カテゴリ:第四章 4-421 ~ 480 話
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スウラン 「石碑・・・!? 石碑に刻んだとあったっ! スウラン、石碑を探すっ! 大竹林寺に向かうっ!」 館長 「あ、これこれ・・・」 スウランは勢い良く館長室を飛び出すと、近くの修行道場の広場に入る。そして手を上げて [空軍兵]を呼びつけ、空の彼方へと飛び去って行ったのだった。 館長 「熱い者よのぉ・・・。」 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「それだけ真剣に取り組んでいるという証拠。」 館長 「次の世代を担う者、頼もしい限りじゃ。 さて、わしらは読書を続けるとしようかの。 他にも何か見つかるかもしれん。」 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「はい、館長様。」 ろうそくの炎がふらっと揺れる中、二人は再び読書を再会したのであった。 ~ ~ ~ ゆうすけ 「 [ 悪鬼破壊の剣 ] (黒青の炎)がこの地に無いか探せと命を出す。全宇宙の支配者、 【全能の神々】の忘れ物。かぁ・・・。」 リツコ 「スウラン、情報早いわね。」 ゆうすけ 「でもお願いした核心部分ではありません。 情報にある剣と炎・・・こいつをどう結びつけ れば・・・。」 チーラン 「スウラン、大竹林寺に向かった。 石碑探しにいった。 情報待つ。」 リツコ 「そうね、そこにはもっとヒントになる事柄が石碑刻んであることでしょうし。」 ゆうすけ 「その類、ヒントどころか答えを見れるかもしれない・・・。」 [空軍兵]淘汰(とうた) 「しかし、私はそのような石碑も噂すら見たことも聞いた事もありません・・・。」 チーラン 「このチーランもだ。親父が一人心に納めていたからかもしれん。 だが・・・」 ゆうすけ 「どした?」 チーラン 「うむ、大竹林寺には古(いにしえ)よりの[開かずの間]があると聞いたことがある。」 リツコ 「開かずの間・・・。」 [空軍兵]淘汰(とうた) 「もしかしたらそこに!?」 ゆうすけ 「チーランすら知らないのであればそこが一番怪しいかもな。」 そこへ、 [空軍兵]淘汰(とうた) 「んっ! [近衛軍長]殿、[月光軍長]殿に遣わせた者が戻って参りました。」 バサン、バサン、バサン 窓ガラスに飛来して、翼を閉じながら進入してきた。 [空軍兵] 「報告です!」 (チーランの前で片ひざで座り、頭を垂れた。) [近衛軍長]チーラン 「何事だ。」 [空軍兵] 「は、先程、[月光軍長]殿監視下にあった見えぬ生き物に動きがございました。」 [近衛軍長]チーラン 「申せ。」 [空軍兵] 「穴倉より大群を率いて出てまいり、群勢は西に向かったとのことです。」 リツコがテーブルに大きな地図を広げた。 (バサ) [近衛軍長]チーラン 「うむ、ご苦労。 ゆうすけ、後を付けさせるがそれでよいか?」 ゆうすけ 「見つからないようにね。」 [近衛軍長]チーラン 「月光軍だ、ぬかりはない。(空軍兵を見て、)ウルフに向かう先を付きとめよと伝えよ。」 [空軍兵] 「はっ」 伝令の空軍兵は一礼をした後立ち上がり、入ってきた窓に飛び込むように身を投げ出し落下し ていった。そして羽根を広げ、空中に舞い上がる後姿を見せて、みるみると視界から遠ざかっ て行ったのだった。 ゆうすけ 「西・・・」 (地図を指差しながらつぶやく。) チーラン 「なんだ、ここを抜けたらもう目の前が海ではないか・・・。」 リツコ 「その途中に? それとも本当に海を目指す?」 その時、壁にもたれて座っていたナンちゃんが立ち上がった。 ナンちゃん、 「おいら散歩に行ってくる。」 ゆうすけ 「あぁ、頼む。」 チーラン 「ならオレもっ!」 ゆうすけ 「だめだ。ここにいろ。」 チーラン 「くっ、もぅなんでっ!」 ゆうすけ 「ナンちゃんは 52,000 超の動向を探りに行くのさ。」 チーラン 「分ってるっ!」 リツコ 「空軍だけならまだしも、あなたが乗ってたら目立つでしょ・・・」 チーラン 「くっ・・・」 リツコ 「動向を探るのはナンちゃんに任せましょう。 ゆうすけ君、タロちゃんはどうするの?」 ナンちゃん、 「おいら一人でいい。」 ゆうすけ 「だそうだ。 それだけの大群、こちらが複数で動いてはいずれ見つかってしまうからね。」 その時、 ピポ パポ ピポ ピポ~♪ (ゆうすけの携帯が鳴った) 窓から飛び降りかけたナンちゃんの動きが止まった。 ゆうすけ 『はい、ゆうすけ。 姉さん、、、 はい、 ・・・はい ・・・分りました、 引き続き尾行をお願いします。』 (ピッ) リツコ 「姉さん、なんと?」 ゆうすけ 「全拳武道団の精鋭たち、飛行場に向かったらしい。」 チーラン 「飛行場・・・?」 ゆうすけ 「向かう先は近くでは・・・ ない・・・ということか・・・」 リツコ 「それって国外の可能性が・・・」 ナンちゃん 「確率が高い・・・か。 行ってくるね。」 窓枠に手を添えて止めていた動きを再開。 そのまま3Fから飛び降り、ビルや建物の屋上を 次々と渡り、すぐに姿が見えなくなっていった。 それを見守るゆうすけ、振り返りながら、 ゆうすけ 「チーラン、姉さんのところにも空軍兵を一人付けてもらえないかな。」 チーラン 「分った。」 ~~~ ~~~ ~~~ バサン、バサン、バサン 青龍湖のほとりに着地したスウランと[空軍兵]は、湖の木の覆い茂るほとりにある神社の 小さい社屋に足を踏み入れた。 ここは広大な自然が広がり大竹林寺のある大地。 この不思議な異空間には、とがった山にも見える岩で出来た階段が1つ空に向かって伸びてい た。その岩の階段のはるか上空の頂上付近から、下界に向かって飛び降りたスウラン、そして 後を追うように飛び降りた後、翼を広げて滑降し、旋回した後にスウランを背中に乗せる[空 軍兵]の姿が。 二人は、奥深くに小ぶりにそびえる尖がった山々を目指した。 -つづく- (ちょいと借りるぜ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年09月10日 15時14分58秒
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