「愛を読む人」を観て。
今朝、映画を見てきた。「愛を読む人」原作は読んでいない。機会があったら、読みたいと思う。映画の宣伝で「観たい!」と思っていたし、文春の映画評価でも、おすぎは5つ☆。(そうなのよ、おすぎの意見を結構参考にしているのだ)いつもの通り、あらすじには触れないけれど、「なるほどなあ、時代が変わったのか、時間が立ったからなのか」というのが一番の感想。ヨーロッパ生活をしているときに、通っていた語学学校で、たまに、ナチスの議論とか、ホロコーストの話題になるときがあったが、戦争から何年も立っているのに、まだホットでナイーブな話題なんだなと思っていた。いや、そんなことを感じることさえも、申し訳なく思えるほどだったのだ。雑誌の「マルコポーロ」が、「ホロコーストがなかった」という特集を組んで廃刊になったけれど、ちょうどそのときに、いたので、「この記事について、どうなのよ!!」と、クラスメイトに問われたりした。しかし、日本の戦争の話題さえも討論したことがなかった私に、遠い国であるドイツのナチスの話に、何か確固たる意見もなかったんだよな・・・・・。(しかも日本は一応同盟国だったということもあったし)私の語学力のレベルもあったのだろうけれど、アウシュビッツに関しては、「当事者でなければ、触れてはいけない神聖なテーマ」なのかと思っていた。いや、今でも思っている。映画の中では、明確に誰が悪いという責任探しというよりは、事実を淡々と受け入れるしかない、役割だったということが語られていたような気がする。正当性を声高々に語られるよりも、心に響くと思う。映画の最後のほうにでてくる女の人の受け答えが心に染みる。「前を向いて歩く」ということはこういうことかと。素直にね。この映画は、エッチシーンも多いので、12歳以下は観れないけれど、(エッチというよりも、美しいシーンだったんだけれどね)「アンネの日記」を知らない娘に見せたいほどだ。(読んだことがないのではなくて、本の存在を知らなかった!驚愕)たぶん、映画を観ながら「あれはどうして?」という疑問がいっぱいでるだろう。そうやって、歴史を教えるのはやっぱり大事だよね。個人的には、主人公マイケルの大学の教授がかなりオススメ。静かながら、心に残る見守り方をしてくれます。これもやっぱり映画館で見たい映画。家だと没頭できないもの。