夏の風
夏のにおいを感じると私は青森で暮らすおばあちゃんを思い出します。小さい時、特に小学校中学校の頃はお盆になると家族皆で宮城から青森まで里帰りをしていました。乗用車に父、母、姉、私、弟、猫2匹。クーラーのない古い車で5~6時間かけて車にぎゅうぎゅうに荷物と人を詰め込み帰省したものです。おばあちゃんの家はとても田舎で特に遊ぶ場所はなかったように思いますがそれでも弟と駄菓子屋にお菓子を買いに行く。野菜畑で新鮮な野菜を食べる。蚊帳を部屋にセットして、その中でわくわくしながら眠る。近所のお祭りに浴衣を着て行く。おばあちゃんの原付の後ろにこっそり乗って近所まで買物に行く。楽しかった記憶があります。大学に入って以来家を出て仕事もはじめて、今では新潟にいて、お盆におばあちゃんの家に行く回数が減ってしまいました。今では家の近くに大きなジャスコが建ち、よく通っていた駄菓子屋さんもありません。小さい頃はとても広く感じた畑も今見るとさほど広くないように感じます。それでも帰省する度におばあちゃんにおねだりして作ってもらうカレー。昔と変わることのないその味は私を幸せにしてくれます。夏の匂いを感じるこの季節。ふとこんなことを思い出しました。今年のお盆は帰れるかなぁ。