カテゴリ:第四章 4-561 ~ 632 話
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ゆうすけ 「ぃつつつつ・・・・、利江ちゃん・・・、そりゃないよ~。」 [神霊巫女]利江 「私も知りたいの。」 ゆうすけ 「もぉ・・・。 ならヒントを。 たとえば、巨大な旅客機をロープで繋いで引っ張って動かせる力自慢の人が居る のは知ってるよね。 大質量のモノも両手で上に持ち上げるのでなければ、小さ な力でも引きずる事は可能。」 『うん。』 ゆうすけ 「これヒント。」 『 ・・・・ 』 リツコ 「で・・・?」 ゆうすけ 「終わり。」 カァーーン★ ★o☆~゜(再び同じフライパンで) 『うっ』 [神霊巫女]利江 「判らない!」 ゆうすけ 「もぉ・・・ ぶつかってしまうのではなく、その彗星 C/2765-GX2300 は木星付近を通過する って事だから、木星はいじらずそのままに。 近づく彗星の軌道を木星の引力 で引き寄せられる分だけを押し出して、元の軌道に戻せばいいんだよ。」 『 ・・・・ 』 [近衛軍長]チーラン 「で・・・?」 ゆうすけ 「答え。」 カァーーン★ ★o☆~゜(三度同じフライパンで) 『もぉ!』 [竹林総元帥]チュウラン 「具体的な方法を教えろ。」 ゆうすけ 「なら先に言ってよ・・・。 たんこぶ、だんご三兄弟じゃん・・・。」 9年7ケ月後、 ゆうすけ 「これが宇宙に置く目標物。」 リツコ 「へぇ、360度推進微調整できるんだ。 サッカーボールくらいね。」 ゆうすけ 「うん、座標を読み取ってそこに留まってくれる。 あとはミカール、ザウバー、ゾルダ、クラウス、陽江(ようこう)、リツコさん、 シュナイケル達が彗星を合図と同時にここを目がけて一斉に運んでくれればいい んだ。」 ゾルダ 「簡単に言ってくれるぜ。」 クラウス総帥 「あんなにデケーの、一緒に引き連れて瞬間移動出来るとは到底思えねぇ。」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「それに複数の者が同時に1点を目指しても、押し合いになり誤差が生じるだ ろう。」 ゆうすけ 「まず1っ目の回答。 簡単に出来るのさ。計算によると元に戻す距離は彗星の直径のおよそ 1.5個分、 木星の引力によって引き寄せられた 1648.40985m だけ動かす。 2っ目。 彗星に働く力は元々の慣性推進力と木星の引力の二つ。推進力はいじらずに、 木星に近づいた分だけを押し戻すだけ。抱えて別の場所に移動する訳ではない。 宇宙空間では、ある程度の大きな質量物も簡単に動かせるんだ。このメンバー の瞬間移動には、作用・反作用の計算が必要ないし。 3っ目。 この人数、全員が一点を目指せば当然押し合って力の強い誰かだけが目指した 場所に到達、なんてことにはならない。全員の押し合う力のバランスの取れた 地点に落ち着く事になる。 そのために過日、力の具合を調べる目的でグランドキャニョオンでテストした じゃない。 そのデータを元に目標物の留まる座標を計算して置く。 だから、押し合いになった結果でベストポジションになるように計算してある のさ。」 シュナイケル 「あぁ、なんかそう言えばやらされてたなぁ。」 X クロス14神星 新皇帝 エルニーニャ・de・バイヤン 「ゆうすけ、我々の計算では、木星の引力に影響を受けずに彗星 C/2765-GX2300 が推移した場合、再び同様の軌道修正が複数必要となることが判明した。」 ゆうすけ 「そんなの早く言ってよ。 よっぽど『エル』の所の困りごとは成る様にして成るって事だよ・・・。 彗星 C/2765-GX2300 をどうこうじゃなくて、根本をなんとかする方法を考えた 方が良かったんじゃない?」 X クロス14神星 新皇帝 エルニーニャ・de・バイヤン 「だが、これが成功すれば、引き続きこの方法で軌道修正する事に決まってしま い・・・。 軌道修正案が手元に無く、ここにきての再計算の結果だからな、仕方ない。」 ゾルダ 「おぃおぃ、その都度出撃ってか?」 ザウバー 「仕方ねぇな。 どちらも守るってぇのがゆうすけの約束だ。」 リツコ 「ザウバーの言う通りね。 でもその議論は後ほど。 まずはその一発目、それを成功させましょ。」 ゆうすけが時計を見た。 ゆうすけ 「そろそろだ。 まずはこの目標物を定位置に付けなきゃ。それと彗星への目標物。 ミカール、頼む。」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「うむ。」 サッカーボール程の目標物、そして7人分の移動先の目標物がふわっと消えてい った。 ゆうすけ 「あとみんなは彗星に着いたらこちらの合図で一斉にね。 肩の力抜いて、練習通りにやろう。 頼んだよ。」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「ではまいろう。」 宇宙服を着た全員が頭部のヘルメットを装着した。 確認後、その場からふわっと消えていった。 ゆうすけの乗る船外には、ミカールと共に船外に移動したメンバーが、自らの待機 位置の目印に瞬間移動していた。 サッカーボール状の目標物が、誰も居ない宇宙空間で上下左右に噴射させて位置を 調整していた。 ゆうすけ 『みんな聞こえるかい?』 『聞こえておる。』 『大丈夫だ。』 『いい調子だぜ。』 『あぁ。』 『大丈夫アル。』 『こちらも大丈夫よ。』 『ボクちゃんもおっけーだよ。』 ゆうすけ 『あとおよそ3分後に秒読みを開始する。』 X クロス14神星 新皇帝 エルニーニャ・de・バイヤン 「成功を祈る。」 全員が呼吸を整え、かたずを呑んで待った。 そして、 ゆうすけ 『カウントダウン開始。』 『10』・・・ 『9』・・・ 『8』・・・ 『7』・・・ 『6』・・・ 『5』・・・ 『4』・・・ 『3』・・・ -つづく- (ちゃんと相手してんだろうが!) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 ● 第一章 1 話 へ ● 第二章 TOP へ ● 第三章 TOP へ ● 第四章 TOP へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年11月02日 15時08分13秒
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