公方饅頭
おまんじゅうをいただきました。古河名物「公方饅頭(くぼうまんじゅう)」といいます。飾らない素朴な姿で、甘ーいつぶあんがたっぷり入って昔懐かしい味がしました。そうですね、たい焼きに似た風味といえば分かりやすいのではないでしょうか。とても美味しくいただきました。古河公方ということばは、小学生のころからずっと聞かされていて、地元の人間にとっては空気のような存在になっているのですが、今年のNHK大河ドラマ『篤姫』を見ていて「公方」という言葉が「将軍」のことだと改めて気づかされました。いまから700年近く昔、1336年足利尊氏(あしかがたかうじ)が征夷大将軍になり、京都に室町幕府を開きます。尊氏は鎌倉に関東府を作りますが、内乱がおき、1455年足利成氏(しげうじ)が古河を拠点にして、連れてきた部下や地元の実力者とともに、長期にわたって鎌倉公方(堀越公方)と関東を二分した抗争を繰り広げます。これが古河公方です。古河公方は、成氏の後、政氏(まさうじ)、高基(たかもと)、晴氏(はるうじ)、義氏(よしうじ)と5代つづき、義氏の子、氏姫(うじひめ)(1574-1620)は喜連川氏に嫁ぎますが、実際は古河を離れず、鴻巣御所(古河総合公園はこれを記念したもの)をまもり、そこで没したそうです。氏姫はとても甘味を好んだと言われています。