おもしろくない小説
彼は僕の高校時代の担任だった。趣味(本気?)は小説を書くことで同人にも入り、毎日こつこつと書くタイプらしかった。性格ははっきり言って、くそ真面目でちょっと面白みに欠けるような印象。それでも本人はときおりジョークらしきものを言ったりして努力はしている。彼がそのころ出版した小説を読んでみた。戦時中の満州を舞台にしたロシア人少女との淡い恋物語という体裁。文章が堅苦しい。やたらと修飾語が多く読みづらい。途中で放り出したくなってしまった。彼はその後、中国に渡り向こうの大学の日本語講師をしていたらしい。現在は日本に戻り、数冊の小説が地方の文学賞を取って出版、華々しい評価とはほど遠いが地道に書いているのだろう。