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カテゴリ:本のオハナシ
今回は本のお話しというより・・・愚痴になってしまいそうです・・・タメイキ
昨日、宮崎勤死刑囚の処刑が執行されましたね。「おたく族」という言葉まで生み出したこの事件の犯人が「オタクのメッカ」秋葉原の通り魔事件の直後に行われたことに意図を感じてしまうあたしです。 とまぁ、この話はおいといて・・・ 今回の本「闇の子供たち」は、先進国の大人たちによって虐待・殺され続ける子どもたちの実情を描いた話です。フィクションとはいえかなり事実に基づいて書かれていると思います。あまりのおぞましさに読むことすら息苦しく感じ、必死になって一気に読んでしまいました。 話は、1人のバイヤーがタイの山岳地方の村を訪れることから始まります。 このバイヤーは2年前同じ家から女の子(ヤイルーン)を1人買っており、今度は次女(センラー)を買いにきます。父親はヤイルーンを買ったお金でテレビと冷蔵庫を買い、村人から羨望の目で見られていました。村人の肉を1日30バーツで冷蔵するなど、娘の犠牲によって村の中では豊かな生活を営んでいました。 バイヤーは親の前ではセンラーに優しくしますが、村を出たとたん逃げようとしたセンラーにタバコの火を押しつけるなどの暴力をふるいます。 足を手錠で繋がれ、豹変して鬼のように恐ろしいバイヤーに拉致されているセンラーは飢えと恐怖におののきながらバンコクの売春宿に連れていかれます。 一緒に買われてきた子どもたちと一緒に監獄のような部屋に入れられ、次々「調教」されていきます。そして翌日からは客を取らされます。 客はドイツ人やフランス人、アメリカ人などの白人やアラブ人です。当然日本人もかなりの数がいます。みんな金にものを言わせて子どもたちを貪り尽くします。 買われてきた子どもたちは8歳くらいです。当然性成熟などしておらず、毎回大量の出血と激痛が子どもたちを襲います。幼児性愛者はなぜか暴力傾向が強く、陰部にタバコの火を付けられたり、乳首に針を刺されたり、膣が避けるまで犯したりします。それでも泣き叫ぶと制裁として犯されながらタバコの火を何度も押しつけられたり、ムチで腫れ上がるまで叩かれるなどの拷問を受けるため、子どもたちはひきつって歪んだ笑みを浮かべながら苦痛に耐えます。 日本人の客は自分が満足するだけでなく、商品用のビデオテープを撮ります。撮られたビデオは日本人の幼児性愛者に売買されます。 客には女性も多くいます。しかし、小さな男の子ですから当然アソコも小さいです。そんな子どもたちに彼女たちは子どもたちの睾丸に成長ホルモンを注射し、無理矢理大きくさせて行為を行わせます。萎えるとまた注射して行います。睾丸に注射・・・その痛さは想像を超えるものでしょう・・・。それを数時間に何度もされるのです。 しかし、この成長ホルモンは医者によって調合されたものではないため、非常に濃度が高く、3本使うだけで呼吸困難や心臓停止を起こす危険を孕んでいます。 この話の中で、タノムという男の子がドイツ人とアメリカ人から連日ホルモン剤を投与されてショック死します。ドイツ人によって「養子縁組」という名の性奴隷売買契約が成立していたタノムですが、元締めのソムキャットは違う男の子をあてがいます。結局ドイツ人の夫婦はその子に満足して養子としてドイツに連れて行きます。所詮彼らにとって子供は性のおもちゃでしかなく、従順ならば誰でもいいのだとソムキャットは彼らをせせら笑います。 同じ頃、姉のヤイルーンはエイズに侵されゴミ袋に入れられて捨てられました。 ヤイルーンは最後の力を振り絞り、這いつくばって生まれ故郷へ帰ろうとします。道行く人たちに忌み嫌われながらも、10日後には懐かしい我が家に帰り着きますが、エイズに侵されているため檻に閉じこめられてしまいます。 次第に弱っていくヤイルーン。衰弱しきったヤイルーンを蟻が食べ始めます。鼻の穴や耳の穴から蟻が入り込み、内部まで浸食し始めたとき母親が叫びます。 「あんた!あんた!ヤイルーンが蟻に食べられる!」 母親の叫びを聞き、父親はヤイルーンの体にガソリンをかけて焼き殺してしまいます。タイでは子どもは親への恩返しとして売られます。病気をもって帰ってきたヤイルーンは父親にとって恥であり疫病神でしかありませんでした。こうしてヤイルーンは10歳の生涯を閉じます・・・姿を見かけない妹センラーのことを気にかけながら・・・ このような悲惨な状況を少しでもよくするために頑張っている人たちもいます。 社会福祉センターに務める音羽恵子もその1人です。彼女はタイに住み、幼児売春をなくす活動をしますが、なかなか改善はされません。タイでは警察も軍もマフィアから賄賂をもらい、幼児売春撲滅の取組を妨害します。 四面楚歌の中で、音羽恵子は大学の先輩である新聞記者、南部浩行に協力を求めます。南部浩行が取材を進めるうち、フリーカメラマン与田博明よりある日本人がタイの子供の臓器移植を行う情報を得ます。 「手術をやめなければ、子供は生きたまま臓器を取られるのよ」 音羽恵子は南部浩行とともに日本に向かいます。心臓移植をする子供の母親である梶川みね子に接触します。梶川みね子は静岡の名家の娘で、我が子を救うために4000万円で臓器移植を行おうとしています。 「タイで手術を受けるということは、タイの子供が1人犠牲になるということなんです。審だ子供の臓器が提供されるのではなく、生きた子供の臓器が提供されるのです。そんなことが許されるのでしょうか。どうか考えを改めてください。」 音羽の必死の懇願に、梶川は 「そんなことは、わたしにはわかりません。わたしはただ息子に手術を受けさせたいだけです。アメリカでの手術を待っていては手遅れになって、息子の命は助かりません。あなたは息子に死ねというのですか。そんな権利は誰にもありません。」 「これは犯罪です。考え直してください。許されないことなんです。何の罪もないひとりの子供の命が犠牲になるのです」 「わたしの子供にも何の罪もありません。それなのに、死ね、と言うのですか!」 結局話し合いは物別れに終わります。 梶川みね子の子供へ心臓を提供するのは、なんとセンラーでした。彼女の内蔵は切り刻まれ、梶川みね子の子供が心臓移植をしたのと同じ日にそれぞれ移植されました。 心臓4000万円、腎臓2000万円、肺、胃、大腸、目、皮膚、骨、脳、など、総額は7000万円にもなりました。骨や皮膚や目は実験用としてアメリカの病院へ売られました。 「豚や牛は捨てるところがないと言いますが、人間も捨てるところがないですね」 バイヤーはいまさらのように驚きながら、センラーを病院へ連れて行きました。センラーは自分が一月前に9歳になったことも知らず、バラバラに切り刻まれて消滅させられました。 音羽恵子たちは労働組合のデモに参加します。 しかし、そのデモ行進はマフィアの手先につぶされて暴動が起き、音羽たちの仲間は逮捕されてしまいます。 取材が終わって帰国を促す南部を拒み、音羽は活動を続けることを決意します。センターで生き残った子供たちに明るく声をかけます。 「さあ、みんなで食事を作りましょう。」
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