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テーマ:通勤途中に(33)
カテゴリ:生きるということ
いつものように通勤電車に乗った。 今日は、木曜日、たまたま乗客が少なかったのか、運よく座ることができた。 総武線であるが、中野駅から東西線直通の乗り入れ電車である。 スマホでモンスターハンターライダーズというゲームをしながら、徐々に増える乗客の足元が視線に入った。斜め向かいに立ったのはパンプスを履いた女性だ。キャリア・ウーマンかな。キャリア・ウーマンなんて現在では死語なのかと思えるので、普通にOLとしたほうがいいだろうか。さて、ゲーム、モンスターハンターライダーズはオート周回機能で設定すれば、自動でバトルを繰り返してくれる。タップして目を閉じ、時々チェックを繰り返した。ふと何気なく斜め向かいに立っているOLのバッグに目がいった。 “あっ”。 バッグの持ち手にマタニティマークが吊り下げられていた。 次の瞬間にはOLの腕を軽くトントンしていた。 私が立ち上がると、OLは小声で「すみません」と言って入れ替わった。早稲田駅あたりだったろうか。 ゴトゴト、ゴトゴトン。 いくつか駅をやり過ごし、竹橋を過ぎ、OLの面前に立ち続けていると気に病むかな、という思いがちらりとした。しかし、降りる予定もない駅で途中下車するのも変だと思い、移動せず立ちつづけた。 ひょっとするとOLは大手町で降りるかもしれない、その次の日本橋駅で乗り換える私は残ることになる。気づまりか?もし、OLが下りたら、なんと声を掛けたらよいのか? “お大事に”。いや、違う。“お気をつけて”、かな。 大手町駅に着くと、OLは立ち上がった。目が合った。目礼だけしてくれたように思った。 私が「お気をつけて」といった一言は聞こえただろうか。 OLがいなくなった席に私は座った。 そして、日本橋駅で降りた。 妊婦が、毎日大手町までの通勤は大変だろう。 マタニティマークにどれだけの人が気づくのか。 子を持つ親でないとマタニティマークは認識していないだろう。 そして、マタニティマークに気付いた人がみな気遣いできるとは限らない。 普及はしていても知らない人がまだまだいるように思える。さらなる周知が必要な気がした。
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最終更新日
2021.06.17 23:24:00
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