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カテゴリ:お酒、宿酔
あぁ、今日も… 財布を忘れた。 昨日は稽古だったので普段の通勤鞄と違うバッグ。 今朝、通勤鞄に中身を入れ替えたとき、何かが足りないような気がしていたが、財布の不在に気付いたのは電車が銀座のホームに滑り込もうとしていたときだ。 こんな日に限って、社食のメニューはまったく食欲をそそらないラインナップ。 定期入れの中に非常用の千円札とクレジットカードが一枚ずつ。 ランチタイムにはクレジットカードはたいてい使えない。使えるのは高級店だ。 千円あればランチを食べるのにそう困ることはないが、全部使ってしまうのも不安がないわけではない。 というわけで、吉野家へ。 並と卵で430円。 お釣りの570円をズボンのポケットに入れ、ジャラジャラ音をさせながら残り半日を過ごす羽目になった。 夜は前の上司と飲みに出た。 財布を持っていないことを告げると、「任せとけ」と力強い返事。 1軒目は惣菜中心の店へ。 きんぴら、出し巻き、冷奴、ひじきなどをつまみながら、ビールと焼酎。 この店の料理は悪くないが、ごく普通の家庭料理であるし、メニューが多くないので何回か来ると飽きてくる。 ま、たまにしか来ないから困りもしないが。 河岸を変えてバーに行こうとなったが、目指す店は満席。 すると上司が「荒木町に行こう」と言い出した。 荒木町とはディープな場所だ。 馴染みはないが、若い頃に上の人に連れて行ってもらったことが何度かある。 当時、新宿で働いていた私から見て、飲み屋街としての四谷や荒木町界隈ははずれた場所であり、なんでわざわざそんなところへ足を運ぶのかと不思議に思ったものだが、行って見ると狭い道に小さな店が並んでいて新宿とは違う賑わいがあり、大人の街だと感じた。 連れて行ってくれた人も「俺はこんなところに馴染みの店があるんだよ。どうだなかなかなものだろう」と言いたげな得意顔だったのを覚えている。 十余年ぶりの荒木町はやや寂れた感はあるものの、あいかわらず小さな店がいくつも並んでいた。 人通りは少なく、誰がどこから飲みに来るのか不思議だが、それでも商売は成り立っているようだ。 目当ての店はカウンターだけだがわりとゆったりしたスペースで、ボーズのスピーカーから流れるバロック音楽(だと後で教えてもらった)が、秋の夜長に今日1日の余韻を楽しむにはうってつけの環境を作り出している。 ジントニックからスタートし、2杯目はマスターが勧めてくれた珍しいラムをストレートで。 「海苔の佃煮の香りがします」というマスターの言葉に首をひねりながらも、グラスを鼻の下に当てると、本当だ。海苔の佃煮が香る。 おつまみに出てきた黒ごまセンベイとよく合う。 「案外飲みやすいのですが、それでも50度あるんですよ」とマスターが言うのを聞いて、顔の前で傾け始めていたグラスを思わずカウンターに置いた。 50度をクイクイ飲んでいたら後が怖い。 もう1杯、別なラムを。 こちらは長年熟成した辛口の梅酒のような味わいだ。 微かに甘みがあってまろやかな口当り。 珍しいお酒を飲ませてもらったのでそれなりの勘定になったが、それでも銀座に比べたら割安感がある。 満腹、満腹 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年09月15日 10時58分11秒
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