|
カテゴリ:たまにはマジメなハナシ
なんだか忙しくないのに気持ちばかりが空回りのこの頃です。 さて、「日本電産」という会社の社長が 「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」 と記者会見で発言したという報道があり、ネットなどで賛否混じって問題となっているそうです。 「働け働け会社のために。クビになりたくなければ休まず働け」 これは労基法以前に、脅迫ともとれるほどのとんでもない発言です。 でも、大企業に買い叩かれ、または弱肉強食の自由市場で活路を見いださなければならない中小零細(この会社じゃないけど)会社の経営者はこんな思いで働いているのが現実です。だから怒る人がいる反面「当然だ」という人も出てきます。 でも、よぉーく考えてみると、この言葉が物議を醸すのは、日本の大企業と政府がグルになって一人勝ちしているという実態があるからです。大企業にさんざん買い叩かれてやせ細っていく中小零細企業と、本来労働者に支払うべき賃金をすべてネコババし、肥え太っていく大企業・・・ここを正せばこの言葉を「当然だ」という労働者はいなくなると思います。 今から40年以上書かれた「きみたちと賃金」という本には、当時ですら本来労働者がもらうべき賃金は実際にもらっている賃金の342倍(342%)なのだと書かれています。当時の正規職員ですら、毎日の労働時間に換算すると1時間46分分しかもらっていなかったとのこと。現在のワーキングプアーの賃金は確実に30分分ももらっていないと思います。 中小零細も同じ。大企業が買い叩くから、本来受けるべき収入がない。だから従業員に休みも返上で働かせるしかない・・・このサイクル自体を変えないと、ますます悪くなるだけだと思います。 このような構造改革が横行する社会になったのは大学でマルクス経済を学ぶ人が減ったからだとも言われます。最近マルクスの「資本論」が若い人たちの間で読まれているといいます。 温故知新、というわけではないのですが、たまには原点に立ち返ることも大事だと思う今日この頃です☆
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[たまにはマジメなハナシ] カテゴリの最新記事
|