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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2016年06月03日
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 と、突然っ!

[黄色マント男]
  「そこっ!」
                ==ズボーーン>

 黄色マント男が、対面の樹木に向かって[気砲]を発射したっ!
 当たった木の幹はおろか、周辺の木々も跡形も無く吹き飛んでいた。

[赤マント男]
  「まぁ大した監視力だな。 こんな森を抜けたところにも居るとは。」

[黒マント男]
  ( けっ、今更。 ここに来るまでにも何人も居ただろうに・・・。 トロいヤツらだぜ・・・ )

 目を瞑り、木に寄りかかり腕組みをしたままの黒マント男。

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「さて、ようやくメシに有りつけるらしいぜぇ。」
[赤マント男]
  「うむ、担いでいる獲物を料理する、薪を集めてこい!」

 全拳武道団員が担いでいた数匹のイノシシなどを道隅に下ろし、また他の団員たちは再び森の
 中へと消えていったのであった。


 行き来のほとんどない山道。 一時(いっとき)後、その道にあふれんばかりに占拠し 焚き
 火炎 を囲み食事をする団員たち。

全拳武道団 [南九州支部] 支部長 菊永 英知(キクナガ エイチ)
  「この人数の一食分・・・・大変ばい。」
                        食事 ガツガツ モグモグ

全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ
  「お前みたいにガッツイて食べるやつがおるから足らなくなるんだよ。」
全拳武道団 [信越支部 ]支部長 颯 駿(ハヤテ・シュン)
  「来る途中で見つけては捕まえていたけど、見ろ、あの人数で獲物を担いでたって足らない
   みたいだぜ。」

[緑マント男]
  「フン!」
                       炎ブォーーーーー
                               炎ブォーーーーー
                 炎ブォーーーーー


 そこには、空に向かって手を広げ 飛ぶ鳥を落としていた緑マント男の姿があった。
 炎に包まれて煙を吹きながら落下してくる野生の鳥たち。 それを青マント男が胸に手を当て
 て念じるようにしながら一箇所に集めている姿が。

 置かれたその丸焼きの鳥に群がる団員たち。

全拳武道団 [北海支部] 支部長 慙愧(ざんき)
  「わしらはこうして熊の肉も食いなれておるが、他のやつらにはちと固くて苦手なやつも
   おるようだし。」
全拳武道団 [北関東支部] 支部長 山神 大樹(やまがみ・たいじゅ)
  「あのイノシシとて同じ。慣れてないと食いちぎり辛いものだ。」
全拳武道団 [信越支部 ]支部長 颯 駿(ハヤテ・シュン)
  「なんにつけ、贅沢は言ってらんねーってことよ。 食べ物があるだけ有りがたいってね。」
全拳武道団 [北関東支部] 支部長 山神 大樹(やまがみ・たいじゅ)
  「その通り。 しっかりと食って、戦いに備えねばな。」
全拳武道団 [信越支部 ]支部長 颯 駿(ハヤテ・シュン)
  「ちげーねーや。」

 一方、大きな木の木陰で独り腰かけて、丸焼きチキンを手にしているこの男は、

[黒マント男]
  ( これだけやつらのアジト入り口近くまで接近しているのに、近くには偵察の連中しか
    居ない。 普段なら既に攻撃を仕掛けている。 つまりやつらはもっと近くに引き付け
    て罠を仕掛けて待っている・・・ ってことだ。

    スペック3とは言え、遠足気分で浮かれているこいつらも無傷でとはいかねぇだろう。
    まっ、んなこたぁどうでもいい。
    やつらは俺様がやってやる、スナーグと ここの大将をブッ倒したらゆっくりとな・・・。 )


~~~
   ~~~
      ~~~


 『はぃっ フンフン、』
            『たぁー、はぃはぃはぃっ!』
                             さっ

[近衛軍長 補佐]スウラン
  「ハァ、ハァ ・・・  チュウラン、腕 鈍ってないある ・・・  ハァ、ハァ ・・・ 」
[竹林総元帥]チュウラン
  「スウラン、手加減は無用じゃぞ ・・・ 」
[近衛軍長 補佐]スウラン
  「手加減ちがう スウラン真剣にやってるある ・・・ ハァ、ハァ ・・・ 。」

 チュウランが構えを解き、少し盛り上がった地面に腰かけて顔を緩ませた。
 それを見たスウランも気を戻し、額の汗を右手で拭い チュウランの隣に腰かけた。

[竹林総元帥]チュウラン
  「では、スウランが鈍ったか?」
[近衛軍長 補佐]スウラン
  「鈍ってないある。気まで上げたのに。
   むしろ チーラン、リツコと可能な日は実践稽古を積んでいるある。
   リツコには日々腕を上げていると、[気]を高めると今では『もぅスペック-3と同等よ』
   って言われているくらいあるよ・・・。
   つまり、チュウランの力増したって言うことある。」

 顔を正面を見たまま耳だけで聞いていたチュウラン、少し下を向いて、

[竹林総元帥]チュウラン
  「今やスウラン スペック-3と同等・・・、やはりそうか。」

[近衛軍長 補佐]スウラン
  「ん・・・?」
[竹林総元帥]チュウラン
  「ちょっと確かめたくての。
   この地には、先ほども申した通り大少林拳を扱える者はおらぬ。己自身で今までの経験を
   生かした鍛錬をせねばならぬ。 時折軍長達と乱捕りもするがな。

   だが、ここにきて己の体力、力、反射神経、それに伴う動きがドンドンと楽にというか、
   今までのペースとは格段に増して力をつけている気がしておったのだ・・・。」

[近衛軍長 補佐]スウラン
  「どういう事?」

[竹林総元帥]チュウラン
  「先の戦いで、こういちとオヤジ殿の戦いを見たであろう。 人間離れしたあの戦いぶりを。
   我らはその血を受け継いでおる。
   考えてみろ。我らも同じ年数を生きれば、あそこまでの力をつけてもおかしくないと言う
   事だ。」
[近衛軍長 補佐]スウラン
  「す、すると ・・・ 」
[竹林総元帥]チュウラン
  「うむ。
   以前は天空からの光を浴びて力が増すことが出来たが、この地に長く居座る今では、光を
   浴びずとも、少しずつ力が日々増していく気がするのじゃ。
   おそらくはオヤジ殿のあの力は、突然得たものではなく・・・」
[近衛軍長 補佐]スウラン
  「若いうちから少しずつの積み上げ ・・・ 」

 顔を上げ、目線をスウランに向けて、

[竹林総元帥]チュウラン
  「その物差しが無い中、今、スウランと拳を交えてようやく確信できた。
   スウラン、大少林拳において他の者よりも数段早く師範代になれた事もそれが為であろう。
   無論、チーランもだ。

   二人も我と同様に、少しずつ体が進化しつつあるのだ。 そして、この地に身を置くとより
   顕著に表れる・・・。」


~~~
   ~~~
      ~~~


 ザク、ザク、ザク、

 昼食後は、開けた道を進んでいたこの集団。 その目の前に数千にも及ぶ部隊が一行の視界に
 入ってきた。
 程よい距離になるとその部隊全員が一斉に片膝姿となり、集団を向かえ入れた。

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「ジュリジュル、合流地点に到着か。」

 先頭を進んでいたキジュロが足を止めた。
 すると集団から抜け出るように前に進み、キジュロの前に立ったこの男を見て、

戦闘員代表
  「スナーグ団長、お待ち申し上げておりました。
   中華公国製造の異人軍団にございます。」

全拳武道団 [本部] 武道団長 スナーグ
  「うむ、待たせたな。 頼もしい数だ、期待しているぞ。
   早速だが、この中に伝説の戦士、大竹林寺の部隊と拳を交えたことのある者はおるか?」

 (片膝で、頭を垂れた姿勢のまま、)

戦闘員代表
  「残念ながら、伝説の戦士の話は耳にしているものの、我々はあの戦いの後に施術を受けた
   者たちばかりであります。いまだかつて拳を交えたことのある者は・・・。」

全拳武道団 [本部] 武道団長 スナーグ
  「そうか。
   以前の戦いは皆も耳にしておろう。 スペック戦闘員、異人であっても勝ち戦とはならな
   ぬ相手。この人数を揃えても気を緩めるな。これから踏み入れる場所は今までに経験のな
   い修羅場となるであろう。この場にいる全員が無事に戻れることは皆無。むしろ、何人が
   生きて帰れる事やら・・・、その後者と心して掛かれ。

   我らの目的はただ一つ、これからの世を我らが組織が支配するためであるっ!
   そのための無用な邪魔者の排除にこれより出向くっ!
   我らの栄光のためにっ!」

 『おぉっ!』

[黒マント男]
  ( ふん、くだらん。
    貴様らが何千人居ようが俺様一人で片づけられんだよ。せいぜい今のうちに気合入れて
    仲良しこ好しゴッコを楽しみやがれ・・・

    しかし、こいつらには 『邪魔者の排除』 と告げるか・・・。 )


~~~
   ~~~
      ~~~





                              -つづく-


第4-476話 全拳武道団 進攻 -05 へ
 (お家に帰れなくなっても知らないよー)



  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月09日 14時05分27秒
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