テーマ:子どもの教育(36)
カテゴリ:教育
「できません。」
月曜日に中間テストを控え、社会の特別補習を受けていた中3の男の子。 「社会は大切な用語なんかを覚えて初めてできるようになる教科なんだよ。 できないっていうのは、キミがそれをきちんと覚えてないから。 今から言うとこ、ちゃんと覚えるんだよ。」 だけど、その子の口から出てくる言葉は、 「覚えられないですよ~。わかりませんよ~。」 どんどん不機嫌になっていく男の子。 その子は私のことを慕ってくれている。 中2から私が教えることになり、それなりに成績は向上させてきた。 だから、彼からすると、「先生がなんとしてくれるだろう」という考えなんだと思う。 だから、ちょっと厳しく「君のかわりに覚えることは私にはできない。」というと不機嫌度120%(苦笑) 最後は、泣かせてしまった。 「できない、って言葉を口にする時の人の心の中ってさ、結局それをやりたくな い、って思ってるんだよね。だけど、本当はやらなくちゃいけないことだから、やりたくないなんて言葉は口にしない。代わりに出てくるのが できない なんだと思う。できないって自分も他の人にも言うことで、それから逃げようとしているとしか私には思えないんだ。できない、っていう天井を作った人は、絶対それ以上にはなれないんだよ。」 そこで彼の目からポロポロと…… でも私は続けてこう言った。 「だからキミの言う できない は私にとっては言い訳にしか聞こえない。たかだか社会の重要用語を覚えることすら逃げるようなら、キミはこれから先、もっともっと大きい困難がやってきた時、間違いなく逃げようとする。社会の暗記なんて正直言って私はどうだっていいよ。ただ、何もかもから逃げるばかりの人にはなってほしくない。」 彼は涙を必死に隠そうとしながら、社会のテキストに向き合った。 ************************************************************************** 私も今までたくさんの「できない」を言ってきた。 でも、気づいてたんだ。 それは、「できない」ことを逃げ道に使ってたんだって。 他人にとっては言い訳、自分に対しては強力な自己暗示。 だから、結果が悪い方に転がったとしても、「できない」ことだったんだから…って頑張らなかった自分を守ることができる。 私がそういう自分に気づいたのは大学生の時。 それから、できないって思う前にまず行動してみようって思うようになった。 中学生の子供達には厳しすぎるかもしれない。 だけど、数年後彼らは成人となる。 その時、何もかもから逃げ出すような人にはなって欲しくないって心底思うから。 Jくん、泣かせてごめん。 でも、キミは「できる」んだよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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