました。」 ( 立ち上がり、チーランの後に続く ) ~ ~ ~ ナンちゃん 「タロ、あそこ。 大勢の[気]が集合している。 わかるかい?」 タロは真剣な眼差しで、ナンちゃんの言う方向に神経を尖らせて集中して何かを感じようとし ている。 時折、耳をクル、クルと左右に動かしながら・・・。 そして目線も舐めるように ゆっくりと右から左へと動いていた。 そして横でしゃがむナンちゃんの目を見つめた。 ナンちゃん 「よし。 このままここで様子を伺おう。 西艶さんはまだのようだ・・・。 ここが分るかな?」 ~~~ ~~~ ~~~ [透明生物] 「ミカール様、出撃の儀式の準備、整いましてございます。」 [透明生物]ミカール / [透明生物]???(改め) 「よし、では皆の者、出撃の宴だっ!」 『おぉぉっ!』 集結した全員が、とあるお寺の敷地の隅にある石像をズラし、現れた階段を使い、ぞろぞろと 地下へと下りていったのだった。 ~ ナンちゃん 「ふぅ~ん。 あそこがアジトなのかな。 にしても随分と多いな・・・。 この人数で街中で悪さされたら、とても収拾がつかない・・・。 どうしたものかな・・・。」 ~~~ ~~~ ~~~ チーラン 「そうなんだ・・・。 普通のひったくり、強盗のたぐいだけ・・・か・・・。」 ゆうすけ 「それもここ最近。 昔にさかのぼるほど古くはないんだ。」 警察官 山下 「先程の通報の件ですが、人に危害を加えるというのは初めてのケースです。」 ゆうすけ 「チーラン、その時の状況を。」 チーラン 「人々が、波状に逃げてた。 親子が転んで倒れたのでそこに降りた。 その親子曰く、 『人が血まみれに・・・。 そして周囲の人達も次々と・・・』と言うてた。 その後・・・姿の見えぬモノに襲われた・・・。 そこにはおそらく、3匹居た。 そのうちの一匹を倒したが、あとは逃げられた。」 [空軍兵]淘汰(とうた) 「[近衛軍長]殿でなければ遣られておりました。」 チーラン 「われのことはよい。 それにわれ以外にも立ち回れる者はまだまだおる。 このリツコもその一人だ。」 警察官 山下 「今、現場の見聞に行っております。 このお話も報告しておきますね。 しかし見えない生物とは・・・・。」 ゆうすけ 「警察としたら、その対策を立てることが必修です。 水性のスプレーとかを携帯する ことをお奨めします。」 警察官 山下 「すぐに手配します。」 ゆうすけ 「着色弾も平行して準備を。 スプレーでは近くのモノにしか届きませんから。」 チーラン 「それと・・・、やつら異人の能力を身につけている。」 ゆうすけ 「そうだ、それも話しておかないと・・・」 ~ ~ ~ -つづく- (御謙遜を。。。) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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