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カテゴリ:医療
10月11日午後9時40分、母が逝った。 享年83歳。 病名は悪性リンパ腫。 今年5月中旬、肺に水がたまり呼吸困難の症状を呈していたので 地元の県立病院に入院した。 検査の結果肺に大量の水がたまって窒息寸前だった。 両肺から1リットルずつ、計2リットルの水を注射針で抜き取ると 症状が改善した。 抜き取った血混じりの水を検査したところ異形の細胞が多くみられ 悪性のリンパ腫と診断された。 生前の母の希望は「手術は絶対にしない」だった。 死線をさまよいながらも1カ月の入院後にようやく退院できた。 6月中旬のことだった。 母が根本的な治療を拒否する限り再度水は溜まる、との医師の警告通り 今度は肺ではなく心臓周辺に水が溜まった。 溜まっている水のせいで横になって寝ることができない。 座ったままの状態の母は息苦しさと腰の痛みを訴えた。 心肺機能と腎機能の低下が見られた。 ガンが全身に転移したと判断された。 担当医からは心臓周辺の水は抜き取りに危険が伴うのでできない、 と言われた。 医師から今後の治療方針について家族の見解を求められた。 さて、どうする? 父を含め兄弟、配偶者、孫、家族総出で連日のように協議した。 いろんな意見がでたが最終的には体の痛みを除くことを優先し 「延命治療はしない」という父の意見が尊重された。 父と母は自宅療養の4カ月間仲睦まじく暮らしていた。 この療養期間の間に父は心の準備をしていたのだと思う。 これを受けて麻酔医である妻が積極的なペインコントロールを行った。 末期のがん患者には痛みどめのモルヒネは欠かせない。 モルヒネの濃度を上げると意識が朦朧とし、反応がなくなってくる。 肺炎を併発し痰が絡んで苦しそうだった。 ときどき妻が母の痰を吸引してあげてている。 母は一週間入院したのち病室一杯の家族に見守られながら静かに息を引き取った。 延命治療の是非に悩みながら「尊厳死」ってなんだろうと考えさせられた。 安らかな死だった、と信じたい。 父にはお疲れ様でした、と言いたかったが、まだその言葉をかけきれないでいる。 なぜなら涙がでてきそうだったから・・・。 10月13日葬儀には大勢の方に弔問いただいた。 またお花もたくさん届きました。 ありがとう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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