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カテゴリ:黒ひょうさんの司法試験~総合編~
司法試験の勉強は、理解するのがいいのか、それとも暗記するのがいいのか?
これは、僕が司法試験の勉強を始めてから既に、ずーっと言われ続けていることです。 司法試験に合格して思うことは、「どっちも合格には必要」だということです。 よく、「暗記じゃない、理解だ。」と言われることがありますが、この言葉の意味することは、「まったく内容を理解しないまま論パ等を丸暗記しても無駄だから、まずは理解しましょう。」ということだと思います。 僕も理解が非常に重要であると思っています。 「なぜこのような論点が生じるのか?」といった問題の所在を理解しておかないと、絶対に論点抽出はできません。 僕は昔、論点を落っことしまくっていた頃、「沢山の問題に当たって、その問題に出てくる論点を覚えていけば、いつかは論点抽出できるようになるんだろうな。」と考えていたんですが、それは大きな間違いで、いつまでたってもまったく論点抽出ができるようにはなりませんでした。 それもそのはず、論点抽出ができるようになるためには、論点の理解(その中心部分は学説の理解にあらず。「なぜ論点たりうるのか。」という問題の所在に対する理解にあります。)が絶対に不可欠なのです。 その理解さえあれば、未知の問題(即ち、これは今年の論文本試験問題)であっても、自然と論点抽出できるようになるわけです。 このことから分かるように、勉強の際には、まず理解ありきです。 しかし、まったく暗記しないでいいのだという考え方も、2時間という時間制限のある本試験においては現実的でないと思います。 基本事項についてまで現場でうんうん頭と時間を使って悩んでいるようでは、肝心要の事案処理に頭と時間を費やすことができなくなってしまうからです(時間をかけることなく瞬時に基本事項が出てくるというのは、実務に出てからも重要なこと(むしろ、実務に出てからのほうがより重要なこと)でしょう。依頼者を前にして、六法引きながらたどたどしく説明してたら信用を失ってしまいますからね。)。 ですから、基本事項(=要件・効果、論証の骨)に関しては暗記しておいたほうがいいと思うわけです。 と、ここまでお話してきて、今回のテーマである「理解と暗記」に戻るのですが、ここで重要なのは、両者は、「理解を重視すれば暗記が排斥される。」「暗記を重視すれば理解が排斥される。」といった関係(=二者択一の関係)にあるわけではなく、「理解が進めば暗記した結果が得られる。」「暗記をすれば理解も進む。」といった関係(=相関関係)にあるということです。 つまり、僕の考える理解と暗記は、不可分一体といったイメージです。 でもこれって別に司法試験に限ったことじゃないですよね。 どんなジャンルの勉強でも、理解と暗記は密接不可分、切り離せません。 にもかかわらず、司法試験に関しては、「丸暗記すればいいんだ。」といったことや、「旧司法試験は丸暗記で受かる試験。」(←これは、旧司法試験のことをあまり知らない人程良くいうセリフのように思います。)といったことが言われます。 そんなバカな! と声を大にして言いたいわけです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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