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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2021年03月11日
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ザウバー
「ったく次々と・・・」

看守-8
「初めて見る人物だったよ。
 弟のゾルダと異なり本当の面会者だ。」

ザウバー
「けっ、ゾルダだって立派な面会者だってぇの。
 顔洗ってから行く。」

看守-8
「分かった。」


 一方のゾルダ、
 先に面会室に出向き、

ゾルダ
「終わったから帰るな。」

看守-9
「あぁ分かった。ご苦労様。」

 挨拶後、待合室にいる一人の男と目が合う。

ゾルダ
 ( 兄貴に面会者ってこいつか・・・?
   見たことない面だな・・・。 )

 扉を開けて出ていく。
 入れ替わりに、

看守-8
「代わろう。」
看守-9
「はい。」

看守-8
「準備が出来ました。
 面会でお待ちの方、そちらの対面ボックスにどう
 ぞ。」

謎の男
「うむ。」

 ほどなくして、

ザウバー
「お待たせ。」

 扉を開けて入ってくる。

看守-8
「1139号、ボックス3番だ。」

 言われて目線を送るザウバー。
 そして黙ったまま対面側に移動し大きく椅子を引
 き着座した。

ザウバー
「どこかで会ってたか?
      残念だが記憶にはねぇんだが・・・。」
謎の男
「初めてお会いする。」

 謎の男、髪は長く肩まで伸び、薄茶色。
 身長はおよそ180cmくらいありそうで横幅は普通
 の体系だ。服装は紳士のようでスーツ姿。
 だが・・・、
 顔は歌舞伎役者の化粧のような黒と赤のラインが
 右目下から頬にかけてはっきりと見えた。

ザウバー
「珍しいな、外歩きでその化粧は。」
謎の男
「化粧ではない。
 生まれつきでな、アザみたいなものだ。
 気にしないでくれたまえ。」
ザウバー
「趣味で、の方が通りがいい気がするけどよ。
 でオレになんの用だ。」

謎の男
「うむ、
 街中を歩いていると至る所で少年たちが口々に噂
 していて出てくる名が 泣く子も黙る『撃爆兄弟』
 と。興味が湧いて後を付けると現場に出くわした
 訳だ、二人が現れた所にな。」
ザウバー
「勝手に呼ばれててよ、こっちは自覚無しだ。」
謎の男
「腕前を拝見したよ。二人大したものだ。

 結論から言おう。
 二人をスカウトしに来た。」

ザウバー
「 ・・・・ 」 (目を細めた)

謎の男
 私はファイナルウエポン社という会社の幹部に
 就いている」
ザウバー
「ウエポン・・・武器を扱ってるのか。」
謎の男
「あぁ。
 だがミサイルぶっ飛ばすでもマシンガンをぶっ放
 しまくる仕事ではない。
 工場で部品組み立てて・・・でもない。ましてや売
 り込む営業マンをお願いでもない。」

ザウバー
「 ・・・・ 話の途中で悪いんだが、オレは戦争が大嫌
 いってやつだ。ガキの頃両親が爆弾の餌食になっ
 ちまってなそれからよ、身体鍛えて軍人に仕返し
 したのは。
 恨みこそ持てど加担する側なんて興味ねぇ。
 話す相手を間違えてる、帰んな。」

謎の男
「うむ、まぁ聞いてくれ。
 己の身体が武器そのものになる。
 その従来の使う破壊兵器の使用を止めさせる活動
 なのだよ、我々の仕事は。
 特殊能力を身に着けたマンパワーを売りにしてい
 る。
 私も実はある能力を身に着けているよ。」

 辺りを見渡し、一点に注目した。
 そしてザウバーと目を合わせ口元を緩ませ再び棚
 に視線を送る。
 すると奥の棚の上に転がっていたポールペンがフ
 ワっと宙に浮きこちらにゆっくりと近づいてきた。

 ザウバーは目だけだが少し驚くしぐさ。

 それを手にしたブルーガー、胸から手帳を出し何
 かを記載しボールペンを再び宙に浮かせて元に戻
 してから、

謎の男
「どうかね、中々見る事の出来ない手品だろう。
 私の他に当社の社長、幹部で私の妹も別の特殊能
 力を身に着けている。
 この力を使って従来の破壊兵器の使用を止めさせ
 るのさ。それを世界に広める、そんな角度から世
 界の武器事情を一新する、そういう世界征服を進
 めるのだ。」

ザウバー
「オレはそんな能力、持っちゃいねぇぜ。」

謎の男
「これから身に着けてもらいたいのだ。
 まだ開発中だが、己の身体能力を格段にアップさ
 せる研究をしている。
 元が軟弱な身体では使いこなす前に自分の体が壊
 れてしまう。だからキミのような身体能力を持つ
 者を探し仲間に迎え入れたいのだ。
 現在の丈夫な体力と格闘センス、キミがその施術
 を受けたなら向かうところ敵無しとなりうる。」

ザウバー
「身体能力をもっと強く・・・か。」

謎の男
「そうだ。
 当社の一員になれば食事は食べ放題で寝床付き。
 束縛はほぼ無い。在るのは時々出される行動の指
 示に沿って動いてもらう事くらいだ。

 そして幹部候補だから下の者を指揮して欲しい。
 キミの弟君もだよ。」

ザウバー
「ほぅ、寝床に飯付きたぁかゆいとこ突いて来るじ
 ゃねぇか。
 たまに来る指示ってのは?」

謎の男
「うむ、
 キミのように体力のある者を集めてきたり、言い
 合いになったら事態を収拾したりかな。」
ザウバー
「事態を収拾・・・?」
謎の男
「既存の兵器・武器を売る、所持するところは反発
 し揉める事もあるだろうし邪魔も入る。そんな時
 にはって事だな。」

ザウバー
「おれが強くなり揉め事も・・・となりゃ興味湧いて
 きたぜ。」
謎の男
「回答は今でなくてもいい。
 センターを出る日に迎えに来る。その時で。
 期待している。」

 そう言うと手帳に記載したページを破りザウバー
 の前に置くと謎の男は立ち上がり、看守の元に歩
 き出した。 が急に振り返り、
               スー・・・。
 能力で座っていた椅子を戻した。
 そして看守に一声掛けて出て行った。

 ザウバーは座ったまま破いたページの切れ端を見
 つめていた。


看守-8
「終わったか?」
ザウバー
「あぁ。
 今のヤツ、オレの保護者になるってよ。」

 そう言うと手にした紙を看守に渡した。

看守-8
「連絡先か。
 すると保護観察処分でここから出られるぞ。」
ザウバー
「んな訳ないだろ、3回目だぜ・・・。
 ここで反省しとかなきゃな、元々の予定のままで
 いい。出る日決まったらそこに連絡してくれ。」

 立ち上がって部屋に戻るザウバーであった。


~~~
  ~~~


 半年後、

院生-1023番(四号棟頭)
「お疲れ様でした。」
 『お疲れ様でした。』
ザウバー
「おぅ、もうここはねぇけどな。」
院センター長
「何か寂しいな。
 色々とありがとう。」
ザウバー
「何もやっちゃいねぇよ。
 センター長、世話になった。」
看守
 『元気でな~』

 ザウバーは片手を挙げ振り向くことなく正門に向
 かった。それを見送る院生と看守たち。


 正門を一歩出ると左側に人が立ち、その先には黒
 い一台の車が停止していた。
 ザウバーの姿を見て後部座席からドアを開け一人
 の男が立ち上がりザウバーを見た。サングラスを
 外したその顔には歌舞伎役者の化粧のような黒と
 赤のラインが右目下から頬にかけてはっきりと見
 えた。

ザウバー
「ほぉ相変わらずの化粧だな。
              そりゃ趣味でか?」
謎の男
「そうだ。」

 ザウバーはその返答に口元を緩ませた。
 そして正門左側に立っていた男に連れられて黒い
 車に歩を進めた。
 反対側のドアを開けた男、ザウバーは後部座席に
 身を沈めた。
 謎の男はサングラスを掛け直し再び後部座席へ。
 そしてドアが閉まり黒い車は発進したのだった。






-つづく-



z012話 組織 01
(この者がそうですかな)



  ※ このドラマはフィクションです。
登場する内容は実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。




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最終更新日  2023年09月05日 23時16分55秒
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