カテゴリ:第四章 4-561 ~ 632 話
.
「 南流 奥義 刃空投剣 !! 」 二筋の巨大な刃が、空中を舞う。 二筋がカルキを通過し、空の彼方に消えたころ、カルキの体が[X]状の筋に光った。 そして、上下左右にと徐々に分かれ、それぞれが落下していく。 地上では、片膝で両手を大きく広げ[気]を戻していたこういちの姿が。 その目の前に、 居合わせていた全員が瞬きもせず、誰も声を発しない・・・。 ・・・・・ ・・・・・ 『 ・・・・ 』 このメンツにしても、目の前の出来事が現実と認識できずにいた。 辺りは静寂したままだ。 『 ・・・・ 』 そんな中、しばらくして ゆっくりと立ち上がったこういち。 そして、 ( 後ろ向きのまま 少しだけ顔を振り、 ) 陳南家 南流伝承者 南 こういち 「スナーグ、 亡骸になっちまったが・・・。」 『 ・・・・ 』 『 ・・・・ 』 『 ・・・・ 』 未だ誰も現実として意識が帰ってこない。 喜びの歓喜すら湧き起こらない。 『 ・・・・ 』 『 ・・・・ 』 『 ・・・・ 』 そんな中、第一声を発したのは X クロス14神星 元皇帝 スナーグ・de・バイヤン 「あ、あぁ・・・。」 ゾルダ 「こ、こういち・・・、す、すげっ」 現実と認識してきた者が、気遣った眼差しで『エル』と『ラニ』を見つめた。 [気]を戻した和恵が二人に近づいていく。 和恵姉さん 「さっき、少し話をしたから・・・。」 『 ・・・・ 』 二人の前で立ち止まり、目線を合わせるかのように屈んで、 和恵姉さん 「気持ちの整理、出来るかしら・・・。」 『エル』はゆっくりと和恵を見て、 エルニーニャ 「あぁ・・・。 私なら・・・大丈夫。 だが『ラニ』は・・・。」 ラニーニャ 「にいちゃん、あたいも・・・ 大丈夫だよ。 ただ、今はちょっと・・・ 時間が欲しいけど・・・。」 ゆうすけ 「スナーグ、行って話ししてきた方がいいんじゃねぇか?」 X クロス14神星 元皇帝 スナーグ・de・バイヤン 「そうだな。」 スナーグも二人に向けて歩を進め出した。 『ラニ』は目に涙を留めながら『エル』を見つめていた。 エルニーニャ 「『ラニ』・・・」 優しく、そっと抱きしめてあげた。 『エル』の胸の中で、大粒の涙が止めども無く溢れていく。 そんな二人の前で立ち止まったスナーグ、 X クロス14神星 元皇帝 スナーグ・de・バイヤン 「『エル』、『ラニ』・・・。」 エルニーニャ 「スナーグ・・・叔父さん・・・。 そんないきさつがあったなんて・・・知らなくて。 ゴメンよ、罪人扱いにして・・・」 X クロス14神星 元皇帝 スナーグ・de・バイヤン 「お父さん、カルキは残念だったが 心をしっかりと持つんだ。 わしの事はいい。」 ラニーニャ 「スナーグおじさん、ラニは平気だよ。 悪いのは皇帝の方だもん・・・。」 X クロス14神星 元皇帝 スナーグ・de・バイヤン 「分かってもらえるならそれでいい。 強い子に育ったな、『ラニ』。 そしてこれからは、二人が帝国を支えていかなくてはならない。」 エルニーニャ 「えっ、スナーグ叔父さん・・・、 叔父さんが皇帝に戻ってもらわないと・・・。」 X クロス14神星 元皇帝 スナーグ・de・バイヤン 「私はもういい。若い 新しい皇帝の元、二人にはこれからの帝国をしっかりと引率 して欲しい。 わしは、二分している派閥を統一する役目が残ってはいるがな。 その後はお前達が推し進めるんだ。 その役目、『エル』が筆頭だ。 『ラニ』は横から新しい皇帝を支えるんだよ。」 ラニーニャ 「でも・・・ う、うん・・・。」 深くうなづいた『ラニ』。そして振り返り、 ラニーニャ 「わかった・・・。 ( 涙を拭い去り、エルの元から離れ、 ) 用事を思い出した、ちょっと待ってて。」 シャっ彡 ズボーン! 『こぉらぁぁ! そこのお前っ! まだ勝負はついてないんだからねぇっ!』 Ryuichi に向かって一直線! 陳南家 殺流伝承者 Ryuichi 「おっ、おぃ・・・」 和恵姉さん 「以前の誰かさんも、同じ事してたんじゃないのぉ~?」 『おぉぉぉらぁぁぁぁっ!』 ガシっ バシバシバシ ズコっ 和恵姉さん 「気持ちのぶつけ処、発散に付き合ってあげなさい。」 陳南家 殺流伝承者 Ryuichi 「うっ、 くっ・・・ ふっ! はっ!」 ザウバー 「そう言やぁ Ryuichi もこういちにモヤモヤをぶつけてたな。」 ゾルダ 「あったな。そんな事が。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「似た者同士、通じるところ あるアルよ。」 クラウス総帥 「なんか言葉、難しくしてねぇか?」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「そんな事 ないアル。」 ゾルダ 「慣れりゃどってことない。」 陳東家 東流伝承者 セルフィー・東(あずま) 「あんな戦い見せられたら、出番ねぇわな。」 陳北家 北流伝承者(扱い) ヒュルツ・ザン・北都(ほくと) 「出番どころか、一人の傍観者だ。」 陳西家 西流伝承者 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「無理もなかろう。我らとは次元が違いすぎる。 野望の誰かさんもな。」 陳北家 北流伝承者 シュナイケル・シザー・北都(ほくと) 「おぃおぃ、もぅいじめないでよぉー。ぼくちゃん反省してんだからさぁ・・・」 ゆうすけも『エル』達の所に向かい始めた。 同様にチュウラン、チーラン、スウランも。 と、立ち上がっていたこういちが力無く突然倒れた。 彡ドサ [神霊巫女]利江 「こういち君!」 -つづく- (あっ、スウラン あっち行く!) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 ● 第一章 1 話 へ ● 第二章 TOP へ ● 第三章 TOP へ ● 第四章 TOP へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月11日 11時48分07秒
コメント(0) | コメントを書く
[第四章 4-561 ~ 632 話] カテゴリの最新記事
|
|