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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2014年09月29日
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ナンちゃん
  「まだ遠いけど・・・。」

 二人は、夕方の燕市内を、姉弟のような雰囲気で散策していた。
 夜のネオン街・・・とはいかないが、ちらほらと夜の営業を始めるスナック系の看板の明かり
 が灯り始めている。 人通りは目立った多さではない。 出先から勤務先に戻る営業マンの姿
 、大日本屈指の金物・刃物町、工場から帰路に着く職人さん達の姿、遊びから自宅に帰る子供
 たちの姿が見てとれる。

 目の前を自転車に乗ったお巡りさんが、ゆっくりと通り過ぎていく。

リツコ
  「この人達は、何も知らないのよね・・・。」
ナンちゃん
  「普段通り・・・かな。」
リツコ
  「地元のニュースでチーランが出くわした一件が流れれば、それで知るってこと。」
ナンちゃん
  「まぁ、流さないよね。」
リツコ
  「見えないんですもの・・・、変に不安だけをあおると、街中混乱・・・するからか。」
ナンちゃん
  「うん。 ただ、けが人が出たのだから通り魔事件としてなら取り上げるかもしれないね。」
リツコ
  「世の中って難しいのね・・・。 有りのまま・・・伝えて良い時と悪い時がある。
   真実が正しく伝わらないなんて・・・。」

ナンちゃん
  「あっ。。。♪」

リツコ
  「どうしたの?」
ナンちゃん
  「あの市役所の裏側に、やつらがいる。一人で行動してるよ。 好都合♪」
リツコ
  「 (視線の先のカンバンを見て)『市役所駐車場 300m 先 右折』 か・・・。
   約400m として、私にはまだ何も感じないわ・・・。」
ナンちゃん
  「手を繋いで~♪ おいらが誘導するから、リツコさんは[気]を拾うことだけに集中して
   てね。」

リツコ
  「分ったわ。」

ナンちゃん
  「基本はスペック-1と同じだから。。。」

 リツコの左手を握り、反対車線に移動するナンちゃん。
 建物側にリツコを車道側に自分が立つようにして、半歩ナンちゃんが前に出た状態でリード
 して歩く。

ナンちゃん
  「ん、曲がったな。 おいら達もここを曲がろう。 平行しているから距離は変わらない。
   少し急いで先回りぎみに行くよ。」

 手を繋いだまま、小走りに進む二人。 なんとリツコは目を閉じていた。
 ナンちゃんの手の平、握るその向きなどで判断しているようだ。 [気]を拾うのに集中する
 リツコ。

ナンちゃん
  「ここを曲がるね。 これで少し先回りするようになったから、ヤツの方がこっちに徐々に
   近づくようになる。」
リツコ
  「了解。」

 そして普通に歩く速度に落とした後、交差点より少し手前で止まったナンちゃん。
 握った手を離し、

ナンちゃん
  「この先の交差点を、左から差し掛かるように向かっている。」

 リツコは電柱に寄りかかりながら再び目を瞑り、[気]を探るべく集中し始める。
 ナンちゃんは、他の見えない連中がいないかチェックしていた。

 辺りはもう薄暗い・・・。
 空が赤く焼けたなごりを見せており、反対側のビルの窓ガラスに沈みかけた夕日が写っていた。
 交差点を通過する車。 その夕闇の大空をこうもりが羽ばたいて舞っていた。

 ほどなくして、リツコがやや首をかしげるようにして、

リツコ
  「これね・・・。 スペック-1に似ている・・・・
                                けど、なにか違う・・・
   なんかこう・・・・もやっとしたというか、 尖った[気]ではなく・・・・」
ナンちゃん
  「早いね。 そう、ちょっと違うの・・・。」
リツコ
  「うん、一つね。 動いているのは。」
ナンちゃん
  「すれ違ってみようか。 一芝居打つから付き合ってね。。。」
リツコ
  「芝居って・・・」

 ナンちゃんは再びリツコの手を握って引っ張るように進みだした。
 交差点を左に曲がり、

ナンちゃん
  「姉ちゃ~ん、母ちゃんに内緒であれ買ってよぉーっ!」 ( リツコを見てウインクする )
リツコ
  「ダ、、、ダメでしょ! あれは試験に合格してからって・・・約束守らなきゃ!」
ナンちゃん
  ( えぇっ… !?  し、試験・・・)
  「だって・・・早く欲しいんだよ・・・
                 今買わなきゃ、売り切れちゃうってば・・・」(どだっ)
リツコ
  ( う、売り切れるときたか・・・ )
  「でも約束したんでしょ? 男なら約束は守るっ!」 ( キッパリ )
ナンちゃん
  ( 男ときたか・・・ )
  「じぁさぁ、姉ちゃんが今のうちに買っておいてよ・・・ 手にするのは合格してからで
   いいから。」
リツコ
  「ん~~~~。」  ( と考えるふりをするリツコ )

 その時、見えない動くモノは、二人の脇の道路側をすれ違うところだった。
 リツコは見えないふりをして違う方を見ながら考えている。 そしてその見えない動くモノが
 通過した後、目でそれを追っていた。

 振り返りながら、

リツコ
  ( 本当にまったく見えないのね・・・。 )
  「仕方ないわね・・・。 売り切れてしまってからでは遅いから・・・。」
ナンちゃん
  「やったぁ~☆  ぢゃ、買いにいこう~~っ♪」

 急に向きを変え、走り出したナンちゃんっ!  そして    ドンっ

ナンちゃん
  「いってぇーーーっ!」  ( 何かに当たって、転んでたりした )
リツコ
  「何やってるのっ!」

 転んだナンちゃんに慌てて駆け寄るリツコ。 駆け寄ったその勢いのまま、   ドンっ

リツコ
  「きゃっ!」   ( 実は体当たりだったりする )

 すると、反対車線に停止していた車が、突然音を立てて凹んでしまったっ!   >ボコっ

リツコ
  「ちょっと・・・今の何・・・?」  ( 驚いた顔で手で口を押さえていた )
ナンちゃん
  「ねぇねぇ・・・、あの車・・・急にへこんだよ・・・?」  ( 転んだまま指差す )

リツコ
  「あらやだ、何が起きたのかしら・・・」

 見えない動くモノは起き上がり、慌ててその場から駆け出したっ!

ナンちゃん
  「姉ちゃん、それより早く買いにいこうよーーーっ!」

 サっと起き上がり、見えない動くモノが移動したのと同じ方向に走り出すナンちゃん。

リツコ
  「そうね、そうしましょっ♪」

 リツコもナンちゃんを追うように走り出した。 が・・・・

見えない動くモノ
  『 !! 

 ナンちゃんがその見えない動くモノの斜め前を一緒に走っていた。
 その後ろからっ!

リツコ
  「そんな走りじゃ、お店閉まっちゃうわよっ!」

 もの凄い速度で迫るリツコっ!  なんとナンちゃんを追い抜いていったっ!
 そして、急に立ち止まり、

見えない動くモノ
  『 っ !! 』
                    ===ズコーーーン★↓↓

 何故か、ラリアットのように腕を横に伸ばして逆戻りしてきたのであった。
 後頭部から地面に突き刺さったと思われる穴が、突然道路に現れた。

 ナンちゃんが手を上げると、空から[空軍兵]淘汰 が舞い降りてきた。

ナンちゃん
  「悪いね、こいつを運んで。」
[空軍兵]淘汰(とうた)
  「かしこまりました。
      あの・・・ 空から見てて ちょっぴり気の毒に感じました・・・。」

 掴みあげると、一言残して大空へと羽ばたいていった。  バサン、バサン・・・


ナンちゃん
  「どう?」
リツコ
  「[気]に関してはスペック-1よりもハッキリとしない分、遠いと判り辛いわね。

   でも・・・、なんか皮膚は硬かった・・・。 裸の人間・・・ではない感触・・・。」
  
ナンちゃん
  「容姿・・・、見えない方が良かったりしてね・・・。
   このまま公園にいきましょう。 お巡りさんだけじゃかわいそうだし。」
リツコ
  「そうね。 気づかれていいのなら、気が楽だわ。 それに、ちょっぴり楽しかった♪」
ナンちゃん
  「リツコさんって、そっちの気があったりして・・・」

    ぐームカッ★ズゴーーーン====    >ボコっ!

 右の裏拳を打ち抜いた姿。
 先程の車に突き刺さったナンちゃん・・・。 ナンちゃんだけに遠慮の無いリツコであった。


~~
  ~~
    ~~

//////////////////// 一方、寺院の地下では・・・・

[透明生物]???
  「いいか、皆に集まってもらったのは他でもない。 我らイルミナルディー[秘密結社]の
   出撃の時を迎えたからに他ならない。

   永きの刻、我らの先祖が [[ 悪鬼破壊の剣 ]] を手にすべく、情報を張り巡らせてあった
   が、ある集団が、この[剣]の入手のために動き出したと報告があった。

   我らも遅れを取る事無く、その集団が手にする前に、我らの手中に収めなくてはならん。

   幸いにも、我らはこの透明な身体を手に入れることが出来た。 この上無い最強の身体を
   手に入れた・・・と思っていた。 だが先の戦いで、透明且つ更なるパワーアップのこの
   身体でも、敵わぬ相手がいることも知った。 なれば、我らの利点を存分に生かして戦う
   ことが必至。

   良いか、我らの願望、全宇宙の支配者になるべく、 [[ 悪鬼破壊の剣 ]] をなんとしても
   他の者に渡してはならん。
   今こそ力を集結させ、我らの目的達成のため、戦わんことをっ!

   皆の者っ! 栄光を、我らイルミナルディー[秘密結社]にっ!」

////////////////////


~~~
   ~~~
      ~~~





                                  -つづく-


第4-457話 燕市での珍事 -04 へ
 (それには間違いなく載っておらんわい)



  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月08日 16時48分16秒
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