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2024.11.03
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カテゴリ:映画館で見た映画

(C)2024「八犬伝」FILM PARTNERS.

これは「南総里見八犬伝」ではなく山田風太郎「八犬伝」が原作である。Wikipediaには”『南総里見八犬伝』をモチーフに、『南総里見八犬伝』の作者・滝沢馬琴と葛飾北斎との交流を描いた「実の世界」と、『南総里見八犬伝』の「虚の世界」の2つの世界を交錯させながら描く。”とある。1983年に書籍化された新聞小説を今なぜ映画化するのか、皆目わからない。独自の視線でファンタジーを描く山田風太郎の描き方はユニークであるが、人物像としての滝沢馬琴物語にするか、エンタメとして八犬伝物語として描く方が入り込みやする楽しめると思う。映画として見るならば1983年公開の薬師丸ひろ子主演の「里見八犬伝」のリメイクでもよかったんじゃないかと思う。そうではなくて滝沢馬琴を描きたかったのだろう、か。
キャスティングは素晴らしいと思う。皆、役に溶け込み、役そのもののように登場してくる。滝沢(曲亭)馬琴の役所広司と葛飾北斎の内野聖陽はじいさんの作り込みも面白く大げさにしない芝居が良い。妻のお百の寺島しのぶは申し分のない女房を演じるし、嫁のお路の黒木華もぴったりといえる。見事なのはあ玉梓の栗山千明であろう。怨念を持った女として彼女の眼光はするどく尖った鼻はと尖った顎は申し分ない。歌舞伎のシーンは誰が誰かわからないけれど歌舞伎役者が演じているであることは見て取れ、当然というか正しく歌舞伎であった。八剣士は八剣士で作り込みが甚だしく俳優がだれなのか見分けがつかない(笑)。犬塚信乃の渡邊圭祐がしっかりとわかるくらいで、身長のない板垣李光人ははっきりと認識できるくらい。あとはごつい3人と若手3人で見分けがつかない(笑)。板垣李光人はとても美しく美女を演じてお似合いだった。見どころのある鶴屋南北・立川談春の芝居もあるが、コントにも見えてしまう殿様・里見義実の小木茂光の天守閣のシーンもあった。丶大法師(ちゅだいほうし)となった丸山智己の坊主頭がやや大きいことが気になった。もう少し小さくできなかったものか(CGで削るとか)。
南総里見八犬伝を知っている者であればいいと思うが、知らない者は八犬伝を理解できたのだろうか。


2024年/日本/149分/G

監督:曽利文彦
原作:山田風太郎
脚本:曽利文彦
出演:役所広司、内野聖陽、土屋太鳳、渡邊圭祐、鈴木仁、板垣李光人、水上恒司、松岡広大、佳久創、藤岡真威人、上杉柊平、河合優実、小木茂光、丸山智己、真飛聖、忍成修吾、塩野瑛久、神尾佑、栗山千明、中村獅童、尾上右近、磯村勇斗、立川談春、黒木華、寺島しのぶ
お薦め度
「​八犬伝​」★★★☆(70%)





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最終更新日  2024.11.03 20:16:50
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