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カテゴリ:くろがこの世に想う事
寂しさを覚えるときがあります。
電車の中でも急に。 友達といても急に。 それは、 急にきます。 夜、巨大な団地の前に立ったことがあります。 建設が終わったばかりで、 どの棟にも全く明かりがついていませんでした。 街灯だけが、ずっと向こうまで 冷たい光を放ちながら立っていました。 そこには誰も歩いていませんでした。 温度のない風景でした。 部屋に一人でいるとき このドアを開けたら急に宇宙が広がっていたら、 そしてその宇宙を 永遠に一人で旅しなくてはならなかったら、 というイメージが浮かびます。 もう何年も。 昔住んでいた部屋は高台にあり、 大きな西向きの窓がありました。 寂れた街が眼下に広がり、 くすんだ夕日が毎日 音もなく空と街を染めました。 夕焼けのときは いつもひとりで ピアノをずっと弾いていました。 セピア色の世界で一人で迷い、 かつ世界中から忘れ去られているようでした。 本当は、 高いビルの最上階の、 ガラス張りの部屋に 一人で住んでみたいと思います。 昼は眠り、 夜になると青いライトを照らした部屋から 夜景を眺め、 東の空に赤味が差す頃に カーテンを閉める。 そして同じ日々を繰り返す。 透明なガラスの中に閉じ込められて。 寂しさは 僕が生きていく上で、 とても大切なものです。 そして、決して嫌いなものではありません。 35歳のテーマは 「寂」 でいこうかなぁ、 と思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年01月25日 02時51分24秒
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